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写真集 生命の森 明治神宮 の商品レビュー

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2023/05/18

人工的に作られた「原生林」が明治神宮内苑の森である。 その稀有な森を美しい写真で綴っている。 本書は、森の方にフォーカスがいきがちな明治神宮の森に、多様な動物、昆虫が息づいていることに気づかせてくれる。

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2021/06/05

永遠の杜の本。 人工的に作られた森で、さらに大都市の中にあって、これだけの生物を内包しているというのは、今は明治神宮から一歩出れば人工物しかないこの土地が、元来本当に自然豊かな土地だったんだという痕跡のようで、美しくもあり切なくもある。

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2019/03/13

会社に行くときに、いつも原宿で降りて、千代田線に乗り換える。つまり、明治神宮の脇を毎日通っているわけである。この広大な鬱蒼とした森が、人の手によって人工的に作られた森とは、にわかには信じられない。 明治45年(1912年)、明治天皇が崩御されると、実業家の渋沢栄一らによって、この...

会社に行くときに、いつも原宿で降りて、千代田線に乗り換える。つまり、明治神宮の脇を毎日通っているわけである。この広大な鬱蒼とした森が、人の手によって人工的に作られた森とは、にわかには信じられない。 明治45年(1912年)、明治天皇が崩御されると、実業家の渋沢栄一らによって、この神宮の森が発案された。そこで白羽の矢が立ったのが、ドイツで最先端の林学を学んだ本多静六ら三人の学者である。彼らは150年かけて、永劫に続く森を創ろうと考えた。とてつもない大計画である。 2020年、明治神宮の森は100年を迎える。つまり、この森はまだ完成していない。しかし、100年続くというのはすごいことである。ローマの遺跡を見て人々は感心するが、日本人もそう遠くない昔にこれほどのものを作ったのである。 翻って、現代のわれわれはどうか。100年先の子孫に、俺たちはこれだけのものを作ったと、胸を張れるものがあるだろうか。自分の生きているうちだけでなく、その先も含めたスパンで計画を立てる。そういう人物が、現代にいるだろうか。せいぜいオリンピック会場の跡地の使い道を考えるくらいが関の山ではないか。われわれは本多静六らに多くを学ばなければならない。

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2018/09/25

精読するのではなくぱらぱらめくる場所に置いておいた本。写真も美しいし「へぇ!」なことがイロイロなのだけれど、あとがき的な伊藤さんの文(カメラマン佐藤岳彦さんのことを語っている)を読んで、この本が素敵なオタク二人(誉めてます)によって作られたものだと腑に落ちました。オタクが熱意をこ...

精読するのではなくぱらぱらめくる場所に置いておいた本。写真も美しいし「へぇ!」なことがイロイロなのだけれど、あとがき的な伊藤さんの文(カメラマン佐藤岳彦さんのことを語っている)を読んで、この本が素敵なオタク二人(誉めてます)によって作られたものだと腑に落ちました。オタクが熱意をこめた作品はこの上ないのだ。

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2022/06/01

70万平米(東京ディズニーランドよりデカい)にも及ぶ明治神宮は人為的な森である。明治神宮の名の通り、明治天皇崩御に際して献木などで作られた森。 献木から外来種は除いたというが、樺太から台湾におよぶ当時の日本領各地からの献木というから、遺伝子攪乱は免れない。もともとは森ではな...

70万平米(東京ディズニーランドよりデカい)にも及ぶ明治神宮は人為的な森である。明治神宮の名の通り、明治天皇崩御に際して献木などで作られた森。 献木から外来種は除いたというが、樺太から台湾におよぶ当時の日本領各地からの献木というから、遺伝子攪乱は免れない。もともとは森ではなかった場所だというから、その場所の植生を復活させた、というものでもない。そういう点ではちょっと賛成しかねる森ではある。 けれど、それでも極相林が育ち、あの東京23区にカワセミやらオニヤンマやらが飛んでいて、まあいいではないか、という気持ちになる。 人間だって、やればできるではないか。もっとも、禁足地も設けられていて、やればできる反面、やらないからできた、というところもある。 ここが本当に東京か、というような多くの写真に息をのむ(なんてコトバは使いたくないが)し、少しある解説では、大隈重信が杉林にすべしと主張していた(そして、それをどう逃げたのか)なんてこともわかる。 こういう国家的かつ宗教的事業は、現在の価値観では到底出来ないだろうが、きっとこれは相当な熱量をもってあたられたのだろうなあ。50年後、100年後、150年後の予想林相図も作られたという。いま、50年後のこととか、誰も語らんもんなあ。

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