天下 家康伝(下) の商品レビュー
「天下 家康伝(下)」火坂雅志著、日本経済新聞出版社、2015.04.24 391p ¥1,944 C0093 (2023.10.30読了)(2023.10.20借入)(2015.06.20/4刷) 信康が武田と通じていることがわかり、信康が自刃した話から関ヶ原の戦いの前までが物...
「天下 家康伝(下)」火坂雅志著、日本経済新聞出版社、2015.04.24 391p ¥1,944 C0093 (2023.10.30読了)(2023.10.20借入)(2015.06.20/4刷) 信康が武田と通じていることがわかり、信康が自刃した話から関ヶ原の戦いの前までが物語られています。上杉景勝を討伐する群を編成することで、主導権を握ったことで、もはや家康の天下は不動のものとなったという判断で、物語を終らせたのでしょう。 秀吉には、天下を統一した後に太平の世の中をつくるという発想はなかったのでしょうかね。子どもがいなかったためにそのような発想ができなかったのでしょうか。生まれが平民だったために、権力に浮かれてしまったのでしょうか。 家康は、一国一城の主だったので、天下泰平の世の中をつくることができたのでしょうか。 領地替えで、江戸に移り国を新しく作る経験が天下泰平の世の中の仕組みを考える上での糧になったのでしょうか。いろいろ考えてみるのも、面白いですね。 【目次】 第十一章 徒雲 (信康自刃) 第十二章 波乱の跫音 (武田氏滅亡) 第十三章 伊賀越え (本能寺の変) 第十四章 阿茶 (甲斐、信濃領有) 第十五章 秀吉 第十六章 小牧・長久手の戦い 第十七章 上洛 第十八章 牙を秘めて (小田原攻め) 第十九章 求めるもの (唐入り) 第二十章 天下の天下 終章 「天下 家康伝」の連載を終えて 執筆メモより 家康語録 ●帳尻が合う(57頁) 「若いときにどれほど多くの幸運にめぐまれた者でも、晩年にはいたってその運がつづくとはかぎらぬ。また、苦労つづきの人生でも、老境に差しかかって、突然、向こうから運気が押し寄せてくることもある。多くを失っても、腐らず、投げやりにならず、潮がめぐってくるのを待っておれば、いつかは必ず帳尻が合うと、それがしは信じて生きておるのです」 ●秀吉の哲学(205頁) 「飯を腹いっぱい食わせてくれる男のもとには、おのずと人が集まってくる」 ●天下(330頁) 「わしが天下を欲するのではない。天下がわしを欲したとき、ようやく何ごとかがはじまる。卑しい心根をもって世の兵乱を望むような男に、誰が付いてくると思う。おおやけの志を持たねば、人の心は動かせぬ」 ☆関連図書(既読) 「天下 家康伝(上)」火坂雅志著、日本経済新聞出版社、2015.04.24 「徳川家康の決断」本多隆成著、中公新書、2022.10.25 「どうする家康(一)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2022.12.10 「どうする家康(二)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.03.20 「どうする家康(三)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.07.25 「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25 「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25 「司馬遼太郎『覇王の家』」安部龍太郎著、NHK出版、2023.08.01 「家康(一)自立篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2016.12.20 「家康(二)不惑篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2018.10.25 「浅井長政の決断」笹沢左保著、角川文庫、1990.10.10 「天地人 上」火坂雅志著、NHK出版、2006.09.25 「天地人 下」火坂雅志著、NHK出版、2006.09.25 「「天地人」を歩く」火坂雅志著、祥伝社、2008.09.15 「直江兼続の義と愛」火坂雅志著、NHK出版、2008.11.15 「真田三代(上)」火坂雅志著、文春文庫、2014.11.10 「真田三代(下)」火坂雅志著、文春文庫、2014.11.10 (「BOOK」データベースより)amazon 天下は、一人の天下ではない。民をないがしろにする国家経営は滅びる。大名の自治を認め、整備された法によって政治をすすめ…義を重んじる。徳川260年の平和は、家康の苦難が道を拓いた!
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築山殿、信康の武田内通事件から、関ヶ原の戦がおわり、徳川家康隠居の為の駿府城築城まで。 徳川家康の実際の言葉を参考にして、描いていることもあり、徳川家康の実像をよく捉えている作品。 徳川家康物して、飽きることなく、一気読みしました。傑作と言えるでしょう。
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2023年NHK大河ドラマ「どうする 家康」。2014年10月まで日本経済新聞夕刊で連載された作品の、書籍・文庫化です。戦国乱世を終わらせた武将にして、現代日本の基礎を築いた男の一生を渾身の筆で世に問うた作者の遺作である。
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浜松城に行ってきた。浜松駅で鰻弁当とビールを買い、バスで浜松城公園へ。先ずは暖かい日のあたる公園の隅で、弁当を食べながらビール。その後お城へ。入場料が安いなと思ったら、その文お城も小規模、少し拍子抜けしてしまった。庭園は楽しく、落差がしっかりある滝があり、梅が咲き、リスを横目にぶ...
浜松城に行ってきた。浜松駅で鰻弁当とビールを買い、バスで浜松城公園へ。先ずは暖かい日のあたる公園の隅で、弁当を食べながらビール。その後お城へ。入場料が安いなと思ったら、その文お城も小規模、少し拍子抜けしてしまった。庭園は楽しく、落差がしっかりある滝があり、梅が咲き、リスを横目にぶらぶらと。至る所で家康推すような看板が、ここは楽器の街でもあるのね、ピアノ柄の袴を履いた家康クン。 人柄のせいか?意外と家康主人公の小説が無く(山岡氏の徳川家康は読んでみたが数ページで止めた)読みたいなとは思っていた、書店で火坂氏が描いていることを知りこれは面白いだろうと手に取る。期待通り面白い。 家としては半分無くなっている状態から駿河で勢力を守り、広げやがて秀吉の後の世を納めるまでの話、話としても面白いし、改めて時代を家康目線でたどることの楽しみ。
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上巻に続けて一気に読んでしまった。家康の天下取りまでの過程がよく分かる作品であり、やや家康に好意的に書かれているきらいはあるが大変面白いおすすめ一冊。 時機を見定める大切さ、ここという時は全てを賭ける気概等、現在にも通ずる学ぶべき点も多い。
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徳川家康が登場する小説いろいろ読んだし、物語の内容もよく知っている。信長のカリスマ性や秀吉の人望もそれほどなかったと思うが、それでも天下に対して人一倍望んでいたし、それまでの地道な生き方の甲斐があったんだと思う。さらに優秀な家来集の存在も大きかったんでしょう。嫡男・信康の最後の場...
徳川家康が登場する小説いろいろ読んだし、物語の内容もよく知っている。信長のカリスマ性や秀吉の人望もそれほどなかったと思うが、それでも天下に対して人一倍望んでいたし、それまでの地道な生き方の甲斐があったんだと思う。さらに優秀な家来集の存在も大きかったんでしょう。嫡男・信康の最後の場面が印象的だった・・・家康に自刃させられる最後の面会で「天下を狙ってくれ」と託された。そういったこともあり、心に期すものがあったのだろう。
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火坂版の家康伝下巻。 築山/信康成敗から関ケ原直前まで。 物語としては火坂さんらしく、淡々と家康視点での年表ガタリという感じです。 懸念の架空の女性はちらっと出てきただけで歴史や物語の妨げにまではなりませんでした。 ただ、関が原直前という寸止め状態から、冒頭につながるので、冒頭の伏線っぽいのは何だったのかと不完全燃焼なのが残念です。 この下巻は、今年(平成28年)の大河ドラマと完全にかぶっているし、大河ドラマの方が真田視点でかなり丁寧に且つ面白く描かれているので、大坂の陣はそちらを楽しみとします。 ともかく、火坂さんに合掌。
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この本を読み終えて、2月に火坂さんが逝去されたことを知りました。 残念ですが、10年近く火坂さんの過去の作品と、その後は新作を貪るように読んだこと、本当に感謝の念に堪えません。 ありがとうございました。
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家康が主人公であるが故に、最後の豊臣家滅亡に至る肝心な部分のどろどろとしていたであろう駆け引きが天下という観点であっさりと書かれており、深みはない。
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家康は、長生きしたから、天下が取れたと思う。信長に良く耐えた。まあそうしないと生きていけないけど。慎重さと大胆さを兼ね備えている。
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