天下 家康伝(下) の商品レビュー
★2015年7月12日読了『天下 家康伝(下)』火坂雅志著 評価B 先日の上巻の続編。長男信康と正妻築山殿が、謀反の疑いを織田信長からかけられ、家康の苦渋の決断により断罪されるところから後半は始まり、信長の死、命がけの堺から三河への逃避行、信濃・甲斐への勢力拡張、小牧長久手での秀...
★2015年7月12日読了『天下 家康伝(下)』火坂雅志著 評価B 先日の上巻の続編。長男信康と正妻築山殿が、謀反の疑いを織田信長からかけられ、家康の苦渋の決断により断罪されるところから後半は始まり、信長の死、命がけの堺から三河への逃避行、信濃・甲斐への勢力拡張、小牧長久手での秀吉との合戦、まだ時にあらずと秀吉の配下に入る忍従の時期、朝鮮出兵以降の秀吉の傲慢な態度、そして秀吉の死。石田光成との対決、関ヶ原の合戦と盛り沢山。 上巻の印象は変わらず、サラリーマン用の読み物としては十分かもしれないが、やはり何故か今ひとつ心理描写に深みが感じられない、これが司馬遼太郎あたりとの筆力の違いなのだろうか?不思議なものです。同じように書いているとは思うのですが、、、 中で一カ所、そうだよなあと思ったところを書いておきます。(どこぞの首相にお送りしたい一文ではある。) 天下は一人の天下にあらず、天下は天下の天下なり。 国家の治政というものはたった一人の自己満足のためにあるものではない。国家が必要とする思想を持ち、民のために有用な者のみが天下を掌握することが出来る。だが、その者とて独りよがりになれば、天命により座を逐われるだけだ。
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今年の2月に著者が逝去し、遺作となった作品を読む。とりわけ新しい家康像を描いたものではなく、徳川治世に至るまでの戦国期が極めてオーソドックスに描かれている。物足りなさを感じるものの、改めて歴史のおさらいをする。著者らしい分かりやすい文章で、読み手に優しい。ここに歴史の本流を書き終...
今年の2月に著者が逝去し、遺作となった作品を読む。とりわけ新しい家康像を描いたものではなく、徳川治世に至るまでの戦国期が極めてオーソドックスに描かれている。物足りなさを感じるものの、改めて歴史のおさらいをする。著者らしい分かりやすい文章で、読み手に優しい。ここに歴史の本流を書き終え、今後は様々な傍流、支流に視点を当ててくださったであろうことを思うと残念だ。ご冥福をお祈りしたい。
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