中高年ブラック派遣 の商品レビュー
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中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇 (講談社現代新書)2015/4/20 良い題材を使っている。しかし写真やグラフも無い。悪質会社の実名も無い。本書の編集がイマイチ 2015年7月29日記述 中沢 彰吾による本。 東京大学卒業後、1980年毎日放送(MBS)に入社。 アナウンサー、記者として勤務。2006年に身内の介護の為に退社した後に著述業に転身。 著者自身の派遣社員としての経験も書かれている。 (卓上カレンダーの組み立て、物流倉庫のピッキング、イベント、クリスマスケーキ製造、スーパーのくじ引き抽選会・・)いわゆるルポタージュである。 リーマン・ショック後にグッドウィル、フルキャストなどの人材派遣企業が世間から批判された。 その後、今の派遣労働事情がどのように変化したのかが分かる。 相変わらず交通費が支給されない派遣社員。 労働者側からのキャンセルを許さない派遣会社。 労働基準法や他の労働法からの保護から漏れている派遣社員。 ピンハネが横行しサービスそのものの低下すらしている現場・・・ 悲惨である構図はまるで変わってない事が良く分かる。 本書で特に貴重な告発としては2014年の司法修習生考試での試験監督が逃亡したケース。 2日目の24番試験室でのミス。またその事件のもみ消し。 ただ本書の良くない点を申し上げると 写真が一切無い・・派遣先企業からのお助け下さいメールでも掲載してくれたらかなりリアルになるのに・・・ 実際に著者が勤務した場所を後日撮影したものでも ずいぶん変わってくる。 また図やグラフも無い。資料からの引用で構わないから簡単でいいからグラフ(派遣業界の推移など)があれば良かった。 著者は派遣会社に対して不信感を持っている事がよく分かる。 それにも関わらずまるで社名、実名が出てこない。 168ページから登場するG社に至っては実名を出して全く問題無いように思われる。 あまりに腰のひけた記述が残念過ぎる。 本書は2014年、2015年はじめ頃の派遣労働の実態という良い題材を使っている。 にも関わらず本書の完成度が低い。 全部活字のみは何だか読む気が萎える。 完成途中のゲラを読まされているような気分にならざるを得なかった。 以前読んだ牧野 洋氏の官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪という本に似ている。 非情にもったいないことだ。
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自身の体験に基づく、2015年の派遣事情をまとめた本。主に中高年をターゲットに、信じられないを通り越して、仕事するのが嫌になってしまうような事例が満載。やるせないのは、欧米諸国はしっかりと人権が保護され、日本のようなことはないこと。日本はまだまだ後進国であることを実感させられる。
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MBS毎日放送の元社員が介護のため退職、非正規雇用労働者となった際の体験談。記者風の記述で、読みやすい。
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経費節減、特に、人件費カットを望む経営者側の労働行政の迷走が続く、一応先進国日本。ヨーロッパの先進国ではあり得ないような人材派遣という名の「人間キャッチボール」が行われている。 強制力のない労働者保護という名目だけの条文。 派遣者先、派遣元における、労働者保護の法令遵守の無視。 ...
経費節減、特に、人件費カットを望む経営者側の労働行政の迷走が続く、一応先進国日本。ヨーロッパの先進国ではあり得ないような人材派遣という名の「人間キャッチボール」が行われている。 強制力のない労働者保護という名目だけの条文。 派遣者先、派遣元における、労働者保護の法令遵守の無視。 無法状態の派遣現場を取材した著者。 労働関係法令を熟知とまではいかなくとも、一応知っておくべき内容を全く知らない、人材派遣会社の担当者。 ブラック派遣現場の中高年に対する人権無視のやり方。 著者のようなタイプの人が、もっともっと現場の過酷な情報を発信して欲しいと思った。
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悪しき派遣会社と闘う姿勢は心強いが、読んでいると、どうも見下されている感がしてならない。 対応が悪いというか理不尽極まる会社が多いが人がいないから派遣を雇っているので手袋とか完備してないケースもあり得るのではと思った次第。
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日本の人材派遣業界の事業所数は世界最多の7万5千だそうな。いつの間にこんな世の中になったんだと、隔世の感です。 健全な派遣会社もあるけれど、そういうところでは取り立てて能力のない中高年は登録してもらえないんだそうで、行き場は日雇い派遣が専門の派遣会社。労働者は十把一絡げのモノ扱...
日本の人材派遣業界の事業所数は世界最多の7万5千だそうな。いつの間にこんな世の中になったんだと、隔世の感です。 健全な派遣会社もあるけれど、そういうところでは取り立てて能力のない中高年は登録してもらえないんだそうで、行き場は日雇い派遣が専門の派遣会社。労働者は十把一絡げのモノ扱いされ、労基法も知らない悪徳派遣会社に食い物にされているという実体験をレポートした内容。 在職時代、そして現在も、身近に派遣をやっている人は知っていましたが、本書に見られるようなブラックな派遣会社が本当に実在するとは思いもよりませんでした。 働き様が変わっていく時代の流れの中での歪み現象で、本書の中でも述べられてましたが、悪質な消費者ローンが一掃されたように、いずれ淘汰されていくものだとは思うんですがね。
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読んで暗澹たる気持ちになった。こんな奴隷みたいな職場ならやらなければいいのだが、そういう仕事しかないという現実。筆者のように東大出て 一流企業のエリートがここまで転落するとは。 ネタの為にあえてこんな仕事をしたと思いたかったが、2014年の年収が100万円台だと書かれてあったから...
読んで暗澹たる気持ちになった。こんな奴隷みたいな職場ならやらなければいいのだが、そういう仕事しかないという現実。筆者のように東大出て 一流企業のエリートがここまで転落するとは。 ネタの為にあえてこんな仕事をしたと思いたかったが、2014年の年収が100万円台だと書かれてあったからそうではないのであろう。 諸外国との人材派遣業界の比較は参考になった。
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現在の我が国における中高年労働の、これが実態だろう。 中間搾取と非難されつつ、求人側と求職側を結び付けるのはあくまでも派遣会社であり、人材流動化の上でその役割は必ずしも否定できない。 詰まる所程度問題であり、法令違反の人材派遣会社を適切に取り締まれる仕組みの確立が早急に必要だ...
現在の我が国における中高年労働の、これが実態だろう。 中間搾取と非難されつつ、求人側と求職側を結び付けるのはあくまでも派遣会社であり、人材流動化の上でその役割は必ずしも否定できない。 詰まる所程度問題であり、法令違反の人材派遣会社を適切に取り締まれる仕組みの確立が早急に必要だ。
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日本の派遣労働者、その中でも中高年の派遣労働者の現実を多くの実例を載せて紹介している。 こんな現代の奴隷制度は一刻も早く廃止されねばならない。
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人材派遣が、使いたい人数を安価に・最低限の時間だけ単純労働に従事・人事責任を負わない制度になっている。違法待遇に加え、経験やスキル・人間性・人権をも無視した奴隷に近い労働形態が横行している現実。1999〜2005に業界が急成長、ノウハウを得た営業社員が次々開業。 派遣業界も時を...
人材派遣が、使いたい人数を安価に・最低限の時間だけ単純労働に従事・人事責任を負わない制度になっている。違法待遇に加え、経験やスキル・人間性・人権をも無視した奴隷に近い労働形態が横行している現実。1999〜2005に業界が急成長、ノウハウを得た営業社員が次々開業。 派遣業界も時を経て、登録者が中高年となった、現状の実体験。人間の能力が、ほんとに、無駄に使われているなぁと思いました。
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