わたしが外人だったころ の商品レビュー
最近この本と再会し、子どもの頃に読んで感じた不穏な印象を思い出した。 佐々木マキの絵が不気味だったような記憶なのだけど、思ってたより優しい色合い、でも造形が不穏さを演出する。 抽象的な絵にすることで、返って印象に残る。 なんだろう、文章だけで読むよりも、この絵があることで何度も...
最近この本と再会し、子どもの頃に読んで感じた不穏な印象を思い出した。 佐々木マキの絵が不気味だったような記憶なのだけど、思ってたより優しい色合い、でも造形が不穏さを演出する。 抽象的な絵にすることで、返って印象に残る。 なんだろう、文章だけで読むよりも、この絵があることで何度も読み返し、様々な解釈ができるような気がする。 それこそ、どこに行っても外人だったと感じていた著者のように、どの国や文化においても違和感を感じるような、その感覚を掘り下げてみたいような気にさせてくれる。
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裏表紙を見ると「小学中級から」とあるが、なかなかに難しいのではないかなぁ。 異質なものとの触れ合いが、アイデンティティをつくるのかなぁ?そんなことを考えた。
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1938年、著作者の鶴見さんはアメリカにいました 高校と大学に通い、大学の三年目のときに日米で戦争が始まりました。 移民局附属の留置所に入れられ、自分の意思で敗戦するであろう日本に戻ります。 徴兵され、通訳などの仕事をしていましたが、青春時代を過ごしたアメリカを例え自分が戦死しても憎むことはないだろうと思っていました アメリカにいたとき、外人であった。 日本に暮らしても日本人を外人と感じて生きてきた。 〇訥々とアメリカで暮らしていたころ、日本に戻ってきてからのことを語る
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大人になって「そういえばあんなことを言っていた人がいたな。」って思うことがある。絵本や童話は、その時楽しいだけじゃない。そういう価値観が失われていく時代に、子供が大きくなっていくのに、ちょっとあらがってみるのは、大人の責任じゃないだろうか。 ふとそんなことを考えた絵本です。ブ...
大人になって「そういえばあんなことを言っていた人がいたな。」って思うことがある。絵本や童話は、その時楽しいだけじゃない。そういう価値観が失われていく時代に、子供が大きくなっていくのに、ちょっとあらがってみるのは、大人の責任じゃないだろうか。 ふとそんなことを考えた絵本です。ブログでも感想を書きました。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202105290000/
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児童書だけど、子供には少し難しいかもしれない。 大人でも、受け止められたのか、読み手の本質が問われると思う。 短いページ数で淡々と書かれているのでさらっとも読めるし、モヤのように広がる静かな恐怖のようなものも感じる。 最後の1ページがずしりときた。 「地球上の人間全体の中で、日...
児童書だけど、子供には少し難しいかもしれない。 大人でも、受け止められたのか、読み手の本質が問われると思う。 短いページ数で淡々と書かれているのでさらっとも読めるし、モヤのように広がる静かな恐怖のようなものも感じる。 最後の1ページがずしりときた。 「地球上の人間全体の中で、日本人にとっては、外人のほうが多い。日本人は、外人にとりかこまれて、この世界でくらしているのに、日本人本位に考えるのでは、わたしたちは地球上に住みにくくなります。」 著者の体験をもっと知りたい。 あの時代を生きるということの壮絶さ、平和になって海外に自由に行き来できるようになった今の時代はあの時代と変わったのか、恐ろしくもある質問をしてみたかった。 星3つにしましたが、これは私の人間力ゆえです。 もっとこの本に値する人間になってから再読したい。
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紹介するのはとても難しい絵本です。 佐々木マキさんの絵が鶴見俊輔さんが伝えたいことは、こんなことなのかな、こんな心情だったのかな、と想像する助けになりました。 言葉って何だろう、生きるって何だろう、国って何だろう、戦争って何だろう、個人って何だろう… 何だろうは、難だろう!?...
紹介するのはとても難しい絵本です。 佐々木マキさんの絵が鶴見俊輔さんが伝えたいことは、こんなことなのかな、こんな心情だったのかな、と想像する助けになりました。 言葉って何だろう、生きるって何だろう、国って何だろう、戦争って何だろう、個人って何だろう… 何だろうは、難だろう!?いろんなことを軟らかく考えられる人でありたいな、と思いました。
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_わたしは、アメリカにいた時、外人でした_ 16歳から19歳をアメリカで過ごした著者。大学へ進学し、温かいアメリカ人家庭に下宿していた時、大平洋戦争が始まる。 開戦の知らせを聞いた時も、兵役を終えて生き残り終戦を迎えたときも、 _わたしはアメリカを憎むことができないままでした_ アメリカでは外人。戦争中の日本では日本人を外人と感じて。そして70年経って、 _今もわたしは外人です。_ 絵本の形式を取り、子どもにもわかるように語られているけど、これは凄みのあるノンフィクション。 佐々木マキさんの柔らかで抽象的な絵が、心象風景を巧みに表します。 現代の私たちが今こそ向き合いたいテーマについて、宿題をもらったような絵本でした。
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小学生のときは、佐々木マキさんの絵の、形をなさない物、人の形がようやく保てているようなグニャグニャしたかたまりに気を取られて文字が入ってこなかった。 ときを経て手にとったとき、あのとき目をそらしていた絵は、やわらかな水彩のにじみとともに心に入ってきた。表情や状況を細かに絵で再現し...
小学生のときは、佐々木マキさんの絵の、形をなさない物、人の形がようやく保てているようなグニャグニャしたかたまりに気を取られて文字が入ってこなかった。 ときを経て手にとったとき、あのとき目をそらしていた絵は、やわらかな水彩のにじみとともに心に入ってきた。表情や状況を細かに絵で再現しないことで、それぞれの読み手に任せるところがよいのだと思う。 本の内容筆者が戦時下に置かれた状況を淡々と書きながらも、多くの質問を投げかけていくような、そんなお話でした。
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古い本ですが、いまでも、というか、多様性がサケバレルいまのほうが切実に必要な一冊かも……。 短いのですぐ読めますが、なかみは深いよ。 2019/06/04 更新
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歴史の対談の本を読んで、この人に興味を持ったので読んでみた。 戦前に外国の正しい情報を持っている人は、みんな日本が負けると知っていた。この人はどうして、負ける時に敗戦国にいたいと思ったんだろう? 何日かおきに血を吐くような持病を持っている人まで徴兵されたのか…。今は大丈夫なの...
歴史の対談の本を読んで、この人に興味を持ったので読んでみた。 戦前に外国の正しい情報を持っている人は、みんな日本が負けると知っていた。この人はどうして、負ける時に敗戦国にいたいと思ったんだろう? 何日かおきに血を吐くような持病を持っている人まで徴兵されたのか…。今は大丈夫なの? なぜ自分がここにいるのかよくわからないという頼りない気分が、今ではわたしのくらしをささえている力になっている…。わたしも、こんなふうに生きられるのかな。
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