モダン の商品レビュー
ニューヨーク近代美術館にまつわる短編集。 「マシン・アート」展を思わず検索してしまった。 僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているもの。それでいて、美しいー。 3.11東日本大震災 9.11同時多発テロ 歴史上かつてない未曾有の出来事とアート。 原田マハなら...
ニューヨーク近代美術館にまつわる短編集。 「マシン・アート」展を思わず検索してしまった。 僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているもの。それでいて、美しいー。 3.11東日本大震災 9.11同時多発テロ 歴史上かつてない未曾有の出来事とアート。 原田マハならではの作品。 2015年 文藝春秋 装丁:大久保朋子 装画:「鏡の前の少女」パブロピカソ
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原田マハさんの本を読むと、登場する絵を見たくなって、検索する。 今回もワイエスの『クリスティーナの世界』を知った。 草原に1人の女性の後ろ姿。 枯れ草の大地に両手を食い込ませ、懸命に前に進もうとしている姿… 東北大震災が起きた福島の美術館。 そこからクリスティーナを救い出せとの...
原田マハさんの本を読むと、登場する絵を見たくなって、検索する。 今回もワイエスの『クリスティーナの世界』を知った。 草原に1人の女性の後ろ姿。 枯れ草の大地に両手を食い込ませ、懸命に前に進もうとしている姿… 東北大震災が起きた福島の美術館。 そこからクリスティーナを救い出せとの命令で、危険な?現地に向かった杏子。 ふくしま近代美術館、学芸員の伸子。 1話めの《中断された展覧会の記憶》が好きだ。
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ニューヨーク近代美術館(MOMA)に関わる人々短編集。 3.11や9.11、スティーブジョブズ、楽園のカンヴァス、ピカソのゲルニカなどをうまく折り込んでる。 原田マハさんのファンにはたまらない一冊だと思う。面白かった♪
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「中断された展覧会の記憶」「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」「私の好きなマシン」「新しい出口」「あえてよかった」 ニューヨーク近代美術館で仕事をする人々と、アートをめぐる5つの短編集。 「知らないところで生活の役に立つ。それでいて美しいもの。それがアート。」 取り上げられた作品...
「中断された展覧会の記憶」「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」「私の好きなマシン」「新しい出口」「あえてよかった」 ニューヨーク近代美術館で仕事をする人々と、アートをめぐる5つの短編集。 「知らないところで生活の役に立つ。それでいて美しいもの。それがアート。」 取り上げられた作品を想像したり(検索もして)一度だけ訪れたことのあるMoMAのことが思い出されて楽しく懐かしい。原田マハさんならではのアート愛溢れる一冊。
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ニューヨークの中心、マンハッタンに存在し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂。 それが「MoMA」ニューヨーク近代美術館。 近現代美術、工業デザインなどを収集し、20世紀以降の美術の発展と普及に多大な貢献をしてきたこの美術館を舞台に、そこにたずさわる人々に...
ニューヨークの中心、マンハッタンに存在し、1920年代から「ザ・モダン」と呼ばれたモダンアートの殿堂。 それが「MoMA」ニューヨーク近代美術館。 近現代美術、工業デザインなどを収集し、20世紀以降の美術の発展と普及に多大な貢献をしてきたこの美術館を舞台に、そこにたずさわる人々に起きる5つの出来事を描いた自らの美術小説の原点にとりまくんだ美術小説短編集。 原田マハが、半年間勤務し、『楽園のカンヴァス』でも重要なモチーフとなった〈ルソー〉の「夢」も所蔵する「MoMA」が舞台。 『楽園のカンヴァス』とは、世界観を共有し、その作中人物も登場。 「新しい出口」は、マティスとビカソ、そしてある学芸員の友情と別れを描いた作品。 そのほかにも、アメリカの国民的画家〈アンドリュー・ワイエス〉と〈フクシマ〉の原発事故について描く「中断された展覧会の記憶」、MoMAに現れる一風変わった訪問者にまつわる監視員の話「ロックフェラーギャラリーの幽霊」、初代館長アルフレッド・バーと、美しきMoMAの記憶を、インダストリアルデサイナーの視点から描いた「私の好きなマシン」、美術館に併設されたデザインストアのウィンドウにディスプレイされた日本に待つわるものについての意外なエピソードをつづった「あえてよかった」など、著者ならではの専門的かつ、わかりやすい視点で、芸術の面白さ、そして「MoMA」の背景と、その歴史、そして所蔵される作品群の魅力を、十二分に読者へと伝える待望の「美術館」小説集。
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MoMAを舞台にした短編集。 かなり前に読んだので、 震災後の福島県美術館の話ししか覚えてないけど、 原田マハさんの作品を読むと本当にこういうことがあったんじゃないかと考えさせられる。
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クリスティーナの世界を題材にした短編が一番よかった。いつものことだけど、原田マハの作品は、絵を検索しつつ見るのが楽しい。モマのベアリングの美しさよ!
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アートを感じる素敵な短編集。 アートとは何か? と言う漠然とした難しい様なことをさらりと短編で教えてもらえるなんともスタイリッシュなそれでいてどこかあったかくなるような話ばかりだった。
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日本文学、美術史学を学びフリーのキュレーターとして活躍。 美術の話題を盛り込んだ、彼女の本領発揮の一冊。 全編が短編。 ニューヨーク近代美術館MoMAが舞台となっている。 私が特に気に入った作品は、東北の大震災の際、 被災した被災者のために一旦中止になってしまった 展覧会『アンドリュー ワイ エス展』の目玉となる 『クリスティーナの世界』を放射能被害を危惧したMoMAが 引き上げようと、ニューヨーク生まれの日本人キュレーターを 福島の小さな美術館に送ること。 ワイエスは病弱だったため、ほとんどを実家で暮らし 絵を描いて生きた。「クリスティーナ〜」は 近所に住む体に障害を持つクリスティーナの 困難に立ち向かう力強さを描いた作品だった。 その見るものに勇気を与える作品は、未曽有無の被害を受けた 子供達にも力を与える作品だった。 当時の実情を世界に発表せず、国民の避難にも遅れた 日本政府と、それらを心配しながらも、 恐怖に遠ざかろう、受ける被害を最小限にとする 海外の言い分。それらの相関の図式が貸し出した美術作品の 取り扱いに集約された。 とても、面白い作品でした。他の短編もすぐに読める興味深い短編。
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楽園〜やジヴェルニー〜と比べると軽めの趣きながらやはりこの人のアートものはいい。 3.11や9.11を怯まずモチーフとして取り上げるのは賛否あるところなのだが作品に復興への祈りが込められていれば良いのではないか、特にクリスティーナの姿に被災地を重ね合わせるなどという発想はマハさん...
楽園〜やジヴェルニー〜と比べると軽めの趣きながらやはりこの人のアートものはいい。 3.11や9.11を怯まずモチーフとして取り上げるのは賛否あるところなのだが作品に復興への祈りが込められていれば良いのではないか、特にクリスティーナの姿に被災地を重ね合わせるなどという発想はマハさんしか出来ないのだから(注:スマホ美術全集片手の読書は感動五倍増し) あとはラストの超短編「あえてよかった」が女性のお仕事小説としては出色の出来映えかな。 ちょっとだけ苦言を呈せば工業デザイン話の最後のあの人は蛇足、最近目に付く悪ノリかも(笑)
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