揺らぐ世界 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
パレスチナとイスラエルの問題について少しは知ることができたと思う。自爆テロを進んでやってるのではなく、何も希望が見えない、生まれてから死ぬまで塀に囲まれて、最小限の食料しか無い、何もない。絶望の一手なのだと知った。自爆テロを認めることはできないけれどそこまで追い込んでいる問題に目を向けていなかった事に気付いた。 国の情報統制の恐ろしさ。日本でも統制されていることに気付かず日々過ごしていることにゾッとした。 数々の一神教の数々の信じ方。それによるいさかい。宗教の問題は人間の思想に関わるものだから殊更難しい。更にそこに政治や地理に資源の問題も重なるから、もっと難しい。人間が自分たちでめんどくさい事を増やしていっている。 1995年に起こった地下鉄サリン事件によって、日本で変わったことがたくさんあった。当たり前のことだと思っていることが事件後に変わっていった所で驚いた。 人の犯した罪の償い方についても考えた。罪人もずっと塀の中に居るわけには行かない。いずれ社会に出ないといけない。その為には強い罰ではなく、社会への適応能力を養うことではないか?厳しい罰を与えても結局社会に出てどうすればいいか分からなければ再び同じ事をするしかその人には道が無い。 罪を憎んで人を憎まず、難しいけれどこれが一番人間社会では大事なのではと思った。
Posted by
一番印象に残ってることはフィリピンの独裁者を政治家の人が諦めずに国民と一体となって倒した事と、アウシュビッツや原爆には人々が理不尽に殺されると言う共通点があることを知り看過された
Posted by
知った上でなお、倫理的であろうとするにはどうしたらいいのか。中高生と共に考える、シリーズ第4弾。先行世代の負の遺産から立ち上がること(立花隆)、「人権」概念から遠く隔てられたパレスチナ人(岡真理)、宗教から世界が見えてくる(橋爪大三郎)、オウム報道が変えてしまった日本社会(森達也...
知った上でなお、倫理的であろうとするにはどうしたらいいのか。中高生と共に考える、シリーズ第4弾。先行世代の負の遺産から立ち上がること(立花隆)、「人権」概念から遠く隔てられたパレスチナ人(岡真理)、宗教から世界が見えてくる(橋爪大三郎)、オウム報道が変えてしまった日本社会(森達也)、ピープルパワーの前後では何が変わったのか(藤原帰一)、アフリカが照射する日本社会(川田順造)、グローバリゼーションが投げかけているもの(伊豫谷登士翁)。何かをする一歩手前での、知って考えるということを問うている。中高生向けに編まれているが、侮ってはいけない一冊だと思う。
Posted by
中学生や高校生向けと書いてあるが、自分に取ってはもう一度読み返す価値のある本と感じた。世の中で何が起きているのかを自分で考え、感じることの重要性を再認識させられた。
Posted by
学術と中高生が交流できる機会が乏しい日本で、このような取り組みや本がもっと増えてくれるといいなーと純粋に思いました。イギリスでは大学教授が街中で一般人に向けてブースをつくって教えるという機会があると耳にしました。特に学生は良質な研究成果や質の高い問いを与えられることで知的好奇心...
学術と中高生が交流できる機会が乏しい日本で、このような取り組みや本がもっと増えてくれるといいなーと純粋に思いました。イギリスでは大学教授が街中で一般人に向けてブースをつくって教えるという機会があると耳にしました。特に学生は良質な研究成果や質の高い問いを与えられることで知的好奇心が高まっていきます。大学教授は誰にでも分かりやすい教えようと思うと、それなりに知識を整理して色々と頑張る。お互いに知識やスキルが高まっていく、社会全体も高まっていきますね。 この本は中学生からの大学講義というテーマになっていますが、大人が読んでももちろん勉強になります。これから大学を目指す子どもたちは「どこの大学に行けば就職に有利か」が目的ではなくて「大学で何を学びたいのか、学ぶのか」を目的にして大学を選んで欲しいと思います。大学教授はその分野のプロフェッショナルだということを知っていれば、学ぶ質や学ぼうとする熱意、学ぶ量が変わってきます。それを感じる大学教授はより頑張ります。 良き本に出会いました。ちくまプリマー新書さんは立派な出版社です。
Posted by
妻が買って持っていた本を借りて読む。 大変素晴らしい。 特に、森達也さんの章が良かったです。 また、藤原帰一さんの若者に向けた言葉が、鋭く厳しいのも印象的。 彼らに真剣に対応しているのだということがよく分かる。
Posted by
高校生?に向けての大学教授による講話をまとめたもの。 娘の宿題の参考になるかなと買ってきたものの、受験とかもあり、読んでもらえずお蔵入りしてたので、読んでみた。 思ってた以上によい講義なのと、それぞれの先生からの読書案内があり、これもまた良し。 ぜひとも高校受験が終わってから...
高校生?に向けての大学教授による講話をまとめたもの。 娘の宿題の参考になるかなと買ってきたものの、受験とかもあり、読んでもらえずお蔵入りしてたので、読んでみた。 思ってた以上によい講義なのと、それぞれの先生からの読書案内があり、これもまた良し。 ぜひとも高校受験が終わってから、読んでほしいと思う。 ちなみに、大人も視野が広がると思う。
Posted by
☆☆☆☆ 桐光学院でおこなわれた中学生にむけた講義を編集したもの。 自分が中学生だった頃に、このような講義を聴けたらなぁと思いながら読ませていただきました。 中学生むけに書かれているので、表現は平易に感じますが、内容は深く、聴いている中学生が将来に見つめていく課題として良い内容...
☆☆☆☆ 桐光学院でおこなわれた中学生にむけた講義を編集したもの。 自分が中学生だった頃に、このような講義を聴けたらなぁと思いながら読ませていただきました。 中学生むけに書かれているので、表現は平易に感じますが、内容は深く、聴いている中学生が将来に見つめていく課題として良い内容でした。 彼ら中学生の心に刻む印象に残る知識を与えるようにと、7名の知識人・専門家がその分野のことを限られた時間でまとめています。 私は、中学生ではないのですが、 岡真里さんの『“ナクバ”から60年』に書かれていたパレスチナ人視点のイスラエル問題は、同じモノを全く違った角度で映し出していました。今までは、ユダヤ人の立場、イギリスを含む欧米列強の被害者という立場で見ていたので、イスラエル目線のものが多かったことを知り、情報量の不均衡と同時に、自らの思い込みと知ることの意識的な遮断が働いていたことも感じました。 そして、森達也さんの【世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい】の文章からは、 〜〜不安な恐怖を抱いたとき、人は集団になって敵を探したくなります。そして「正義のため」、「仲間のため」という大義名分を与えられたとき、人は人を何千何万人でも殺すことができる。なぜなら悪意ではないから。悪意には摩擦が働き、後ろめたさを残す。でも、正義や善意には摩擦が働かず、後ろめたさがないから、人を暴走させるのです。〜〜 という言葉が印象的でした。 川田順造さんの 人類学者としての視点 「『発展途上国』という言葉への疑問」の部分がものごとを見つめる視点と、流布している感性への疑問をもつことの大切さを感じました。 伊豫谷登士翁さんの『グローバリゼーション』という言葉の解釈は、やはり新鮮なものてす。 もっともっと、その概念を広く深く捉えて、自分なりの概念として形成したいと思いました、 いずれの方の講義も、聴いているか中学生の将来に向けて、視界を広げてゆくことを進める言葉で、各氏の講義の最後に紹介されている読書案内が、彼らが世界を知ることの手掛かりになることを期待した本であろうと思う。 2017/01/18
Posted by
友人からのすすめで。 分かりやすく、しかし考えるべきテーマの集積であり、今後読んでみたい本が紹介されていて実によい本だった。
Posted by
20150828 今をどう生きるか?そのための考え方、や視点について各人がそれぞれの立場で解説してくれている。高校生以上、中年まで大丈夫ではないだろうか。
Posted by
- 1
- 2