破壊の御子(2) の商品レビュー

無銘工房(著者),宮井晴輝

2023/08/23

優しい気持ちを持つソウマが異人種たちの旗頭になって戦いを進める。ぶっ倒れるほど緊張しているが、その口から出てくる言葉は、聴衆たちの機微をとらえた、鼓舞するというか扇動する無類の指導者のものなのだ。ソウマに恩寵を与える破壊の女神アウラというのが恐ろしい。苦しみながらもソウマは前に行くしかない。単純な戦記物ではないというところがいい。

2015/06/22

面白いし読みごたえのある作品です。ゾアンの村から人間の軍勢を退けたソーマは、ゾアンの他の氏族の協力を取付け《怒れる牙》ズーグ･《猛き牙》ガラム、そして奴隷だったドワーフのドヴァーリン等と共にボルニスの町を攻める。
ラストは『鉄の宣言』で自由と平等の国造り宣言で盛り上がります。ソーマ自身は逃げる事も出来ない追い込まれた心境が対称的でストーリーに深みを加えています。
さらには、要所にある後世から見たソーマ達への歴史観が興味深く、それぞれから見る落差にはワクワクさせられます。
今後も楽しみです。