白夜/おかしな人間の夢 の商品レビュー
『おかしな人間の夢』は、エヴァの人類補完計画のような思想だと思ったけど、ドストエフスキー-キリスト教-エヴァと繋がってくるのかな。
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初期の傑作短編でありドストエフスキーらしくない感傷的な作品である「白夜」と、『作家の日記』内から掌編を3つと、エッセイがひとつ収録されています。表題作の二作について、かんたんな感想を。ネタバレがありますので、ご注意を。 「白夜」 主人公の夢想家の26歳の男がある夜に、17歳の乙...
初期の傑作短編でありドストエフスキーらしくない感傷的な作品である「白夜」と、『作家の日記』内から掌編を3つと、エッセイがひとつ収録されています。表題作の二作について、かんたんな感想を。ネタバレがありますので、ご注意を。 「白夜」 主人公の夢想家の26歳の男がある夜に、17歳の乙女ナースチェンカと出合う。その四夜の物語。現代のいまとなってはベタな話かもしれないけれど、よかったなあ。スタートが夢想家である主人公の夢想語りなので、これどうなるの? と心配したけれど、胸をついてくる切ないけどあたたかな読後感でした。ピュア・ラブです。頬を伝う涙ぶんのあたたかみ。純粋な愛は、自分の幸せよりも愛する人の幸せを願い働きかける。自分の愛の成就を阻む結果になることがわかっているのに。こんなお人好しでピエロだと言われてしまいかねないふるまいに、主人公は永遠に忘れない幸福をみるのでした。 「おかしな人間の夢」 「なにもかもがどうでもいい」と感じている主人公が、その深いニヒリズムゆえに自殺しようと決めた夜。無自覚に眠りに落ち、そこで体験した壮大なもの。これは夢なのか否か、と主人公は惑いますが、この小説のタイトルに「夢」とあるので、夢としておくのが落としどころとして無難なのでしょう。なんだか手塚治虫の『火の鳥』と親近感のある物語。何者かによって主人公は宇宙空間を抜けてもうひとつの地球に連れていかれる。この何者かが火の鳥だったならば、もうこの短編は火の鳥として成立するような温度感覚と内容の密度があります。そして、楽園だったはずのもうひとつの地球ではびこりだしたナルシシズム。正義や宗教も、堕落の潮流のなかの産物。そこからの主人公の「回心」。それは精神的にどん底まで堕ちた者が、生命そのものの「生きるベクトル」の噴出したエネルギーに突きあげられるかのような、跳ね返りの回復体験があります。それはもはや、回復を飛び越えて以前の自身を超越した高みまで押し上げられている。古代の宗教的な体験の不思議を19世紀的な見地で現実に寄せて解読しようとしているかのような挑戦も含まれていたのかもしれません。 といったところです。 他、「一九六四年のメモ」というエッセイでは、自分がしている思索についてけっこう突っ込んでアウトプットしているなあと感じました。ここで述べられている人間像論については、「おかしな人間の夢」で描かれているテーマとつながっていました。ドストエフスキーのすごいところのひとつは、こういった難解な思索を小説に上手に盛り込むことができること。ほんとうに強靭な頭脳だ、といつも感じさせられます。
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この本の中で一番長い「白夜」は、ドストエフスキーのセンチメンタル•ロマンス短篇。 こんなのも書くんだ、というくらい意外な出来だった。 内気な青年(26)が恋に落ちた女の子(17)の恋愛成就を献身的に応援して、最後にきれいに振られる、というヒロイズムに満ちたお話。
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読了。 ドストエフスキーの短編集。 うっすい本だからサクッと読めると思ったらえらい目に遭いました。 「白夜」 ちょっと結末がショックで声を上げてしまう虚しさでしたが、白夜という特殊な時間に起きた物語がまるで幻を見ていたような気分になりました。 個人的にあまり爽やかさは感じられず 女性不信になりそうなくらいショックでしたw 主人公が「貧しき人々」のマカールに似た不器用で自意識過剰なタイプでしたが、個人的にはマカールほど感情移入できませんでした。 「キリストの樅の木祭りに召された少年」 クリスマスの夜を過ごす不幸な子どもたちを想像して書いた物語。 妙にリアリティがあり、実際に当時のロシアで起きた出来事なのではと思うくらいリアルな描写でした。 クリスマスという賑やかな祭日と子どもの貧困のコントラストが、彼らの結末をより悲劇的なものに感じさせる。 たとえ哀しい最期でも彼らに救いがあってほしいという著者の願望が垣間見える。 「百姓のマレイ」 ドストエフスキーが9歳の時に体験したことを20年後シベリアの流刑地で回想したお話。 流刑地でろくでもない連中に囲まれて生活する中で人間に救いを求めていたドストエフスキーが、過去に農奴のマレイが見せてくれた愛情と教養、優しさの記憶を掘り起こすことで、救いを取り戻す過程がよかった。 「おかしな人間の夢」 「1864年のメモ 」 めっちゃ読むの疲れました。 自分では想像が追いつかない世界観で、苦痛すら感じるレベル。 人間は無私によって自分以外の世界と繋がることができる。 自分が苦しんでいる時でも、同じように苦しんでいる他者への共苦によって自身の苦しみから解放される。 共苦は自我からの解放でもあるんでしょうかね。 安岡治子さんの解説がないと厳しい... ドストエフスキー自身が、一度死刑判決を受けて人生のどん底を経験しており 作品の根底に「復活」という救いの願望が潜んでいる気がしました。 そう考えると、不幸な子ども達への共苦によってドストエフスキー自身も救われていたのかもしれません。
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読んで5人ではなした。 コミカルな笑なのでは?マゾヒズム。 青年期の恋の明るさ。 貧しくない人のはなし。 主人公と下宿やの青年に名前がない。 ほかたんぺん。 狼がきたぞーのあのはなしとにてた。百姓のマレイ、。 おかしな人間の夢。あの少女にたすけられたんだな。きになることが...
読んで5人ではなした。 コミカルな笑なのでは?マゾヒズム。 青年期の恋の明るさ。 貧しくない人のはなし。 主人公と下宿やの青年に名前がない。 ほかたんぺん。 狼がきたぞーのあのはなしとにてた。百姓のマレイ、。 おかしな人間の夢。あの少女にたすけられたんだな。きになることがあると人は生きられる?
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ドストエフスキーといえば「暗い」イメージがあったが、本書は人が持つ美しさと前向きさに焦点が置かれており、彼の別の一面を垣間見た気がした
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※このレビューにはネタバレを含みます
「百姓のマレイ」がよかった。主人公がふと、子ども時代に、農奴のマレイに優しくしてもらったことを思い出す。身分も学歴も関係なく、徳のある人はいるんだということ。色眼鏡で見てはいけないということ。ドストの人に対する優しい視線が心地よい物語。 一方で、ラストの「1864年のメモ」はよくわからない話だった・・・
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表題作である偶然出会った妄想青年と少女の恋愛物語が印象的。女のリアルスティックさと男のやせ我慢(ではないのだろうと思うけど)が感じられる。構成もすっきりしていて読みやすい。 農夫の話ではドストエフスキーの過去作も出てきて面白かった。
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タイトルに表記されてるのが短編。他は短短編。「白夜」ロマンティックとは一体なんなのかねと考えることが度々あり、これ(ここに書いてある)なんかなー。内容というより語り口調。「私はこの人好きかもしんないわ」と感じた時の高揚感。でもそれって今だけのことだし、けして確かな物なんかじゃない...
タイトルに表記されてるのが短編。他は短短編。「白夜」ロマンティックとは一体なんなのかねと考えることが度々あり、これ(ここに書いてある)なんかなー。内容というより語り口調。「私はこの人好きかもしんないわ」と感じた時の高揚感。でもそれって今だけのことだし、けして確かな物なんかじゃない、その儚さを嘆く物なのかしらー。「おかしな夢」熱いおとこのー。夢ということにしといて、世の中に対する不満、むしろ生きてる人間の怠慢さに対してウガアア!って感じ。古典って多分正解はなくて、個々で味わえよ、っていう編集スタイルだよね。
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夢想家で人付き合いが下手な主人公の気持ちがよくわかって途中すごく辛くなった『白夜』。 でもドストエフスキーにしては明るくて読みやすいほうなんだと思う。 ナースチェンカ…主人公はさっぱりした気持ちになれてたけど実際あんなことされたらすごく怨んだり辛くなったりしそう…。 『キリスト...
夢想家で人付き合いが下手な主人公の気持ちがよくわかって途中すごく辛くなった『白夜』。 でもドストエフスキーにしては明るくて読みやすいほうなんだと思う。 ナースチェンカ…主人公はさっぱりした気持ちになれてたけど実際あんなことされたらすごく怨んだり辛くなったりしそう…。 『キリストの樅ノ木祭りに召された少年』と、『百姓のマレイ』もよかった。 短編てこともあってわかりやすく、読みやすかった。
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