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ボッティチェリとリッピ の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2024/06/02

古山浩一さんのイラストで読む「芸術家列伝」。 第一弾のミケランジェロ編に続く第二弾はボッティチェリ編だ。 ボッティチェリの作品は、「プリマヴェーラ」や「ヴィーナスの誕生」など有名どころはもちろん知っているが、その生涯についてはあまり詳しく知らなかった。それもそのはず、ボッティチ...

古山浩一さんのイラストで読む「芸術家列伝」。 第一弾のミケランジェロ編に続く第二弾はボッティチェリ編だ。 ボッティチェリの作品は、「プリマヴェーラ」や「ヴィーナスの誕生」など有名どころはもちろん知っているが、その生涯についてはあまり詳しく知らなかった。それもそのはず、ボッティチェリについて書かれた文献はほとんど残っていないのだという。 ここでも主な典拠となるのが、ヴァザーリの「芸術家列伝」。ただし親交の深かったミケランジェロを好意的に書いていたのとは対照的に、メディチ家に取り入りたかったヴァザーリは、メディチ家と敵対するサヴォナローラと親しかったボッティチェリを必要以上に悪し様に書いている節があり、晩年のボッティチェリがサヴォナローラに心酔するあまり絵画を放棄し極貧に喘いだという有名なエピソードは実は信ぴょう性が低いようだ。 なお本書のタイトルは「ボッティチェリとリッピ」となっているが、内容のほとんどはボッティチェリについてで、師匠のフィリッポ・リッピについて書かれているのは全体の一割程度だった。残されている資料が少ないながらも、歴史的な背景やレオナルド・ダ・ヴィンチなど近しい他の人物の資料などを参照して解像度を上げる試みは、謎解きのようでとてもわくわくする。

Posted byブクログ

2015/05/16

借りたもの。 ヴァザーリ『芸術家列伝』のボッティチェリとその師・リッピを特集したもの。 最初にリッピの女好きが面白おかしく書かれ(それだけでもインパクトがある)、後は殆どボッティチェリの話。 彼の人生を通して、ルネサンスその変容を知る。読みやすくまとまった本。 ヴェロッキオの工房...

借りたもの。 ヴァザーリ『芸術家列伝』のボッティチェリとその師・リッピを特集したもの。 最初にリッピの女好きが面白おかしく書かれ(それだけでもインパクトがある)、後は殆どボッティチェリの話。 彼の人生を通して、ルネサンスその変容を知る。読みやすくまとまった本。 ヴェロッキオの工房ではかの万能人・レオナルドに会い、ミケランジェロの《ダヴィデ像》を何処に置くかで揉めたり、晩年はサヴォナローラの影響もあって作風が変わるという……彼の人生と作品にはドラマがある。 面白いエピソードにユニークな絵が添えられているので、笑いを誘う。 Bunkamuraザ・ミュージアム『ボッティチェリとルネサンス フィレンツェの富と美』開催に合わせて読了。

Posted byブクログ