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迷宮 の商品レビュー

3.4

92件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

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2024/11/01

フォーーーーーン!! フォン、フォン、フォン!! フッオオオーーーーーーン!! と、峠を攻めるバイクの排気音ばりに不穏な空気が充満している作品。 気がつけば中村文則作品4作目。 なぜかハズレない。 引きがいいだけなのか、相性がいいのか。 たまたま図書館で見かけて、「掏摸」や「...

フォーーーーーン!! フォン、フォン、フォン!! フッオオオーーーーーーン!! と、峠を攻めるバイクの排気音ばりに不穏な空気が充満している作品。 気がつけば中村文則作品4作目。 なぜかハズレない。 引きがいいだけなのか、相性がいいのか。 たまたま図書館で見かけて、「掏摸」や「王国」を彷彿とさせる薄さ、そして漢字二文字タイトル。 これは間違いないだろうと思ったら、本当に間違いなかった(笑) うっかり★4付けそうになるほどでした。 軸は、過去に起きた猟奇的な一家惨殺事件。しかも密室。 その唯一の生き残りの少女だった女性と知り合う。 ふんわりと、哲学的に、なにか心の内面みたいな話にしてこの事件を適当にうっちゃるのかと思ったら、きっちり解きます。 犯人も密室の謎も動機も、しっかりはっきり明かされます。 これには本格好きの方々もニッコリでしょう。 一癖ある登場人物たち。 それより癖の強い主人公。 暗い沼に引きずり込まれるようにズルズルと。 読みやすくて、一気に読めて、おもしろくて、オシャレっぽい文体で、狂気に堕ちそうな物語で、充分だと思うんだけど何が足りないんだろう? う~ん。 タガの外れっぷりが弱いのかな? ラストもちょっと。 子供のときのRという存在もそんなに必要だっかな? まあ、またそのうちに中村文則さん読んでみようっと。

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2024/07/12

2人目を産んでから、久々に夢中になって一気に読んだ小説。村田沙耶香さんの「私が食べた本」で紹介されていた小説。 人の、自然に対した時の無力さ、でも存在する人生とか価値とか欲望とか。 ああ、心の奥底にある道を踏み外したい欲と、それができない凡人さと、無力さとか身に覚えがあるなぁと...

2人目を産んでから、久々に夢中になって一気に読んだ小説。村田沙耶香さんの「私が食べた本」で紹介されていた小説。 人の、自然に対した時の無力さ、でも存在する人生とか価値とか欲望とか。 ああ、心の奥底にある道を踏み外したい欲と、それができない凡人さと、無力さとか身に覚えがあるなぁと思う。 心の上下を揺さぶってくるような面白さに出会えた。 最後に、謎を彼女の口から回収してくれるのも良かった。

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2024/07/04

共に生きましょう。自分が見えないようにしてきた過去とか恥、罪悪感、善悪を超えていろんなものが救われる気がした。

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2024/03/09

あとがきまで素晴らしかった。 彼の優しさがどこに向いているのかがずっとずっと分からなくてぞくぞくした。 自分を蔑ろにすることによって 人生を馬鹿にする温度 ↑言葉選びが天才すぎる

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2024/01/09

2024年1月9日再読。☆4から☆3へ。 この世界は誰にとっても平等、誰が死のうと誰が生きようと、大したことなどひとつもない。 これに尽きる。 ミステリー部分は消化不良感。 登場人物全員狂人。メンヘラには効いてしまいそう。

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2023/10/11

うーん、期待するほどではなかったけど、前作の「王国」よりは良かった。未解決の殺人事件の裏に潜んだ色んな種類の人の闇、そしてそれらの闇の連鎖が生んだクライマックスがこの事件ということになる。 主人公が掏摸ととても似ていると思う。暗い過去を持つ闇にやられていながら、どこかにまともな...

うーん、期待するほどではなかったけど、前作の「王国」よりは良かった。未解決の殺人事件の裏に潜んだ色んな種類の人の闇、そしてそれらの闇の連鎖が生んだクライマックスがこの事件ということになる。 主人公が掏摸ととても似ていると思う。暗い過去を持つ闇にやられていながら、どこかにまともな部分も持つところ。 作品の中で繰り返して出てくる「終わった人間」や、「チック症」を持つ人間など、細かいところを色々駆使して暗い世界を意図的に構築しようとした。 ホラー要素とまで言えないけど、こういった雰囲気作りがないと読んだ時の印象がきっと全然違うだろうなぁと思った。

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2023/08/22

重いミステリーに、文学的なエッセンスをまぜ混んだ、興味深い作品。 この人の作品をもっと読み込んでいきたいと思った。というか積読が何冊もある

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2023/06/28

壊れかけた心が狂気に変わってゆく。狂気と狂気が絡み合って転がってゆく。闇に引き摺り込まれた人間の、哀れや切なさを思いつつ、も気持ち悪さが拭えない。陰鬱な登場人物たちと色鮮やかな折鶴との対比が恐ろしい。

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2023/06/22

この小説はどんよりと重い。文章の上手さでどんどん読めてしまうが内容は重い。 なのに、ページは捲られる。 ちゃんとしたテーマがあるからだと思う。

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2023/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表層的には気持ちの良い終わり方をする作品ではない。それでも、生き残ったニ人のような「元子どもたち」が、何かしら少しでも光明を受け取ることを望む。

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