迷宮 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
非常に危険なミステリー×純文学。私の好みドストレート。何度も読み返すのは確実。同著者「私の消滅」を純文学要素少し多めにしたくらいの配分。 ある過去の迷宮事件を中心に物語は展開される。 ひねくれた人間には刺さる(これは中村文則作品全般に言えますが)。
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著者らしい不穏な歪みと人物像の描き方で、モチーフの事件やその周りの人々の描写も臨場感があってよかった。いつでも読めて、いつ読んでも面白い作品を常に書き続けている。
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人間の深い部分は泥で隠れていてなかなか見るとこができないのだけれど、この小説を読んでいると深い部分の泥を掻き出して、本当の物質を見ているような気分になれる。
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凄惨な物語…引き込まれるところはありましたが。 今の私には遠く離れた世界… ただ、現実でも凄惨な事件が起こるのだから、そういった事件が起こる背景があることを、忘れない方が良いと思う。
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★2.5ですか。 分かり易い文章だけれども、何でこうなっちゃうかなぁという感じが否めない。 人の悪はすべからく殺人に繋がるんだろうか、逆に怖さを感じなくなってしまっている気がする、本作に限らず昨今の流れは。
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推理小説では決してない。独特の暗い気持ちになるストーリー。ホラーではないが、夜1人で読んでは行けない話です。
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無意識というものに重き置いている、チック症など、存在など、自分が意識してないものに意識が呑まれていく感じ、そして自分自身が歪んでいく様、そのネガティヴな意味の無意識を文章でこんなに惹きこせるのは凄すぎる。中村文則さんは暗いは暗いのだけど、一つのテーマでそのまま進んでいく感じに芯が...
無意識というものに重き置いている、チック症など、存在など、自分が意識してないものに意識が呑まれていく感じ、そして自分自身が歪んでいく様、そのネガティヴな意味の無意識を文章でこんなに惹きこせるのは凄すぎる。中村文則さんは暗いは暗いのだけど、一つのテーマでそのまま進んでいく感じに芯があり、自分の思う陰鬱さをうまく消化できてるなと思う、これをきっかけにこの人の作品を全部読みたいと思った
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深すぎる闇を抱えた人たちの鬱々とした話。最後に微かな希望があるようなないような。密室殺人ミステリー要素もあるけど動機が病みすぎてるので一般的にはお勧めできない。
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窮屈な社会に適合出来ず鬱屈する<僕>と迷宮入りした一家惨殺事件、通称<折鶴事件>の遺児だった女性の出会いから始まる物語。未解決事件の謎解きというミステリー要素はありつつも、著者独特の陰鬱な世界観にどっぷり浸る。主人公の抱えるどこか青臭い狂気はマジョリティへの帰属意識を持てない現代...
窮屈な社会に適合出来ず鬱屈する<僕>と迷宮入りした一家惨殺事件、通称<折鶴事件>の遺児だった女性の出会いから始まる物語。未解決事件の謎解きというミステリー要素はありつつも、著者独特の陰鬱な世界観にどっぷり浸る。主人公の抱えるどこか青臭い狂気はマジョリティへの帰属意識を持てない現代人の苦悩を端的に表した様でもあり、程度の差はあれ、自己と社会との間に生じるギャップやそれに付随する無力感と如何に折り合うかは誰しもが直面する課題であろう。あとがきの『共に生きましょう』という言葉が今作を象徴するメッセージだと思う。
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迷宮入りした事件とその遺児と知り合う主人公。 屈折した心を持つ彼。 善と悪が交差していて、それが東北の震災とも交差していて、私にはよくわからなかった。
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