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6度目の大絶滅 の商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

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2023/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

絶滅という概念ができるまでや、現在絶滅に瀕している種のストーリーを眺めながら、人の手によって現在起きれいる変化を実感することができた。 人の移動によって引き起こされる変化を止める事ができるのか?保護した生態系は果たして自然と言うことができるのか、とても考えさせられる内容だった

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2021/08/20

最初の数章が冗長に感じました。これは原著が描かれた当時に人新世、アントロポセンという概念がまだまだ一般に普及していなかったので世界中で現在かつ過去も含めて人間によって引き起こされた生物の絶滅を物語風に追い、本題(第5章以降)への誘いという体を取ったのではないかと思います。

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2021/08/15

大絶滅にかかわる学説史的なものを背景に、著者が世界各地を訪ねて取材した学者たちの活動をアンサンブル的に(もとは雑誌連載)散りばめてある。カエルのツボカビ、化石発掘、恐竜絶滅、海洋酸性化、熱帯多雨林、サンゴ礁、人新世、ネアンデルタール人などなど盛りだくさん。ヒトの手により現在進行中...

大絶滅にかかわる学説史的なものを背景に、著者が世界各地を訪ねて取材した学者たちの活動をアンサンブル的に(もとは雑誌連載)散りばめてある。カエルのツボカビ、化石発掘、恐竜絶滅、海洋酸性化、熱帯多雨林、サンゴ礁、人新世、ネアンデルタール人などなど盛りだくさん。ヒトの手により現在進行中のまさにグローバルな事態を、地質学的な時間軸の中にすっきり位置づけてくれた。 個々のエピソードは何かしら聞いたことのある話がほとんどだだったが、個人的には以下の点などが新鮮であった: ・イースター島の環境破壊の原因は、直接的にはヒトよりもむしろネズミであった可能性が指摘されている(そのネズミはヒトが連れてきたにせよ) ・生物種の多様性は極から赤道に向かって増えていくが、それがなぜかについては通説がまだない(仮説はたくさんあるが) ・旧人類もネアンデルタール人も他の哺乳類と拡散パターンは同じで、海を越えてマダガスカルやオーストラリアには行かなかった。それをしたのは現生人類だけ

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2021/01/05

NYTの敏腕記者による生物の大量絶滅に関するレポート。 これまでの隕石や噴火、氷河期の到来で5度の大量絶滅があった。 そしていま「サンゴ類の1/3、淡水産貝類の1/3、サメやエイの1/3、哺乳類の1/4、爬虫類の1/5、鳥類の1/6、植物の1/2がこの世から姿を消そうとしている。...

NYTの敏腕記者による生物の大量絶滅に関するレポート。 これまでの隕石や噴火、氷河期の到来で5度の大量絶滅があった。 そしていま「サンゴ類の1/3、淡水産貝類の1/3、サメやエイの1/3、哺乳類の1/4、爬虫類の1/5、鳥類の1/6、植物の1/2がこの世から姿を消そうとしている。恐竜時代には1000年に1種だった絶滅が、いま、毎年推定4万種のペースで人知れず進行しているのだ」。

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2019/04/12

地球上に「生命」が現れてから約40億年もの間に、さまざまな種が生まれては絶滅していった。 現代の私たちは地層や化石などの研究によって過去に5回の大規模な絶滅(ビッグファイブ)があったことを知っている。 (ウィキペディアの地質時代、大量絶滅を参照) 過去の大絶滅では当時に存在した種...

地球上に「生命」が現れてから約40億年もの間に、さまざまな種が生まれては絶滅していった。 現代の私たちは地層や化石などの研究によって過去に5回の大規模な絶滅(ビッグファイブ)があったことを知っている。 (ウィキペディアの地質時代、大量絶滅を参照) 過去の大絶滅では当時に存在した種のうち70〜90%が失われたといわれている。私たちにいちばん馴染みがあるのが白亜紀末の大絶滅で、当時地上で大繁栄していた恐竜類が隕石の落下による影響で一斉に絶滅したことは有名だ。 そして、今現在、6度目の大量絶滅が進行中で、その主な原因が私たち「ヒト」である、という事がこの本のテーマである。 私たちヒト(現生人類)が約15万年前から存在しはじめ、アフリカをはじめとしてヨーロッパやアジアの各地へ拡散していったときから、当時各地に存在していた動物たち、マストドン、マンモス、スミロドン、オオナマケモノなどの巨大獣が次々と絶滅していった。ヒトが原因となる絶滅の有史後の例としてとりあげられているのが1800年に絶滅したとされるオオウミガラスだ。 さらにこの本では今まさに絶滅しようとしているたくさんの種について、調査や保護の様子が記述されている。 グローバル化の影響と思われるツボカビ病によって個体数を激減させている南米の両生類。 二酸化炭素の増加による海水の酸性化によって2000年代末には絶滅する可能性があるとされるサンゴ類。そのサンゴ礁が作りだす生態環境に依存しているといわれる数千〜数百万種の海洋生物たち。 アメリカのコウモリが大量死しているのはヨーロッパのコウモリとは共生しているカビによる「白鼻症」のせいで、これもまたヒトのグローバル化が原因であること。等々。 この本の読者が読後になにか不満を感じたとしたら、それは章構成の乱雑さに混乱したせいかもしれない。 私が思うには、「人類が絶滅という概念を獲得する話(おもにフランスの博物学者キュビエを中心とする)」と「過去の大絶滅(ビッグファイブ)に関連する話(地質学者と物理学者のアルヴァレズ親子が隕石衝突説で古生物学会に殴りこみをかける等)」と「6度目の大絶滅で(たぶんヒトと関わったせいで)滅んだ動物たちの話」と「現在進行中の絶滅危惧種の話」の章が入りまじって構成されているので、読んでいてすこし混乱するのだ。 構成にすこし難があるとはいえこの本のテーマは刺激的で、重要な問題提起をしていると思う。 ヒトが化石燃料を使用して大気中の二酸化炭素濃度が高まり地球温暖化をひきおこしたり、急激な環境改変が生態系の破壊などにつながっていることは一般的に認知されている問題だが、この本ではそういった周知の問題だけではなくて、もっと踏みこんで「ヒト」が世界に及ぼす影響について示唆している。 その点で圧巻なのは最終章の手前、ネアンデルタール人のDNA採取を試み現生人類との関係を研究している遺伝学者ペーボの話だろう。ペーボが探すのはネアンデルタール人にはなくて現生人類にあったもの、彼が「狂気のようなもの」と呼ぶ何か、おそらくは6度目の大絶滅を起こさせる原因でもあり、ヒトのヒトらしさの本質でもあるものだ。それは文中で示唆されているように「飽くなき好奇心を抱く」内容である。 上にあげたウィキペディアの大量絶滅の記事中にもあるが、現代が6度目の大絶滅の最中であるというのは大多数の生物学者の一致した見解だそうだ。 そしてこの本が示唆するように大量絶滅の原因がヒトにあるのかどうかは確定してはいないが、ヒトは温暖化や環境破壊をする一方で絶滅危惧種の保護活動をしたり保護区を作ったりもしているわけで、とても不思議な生物であることは確かだと私は思う。

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2018/08/11

THE SIXTH EXTINCTION: AN UNNATURAL HISTORY https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000816702015.html

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2018/10/31

絶滅の概念は、18世紀初頭、キュビエにより、アメリカマストドンをめぐってもたらされた。 クルッツェンは、人新世の語を用いた、これまでの変化として、以下を指摘している。 ・人間は地表の3分の1から半分に手を加えた。 ・世界中の主要な河川の大半はダムが建設されたり、切り回されたりし...

絶滅の概念は、18世紀初頭、キュビエにより、アメリカマストドンをめぐってもたらされた。 クルッツェンは、人新世の語を用いた、これまでの変化として、以下を指摘している。 ・人間は地表の3分の1から半分に手を加えた。 ・世界中の主要な河川の大半はダムが建設されたり、切り回されたりした。 ・肥料工場が、すべての陸上生態系によって自然に固定される量を上回る量の窒素を生産している。 ・海洋の沿岸水域における一次生産の3分の1以上が漁業によって消費される。 ・人間が世界中の容易に入手可能な淡水の半分以上を使う。 人間の運搬による種の均一化がもたらす効果は、大陸がひとつに結合された場合を想定した思考実験によって、陸生哺乳動物は66%、陸生鳥類は50%減少すると推定される。

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2016/04/17

ダイナミックな地球史のなかで大絶滅というと、恐竜を絶滅させた白亜紀の隕石衝突説をまず連想すると思いますが、それ以外にも生物は何度か大量に地球上から姿を消し、その後は全く違う生物が繁栄するということが起こっています。過去に5回、そのような出来事が確認されていることから「ビッグファイ...

ダイナミックな地球史のなかで大絶滅というと、恐竜を絶滅させた白亜紀の隕石衝突説をまず連想すると思いますが、それ以外にも生物は何度か大量に地球上から姿を消し、その後は全く違う生物が繁栄するということが起こっています。過去に5回、そのような出来事が確認されていることから「ビッグファイブ」と呼ばれているそうですが、これらの要因は1つではありません。 オルドビス紀末の絶滅=氷期 ペルム紀末、三畳紀末、ジュラ紀初期=地球温暖化と海洋化学状態の変化 白亜紀末=隕石衝突 ところが現在でも生物はどんどん姿を消しています。「絶滅危惧種」という言葉を聞いたことがあると思いますが、人間のスケールで当てはめれば緩やかに減少しているように見えるかもしれませんが、地球史のスケールで見ると、尋常ではないスピードで地球上から生物がいなくなっている。それは「6度目の大絶滅」と呼んでもいい規模であり、その要因は一体何か?というのが本書のテーマ。だいたい察しがつくと思いますが・・・・。 帯にその答えが書かれていますので、隠す必要はないのですが、では、なぜ、人類が6度目の絶滅を引き起こしているといえるのか、その証拠をつかむために著者は各地へと飛び、生物研究者と行動をともにし、そうして得た現実をまとめたのが本書。 発端は「黄金のカエル」と呼ばれる、中米パナマ共和国では普通に見られたカエルが大量に死に、目にすることが珍しくなったことへの関心から。それからすでに絶滅した生物、絶滅危惧種、へと調査が進み、それから生物研究史(絶滅という概念、進化論など)にも少し触れ、また、もはや飼育されている数が全てだという生物、絶滅を食い止めたいと奮闘する研究者の姿が描かれています。 さて、6度目の絶滅に加担しているとされる人類。そういうと現代人の密猟や環境破壊が思い浮かばれ、もちろんそれが大きなインパクトを与えているのはたしかなのですが、興味深いのは、大絶滅は人類が誕生した時点からすでに始まっていた、という点。 人類と近縁種のチンパンジーやボノボ、ゴリラは、遺伝子的にはほとんど同じですが、人類にはあって、近縁種にはない特徴の1つに、仲間と協力しあって問題を解決する能力、が挙げられています。個々の能力では近縁種の方が優れている点があるものの、彼らは互いに協力して物を運んだりはしない。また、ゾウやサイ、ライオンなど、大型で獰猛という特徴=襲われない、ということにつながるのですが、この特徴も人類のその能力では意味をなさない。 こうして人類は地球上のあらゆる地域に移動し、住むようになった。そうすることで外来種がもちこまれ、環境が変えられ、狩りが行われ、やがて生物の多様性は失われ、それが現在も続いているという。 だからこうしましょう、ということは本書には書かれていません。もちろん、読者がこれを読むことで、自分も絶滅に加担していることを意識してもらうことには期待していると思いますが、意識しようとすまいと、人類も地球上で生まれては消えていく生命体の1つに過ぎないということでしょうか。

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2015/12/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

★2015年12月12日読了『6度目の大絶滅』エリザベス・コルバート著 鍛原多恵子訳 評価B+ 期待通りの面白い科学ジャーナリストの著作だった。 これまで生物学上でBIG5と呼ばれる5回の生物大絶滅が認識されており、今進行中の絶滅の危機は6回目。他の種の絶滅に追い込んでいるのは、現生人類である。いずれ我々も自らの手で絶滅にむかうとして、資源の浪費、環境汚染、森林伐採、放出二酸化炭素による温暖化へ警鐘を鳴らす。 以下備忘録 ■絶滅ビッグ5  1. オルドビス紀末445百万年前 氷期襲来  2. デボン紀後期380百万年前  3. ベルム期末250百万年前 温暖化と海洋化学状態の変化  4. 三畳紀後期200百万年前  5. 白亜紀末60百万年前 隕石衝突 6. 人新世? アントロポセン 人が大気の組成を変える? ■ 海酸性化 大気中のCO2現在400ppm ⇒2050年:500ppm? 産業革命前の倍 平均気温+1.9~3.9度  海が毎年250億トンの炭素を吸収⇒酸性化pH8.2から世紀末にはpH7.8へ   =生物生態系への深刻な影響が懸念される。  たとえば、サンゴ=海中の熱帯多雨林=生態系のための設計構造が崩壊する。 ■植物の移動も加速するが、それを阻む障壁(道路、更地、都市)が樹木の種の絶滅へ ■種数・面積関係(SAR) S(面積)=CA(面積)z(zは乗数、CとZは定数、Zは常に1未満) ■ネアンデルタール人の滅亡も現生人類が引き金らしい  現生人類の遺伝子にネアンデルタール人のDNAが垣間見られ、ヨーロッパ人、アジア人はアフリカ人よりもネアンデルタール人に近い。 ■現生人類が世界を変える存在。そして何かを求めてやまない心を持つことが最大の特徴。それは狂気の遺伝子か? ■現生人類と類人猿の差は、集団的な問題解決能力の差。 ■言語により情報が保存され、変更され次世代へその知識が引き継がれて蓄積していく。また、コミュニケーションにより社会融和が図られ、人は進化から自由になった。一方で、他の種を絶滅に追い込むことにより、人類も自分がとまっている枝を切っている。

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2015/09/26

大げさかもしれないが、21世紀の「沈黙の春」とでも言うべきインパクト。地球史上5度あった大絶滅はいずれも自然が原因だったが、現在、6度目の大絶滅が人類によって引き起こされている。 センセーショナルが故、感情的な環境保護主義者の言にも見えるが、この説は、著者のフィールドワークからも...

大げさかもしれないが、21世紀の「沈黙の春」とでも言うべきインパクト。地球史上5度あった大絶滅はいずれも自然が原因だったが、現在、6度目の大絶滅が人類によって引き起こされている。 センセーショナルが故、感情的な環境保護主義者の言にも見えるが、この説は、著者のフィールドワークからも、提示される数字からも非常に説得力が高い。 350Pに渡る本書は、人類が今回の絶滅の加害者であり被害者にもなるだろうという諦観的な締め括りで終わる。

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