カフカの「城」他三篇 の商品レビュー
表紙のデザインから、お洒落でセンスの塊すぎる この本はB5サイズなので本棚に面陳列しても実に華があります 名作古典文学のコミカライズというよりは“漫画という手法での新訳”という趣で、原作の要素を蒸留した度数の高いアルコールみたいな作品です 『こころ』は、はっきり先生に惹かれている...
表紙のデザインから、お洒落でセンスの塊すぎる この本はB5サイズなので本棚に面陳列しても実に華があります 名作古典文学のコミカライズというよりは“漫画という手法での新訳”という趣で、原作の要素を蒸留した度数の高いアルコールみたいな作品です 『こころ』は、はっきり先生に惹かれている“私”のこころの動きを抽出した内容だし 『盗まれた手紙』は原作ではモヤっとしていた手紙の内容の真相を大胆に麗しく描写している(が、めっちゃ翻案も入ってる)し 『城』は(原作は未読で申し訳ないのですが)原作にもあるであろう、雪に塗り込められた陰鬱な村の寒々しさと虚しさに(原作はあんまり読みたくないからありがたいなあ)って思ったり 『鰐』(も、原作未読なんですが)こんなとぼけたスラップスティックな内容なのか、あと寝取られジャンルなんですね~とニタニタしたりしました 個性的な絵柄なのにクセがなくてどこか淡い印象で 乾いたタッチなのに妙に官能的で、そしてハイセンス これは確かに、大切な作品のコミカライズを依頼したくなる作家さんだなあと感じ入った次第です
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原作の漫画化ではない。 原作となる小説「そのもの」を漫画で表現しようとしたものだと思われる。 だからシーンの順序は入れ替わる。「城」など長さがまったく違う。 自分は「城」は読み終わらなかったし「盗まれた手紙」は忘れたし「鰐」は読んでもいない。 だから試みが成功しているのかどうか判...
原作の漫画化ではない。 原作となる小説「そのもの」を漫画で表現しようとしたものだと思われる。 だからシーンの順序は入れ替わる。「城」など長さがまったく違う。 自分は「城」は読み終わらなかったし「盗まれた手紙」は忘れたし「鰐」は読んでもいない。 だから試みが成功しているのかどうか判断することはできないが、とても良かった。 絵のタッチもすごくよい。
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「盗まれた手紙」の 『暗闇で見えるものがある 考えてみたまえ僕たちは祈るとき何故 目をつむるのだ』 という言葉すごい印象的だった
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小説のコアの部分を、作者の言う「たましい」を、16ページで圧縮して切り閉じて描く。 城とこころと盗まれた手紙は、私はすでに読んだことがあった。鰐は知らなかった。 私の知っているはずの話は、見たことのない姿で、しかし確かにそんな風だった、と思える形で描かれていた。この技量を信頼する...
小説のコアの部分を、作者の言う「たましい」を、16ページで圧縮して切り閉じて描く。 城とこころと盗まれた手紙は、私はすでに読んだことがあった。鰐は知らなかった。 私の知っているはずの話は、見たことのない姿で、しかし確かにそんな風だった、と思える形で描かれていた。この技量を信頼するので、鰐もそうなのだろうと思う。 小説に、コミックとしての構図を与えること。映画ならカメラワークというべきところだが、コミックではなんというのか。 霧島の見開きには驚いた。こころとは、これほど官能的な作品であったか。
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絵才かあるというのは羨ましい。文学作品を見事に、ビジュアル化する。しかし、その前にしっかりと読み取る力も要求されるはずだ。
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カフカの「城」、漱石の「こころ」、 ポー「盗まれた手紙」、ドストエフスキー「鰐」の4篇をコミック化。 本屋をうろうろしていると出会っちゃうんだなぁ…他三篇の中に漱石のこころが入ってるんだもの。あらすじをまとめるのではなく、世界観を表現している感じで、作品の手触りが伝わってくる(「こころ」以外は読んだことがないので、想像だけど)。画の質感が好きだなぁ。
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◆カフカ「城」/ 漱石「こころ」より“先生と私” / ポー「盗まれた手紙」/ ドストエフスキー「鰐」◆黒と白の使い方が幻想的。黒は闇を思わせ、白は眩しくてハレーションを起こしているよう。煩雑な枝葉が意図的に削ぎ取られ、闇の中で物語の樹液(エッセンス)をひとしずく、口に含むような読了感。活字に埋もれていた言葉が、夢の中で聴く台詞のように官能的に蘇る。◆ポー「盗まれた手紙」の最後の言葉が、この本を象徴しているように思われた。“暗闇で 見えるものが ある / 考えて みたまえ 僕たちは 祈るとき 何故 / 目を つむるのだ”
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カフカ、ドストエフスキー、漱石、ポーの小説を、各16ページで奇跡のコミック化! 柴田元幸、椹木野衣、柴崎友香氏絶賛、世界の名作がまったく新たに甦る驚愕のマンガ体験!
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