明治国家のこと の商品レビュー
南方風俗と西郷の乱、という章がとても良いです。 西郷は聖なるものでありながら空っぽであるため、担がれたらやるしかない。それは薩摩のオセンシという伝統であり、広く見れば東南アジアの若者衆という組織の有り様そのものなのだ。西南戦争は、隣町とのケンカに出て行く若者衆と一緒である。悲しい...
南方風俗と西郷の乱、という章がとても良いです。 西郷は聖なるものでありながら空っぽであるため、担がれたらやるしかない。それは薩摩のオセンシという伝統であり、広く見れば東南アジアの若者衆という組織の有り様そのものなのだ。西南戦争は、隣町とのケンカに出て行く若者衆と一緒である。悲しい西郷。
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司馬遼太郎が残した幕末・明治に関するエッセイや対談、講演より選び出したアンソロジーの「明治篇」。氏の二大長編「飛ぶが如く」「坂の上の雲」から派生する論考と語り、司馬史観此処に。
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久しぶりに司馬遼太郎の言葉に触れたけど、やっぱり素晴らしいなぁ。 「坂の上の雲」や「竜馬が行く」を読んだ人におすすめ。
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明治維新から150年の2018年も残り僅かで読了。明治時代を振り返る著作や対談、講演の原稿を収録する。
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司馬遼太郎の随筆や講演のセレクション集。小説では抑え気味な感情表現がここでは記述されており、氏が小説で描きたかった内容やポイントが直接的に伝わる。温厚そうな外見とは違い、かなり熱い作家さんだ。 『翔ぶが如く』『坂の上の雲』や、明治から先の戦争への流れが、氏の視点から語られている。...
司馬遼太郎の随筆や講演のセレクション集。小説では抑え気味な感情表現がここでは記述されており、氏が小説で描きたかった内容やポイントが直接的に伝わる。温厚そうな外見とは違い、かなり熱い作家さんだ。 『翔ぶが如く』『坂の上の雲』や、明治から先の戦争への流れが、氏の視点から語られている。日露戦争から先の戦争の流れをベンチャー企業に当てはめて読み替えると、、、 『自社の弱点を認識して、細心の注意を持って立案した戦略で大手から特定業界のシェアを得た。しかしその後、自社の力を見誤り、多くの業界に対してリアリティのない拡大戦略を展開して失敗し、過去の成果を全て散財した。』 う~ん、これは事例として多くありそう。
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司馬さんにとっての「幕末」「明治国家」とは何だったのか。考えて、書いて、語ったことの真髄がまとめられています。 小説以外の文章・対談・講演から、明治国家では18編を収録。 NDC 210.6
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この本を読んで、司馬さんが国(政治家、国民)にとって一番大切なのは「リアリズム」だと考えていることが分かった。明治維新によって新しく国づくりを始めた日本が、僅か40年足らずで日露戦争に勝利し世界の列強に加わったにもかかわらず、そのさらに40年後には太平洋戦争で国を滅ぼすことになっ...
この本を読んで、司馬さんが国(政治家、国民)にとって一番大切なのは「リアリズム」だと考えていることが分かった。明治維新によって新しく国づくりを始めた日本が、僅か40年足らずで日露戦争に勝利し世界の列強に加わったにもかかわらず、そのさらに40年後には太平洋戦争で国を滅ぼすことになったのは何故か?栄光の明治と転落の昭和。この転機になったのが日露戦争の勝利であったという。 すなわち、明治の指導者は、自らの弱さを直視し、自らの弱さに正直であったがために、懸命な外交を通じてその弱点を克服して行くことができたのだが、日露戦争の勝利は神州不滅の妄想と夜郎自大の風潮を生み出し、第一次大戦による軍事技術と戦略の大転換に完全に取り残されたにもかかわらず、その現実を直視し得えなかったことがそのまま国の滅亡につながったとしている。著者は折にふれ、自らの陸軍での経験と重ね合わせて、リアリズムを失った戦前戦中の昭和という時代に対する嫌悪感を表明しているが、「戦後は軍事に触れるだけでも具合が悪いという細菌恐怖症のような気分がずっと続いています。現実をきちっと認識しない平和論は、かえっておそろしいですね。」(p337) と、逆の意味でリアリズムを失った戦後の日本に対しても警鐘を鳴らしているのは傾聴に値する。
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