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日本戦後史論 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2022/07/09

ところどころ、というか、要所要所で「ん?」となりがち。今の政治の出鱈目ぶりは保守の自己解体願望でーみたいな話が繰り返し語られるが、「無意識下で」といえば何でも言えてしまうので、こういう文系インテリ仕草はちょっとついていけない。

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2021/03/12

なかなか良かった。戦後史が学校であっという間に終わってしまったり、事実の羅列だけで深い解説がなかったりするのも、日本が「敗戦を否認」しているからなのかなと思った。ちゃんと勉強したい。日本人として。

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2020/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 白井聡氏の著作「国体論」に興味をもったものの、専門的な内容のため断念。本書は内田樹との対談形式で読み易くなっている。戦後日本を貫く呪縛。「対米従属を通じての対米自立」「敗戦の否認」「永続敗戦の構造は戦後の国体」 もちろん、いずれの敗戦国も敗戦の否認を行ってきたのであるが、日本とフランスは戦後の症状が重い。日本では戦争を指導していた人たちが戦後、ふたたび支配的な地位に留まり続けたことが歪みを生んでいる。親米的雰囲気は、かなり人為的に作られていった部分が多い。戦中派は明言しないものの、アメリカに勝つ!という目的を共有しており、代替戦争としての経済競争があった。戦後生まれが支配的となった現在、目的を失い倒錯した経済成長戦略を続けている。尊敬できるブルジョアジーがいない。「カタストロフ願望」 無謀な戦争は、実は日本人が日本を憎んでいたから、と述べたのは興味深かった。近代日本のトラウマは150年経ってもいまだに言語化されない。現代でも不合理な選択をし続けており、破局願望から逃れられていない。

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2020/08/19

「二〇二〇年の東京オリンピックって、もし何とか開催できればその後一〇年国はもつ。もし開催できないというところまで追い込まれると、もう五年しかもたない。そういう嫌な感じがするんです。」 なんていうヒリヒリするような発言が続出する。 日本は戦後、「対米従属を通じた対米自立を目指す」...

「二〇二〇年の東京オリンピックって、もし何とか開催できればその後一〇年国はもつ。もし開催できないというところまで追い込まれると、もう五年しかもたない。そういう嫌な感じがするんです。」 なんていうヒリヒリするような発言が続出する。 日本は戦後、「対米従属を通じた対米自立を目指す」という捻れた形で政策を作ってきた。しかし、アメリカはもちろん自国の国益を優先するので、いつまで経っても対米自立ができない。 また、敗戦の否認をしており、どこか韓国・中国という近隣諸国を見下しているところがある。 仮に中国が尖閣諸島に攻め込んだとしても、アメリカは日本の防衛をしないだろう。アメリカはそのような事態にならない程度に日中関係を維持したい。 日本はそのような状況の中、アメリカの利益にも国益にもならない政策を進めており、自滅を望んでいるように見える。 といった内容の対談。対談形式の本には珍しく、盛り上がっていることがわかる。

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2020/04/03

強烈な本であった。知的に刺激を受ける。 特にアメリカで、木材産業の自立に向けた話をした後では。 補助金のことをたくさん言われたけれど、その歴史性などを明らかにする必要があるなぁ。 林業が自立できない背景には、日本社会の構造的な課題があるように思えて仕方がない。

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2017/11/26

「なんで日本だけが悪く言われるんだ、英米なんかもっとひどいじゃないか」という叫びに一片の真実はある。しかしそれを言えないことが敗戦したという意味であり、そのことを理解して飲み込むしかない、というところからしか、始まらない。 原発、「どっちかといえばやめた方がいい」、程度の意思でや...

「なんで日本だけが悪く言われるんだ、英米なんかもっとひどいじゃないか」という叫びに一片の真実はある。しかしそれを言えないことが敗戦したという意味であり、そのことを理解して飲み込むしかない、というところからしか、始まらない。 原発、「どっちかといえばやめた方がいい」、程度の意思でやめられるはずがない。それがわかってないのが日本国民のダメなところです。

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2017/08/18

戦後日本の政治的論考を、ウチダ先生と『永続敗戦論』の白井聡先生が対談形式で行った、非常に刺激的な本。近年表面化している様々な政治的な問題は、ここ何年かの文脈で読もうとすると誤読してしまい、きちんと1945年(あるいは、それよりももっと昔)から丁寧に経過を追って読んでいかないと読み...

戦後日本の政治的論考を、ウチダ先生と『永続敗戦論』の白井聡先生が対談形式で行った、非常に刺激的な本。近年表面化している様々な政治的な問題は、ここ何年かの文脈で読もうとすると誤読してしまい、きちんと1945年(あるいは、それよりももっと昔)から丁寧に経過を追って読んでいかないと読み解くことは難しいのでは、ということを本書を読むと痛感させられる。戦後史の「語られていない部分」をきちんと正視しないと、真の意味での対米自立は難しいのではないか、と思ってしまうのです。

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2017/05/20

この本が出てから2年ほど間が空いているので、今頃読んで話題が古くなっているのではと危惧したのですが、私のそんな心配は全く当らず大変面白く読みました。 安倍政権も長期になっているため、安倍首相がニュースに登場するのは毎度のこと、野党という勢力も殆ど機能せず、自民党中心とした一党支配...

この本が出てから2年ほど間が空いているので、今頃読んで話題が古くなっているのではと危惧したのですが、私のそんな心配は全く当らず大変面白く読みました。 安倍政権も長期になっているため、安倍首相がニュースに登場するのは毎度のこと、野党という勢力も殆ど機能せず、自民党中心とした一党支配体制の下、最近は憲法改正にも意欲を見せる言動ありの最中に読む価値ありです。 今時マルクス、レーニン主義を言う人に30年ぶりに出会ったと内田先生に言わしめた白井さん、「永続敗戦論」の著者です。構造主義の見方から世の中を論ずる内田先生との対談形式のこの本は、予想に反してとても読み易く眼から鱗の話ばかりです。 戦後日本の国家戦略は、対米従属を通じて対米自立を果たすこと。これを内田先生はのれん分け戦略と評しています。徹底的にアメリカに負けて、アメリカに従属する姿勢しか考えられない日本の戦後社会。とても主権国家と言えない国の成り立ち。負けた原因を精査しないまま、社会の中枢に居座った支配層。その後、冷戦構造の中でアメリカ陣営に立ち同盟関係を結び70年。うやむやにした戦争責任が隣国の人たちから突きつけられる昨今。この本が出た後ですが、とうとうアメリカは本音を言う自国第一主義を唱えるトランプ大統領になり、今までのスタイルが通用せず、右往左往しているのでしょうが、ある意味これも日本にとっては良かったのかも?とも考えました。いつまでも何処までもついて行きますじゃあねえ… 最近は奥さんまで政治の舞台に出てくる安倍首相、心理的には親米を装いつつ反米のねじれた感情を持つ、多分人格が乖離しているのだろうと解説されている安倍さんの心理構造が特に面白かったです。また、歴史を顧みると、明治時代に遡る戊辰戦争以来のつけ、恨みが高じて自滅的な戦争に走ったこと。最近話題になった「忖度する」ことが大事であるために生み出される無責任な組織構造。無意識に破局を求めるカタストロフ願望、方丈記にあるような無常感が日本人の伝統的な感情であるが故の社会構造であること等々、表現は過激ですが、本質を突いているので、今の日本がどうしてこんな成り立ちであるのかよくわかりました。

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2017/01/17

「忖度する文化」がたいへんにおもしろかった。 確かに、「忖度する小物」による悪影響は、この国の至るところに綻びをもたらしているのであろう。 『永続敗戦論』を読んでみたくなった。

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2016/01/27

第1章 なぜ今、戦後史を見直すべきなのか 第2章 鈍化していく永続敗戦レジーム 第3章 否認の呪縛 第4章 日本人の中にある自滅衝動 「経済成長のためならどんな不幸になってもいいという倒錯した心情」「忖度システム」「敗戦の否認」「カタストロフ願望」などなど。 「否認」が昂じている...

第1章 なぜ今、戦後史を見直すべきなのか 第2章 鈍化していく永続敗戦レジーム 第3章 否認の呪縛 第4章 日本人の中にある自滅衝動 「経済成長のためならどんな不幸になってもいいという倒錯した心情」「忖度システム」「敗戦の否認」「カタストロフ願望」などなど。 「否認」が昂じている現状は明白に病的だが、まずはそれを認めることからしか話は始まらない。幼稚で最大のリスクファクターである「彼」の存在が、なんとも不穏なのだが‥。

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