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永い言い訳 の商品レビュー

4.1

237件のお客様レビュー

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    76

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/09/10

突然家族を亡くした時、その反応は様々だが、残された人はみんな傷を負っている。 この小説は、それぞれが抱えているいろんな傷を描いている。それは死者に対する真っ直ぐな愛情からくる傷だけではなく、背徳感とか怒りとか罪悪感とか嫉妬心とか妙に冷めた気持ちとか他人が想像する遺族像にそぐわない...

突然家族を亡くした時、その反応は様々だが、残された人はみんな傷を負っている。 この小説は、それぞれが抱えているいろんな傷を描いている。それは死者に対する真っ直ぐな愛情からくる傷だけではなく、背徳感とか怒りとか罪悪感とか嫉妬心とか妙に冷めた気持ちとか他人が想像する遺族像にそぐわないものがたくさんあって、それを書いてるのがすごくいいと思った。 主人公の衣笠幸夫を映画で演じたのは本木雅弘さんらしいのだが、ものすごーくイメージぴったり!映画も面白いんだろうな。

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2023/08/30

夫婦の片方を亡くし、幸夫くんは、残された寂しさをヒシヒシ感じ、大宮陽一さんは、生活するのに必死になりました。 真平君は特に学校と生活、灯チャンの面倒と、大変な思いをした。 幸夫さんの援助は、良かった。 幸夫さんのためにもなった。 幸夫さんは、真面目で、シャイな人だなー。

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2023/03/15

西川美和さん「ゆれる」に続いて2作目 「ゆれる」は映画あっての小説 オダジョー&香川あっての映画 今作はまず小説…映画化見越しての作品です。 凄いですね西川美和(o_o) 自己愛、承認欲求が強くて捻くれ具合も半端ない。 小説家なので他人に対してあれこれ自分勝手に分析し、...

西川美和さん「ゆれる」に続いて2作目 「ゆれる」は映画あっての小説 オダジョー&香川あっての映画 今作はまず小説…映画化見越しての作品です。 凄いですね西川美和(o_o) 自己愛、承認欲求が強くて捻くれ具合も半端ない。 小説家なので他人に対してあれこれ自分勝手に分析し、都合よく解釈してほくそ笑む。 冒頭から主人公の最悪な人となりは当然読み手にはバレてます。 でも私は「あ〜コイツちょっと好きかも」って思ったんですね笑 たぶん自分の中にも似たような部分があるのでしょうね( ̄▽ ̄) 「愛するべき日々に愛することを怠ったことの代償は小さくはない」この言葉にやられました。 ちなみに映画は本木雅弘です もうモッくんしか有り得ない‼︎ お茶のCMのあのキャラでのモッくん バラエティで喋ってキャラ崩壊するモッくん 素直な方は主人公が変わっていく姿に感動し 捻くれた方は主人公を理解しつつラストまで引き込まれると思います。 ゆれる、永い言い訳…DVD観たいなぁ

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2023/03/12

妻が事故で亡くなった。その一報を聞いたのは、愛人を「妻が旅行でいないから」と家へ呼び、2人で過ごしているときだった。 愛すべき人を愛すべきときに愛さなかった、最低な人間なのに周りからは悲劇の主人公として持ち上げられる。 そんな中、妻と共に命を落とした妻の親友一家との交流が始まり、...

妻が事故で亡くなった。その一報を聞いたのは、愛人を「妻が旅行でいないから」と家へ呼び、2人で過ごしているときだった。 愛すべき人を愛すべきときに愛さなかった、最低な人間なのに周りからは悲劇の主人公として持ち上げられる。 そんな中、妻と共に命を落とした妻の親友一家との交流が始まり、初めて愛の本質に触れ始める。 琴線に触れる言葉がたくさんあって、読み終わりたくないなあと思いながら読了した。 どうして人は愛を求めるんだろうな。 妻の未送信メールの真意を考えると、彼女が生きていたらこの夫婦は後にどうなったんだろう。

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2023/02/23

ぽつん、ぽつんと読んでいるうちは、いまひとつ入り込めずにいたが、いつしか逃れられなくなっていた。 家族であれ友人であれ、現実の人との関係は、すっきりときれいなものではない。それは、亡くなってしまったから変わるものではなく、むしろ亡くしてしまったら変えられる機会を失ってしまう。自分...

ぽつん、ぽつんと読んでいるうちは、いまひとつ入り込めずにいたが、いつしか逃れられなくなっていた。 家族であれ友人であれ、現実の人との関係は、すっきりときれいなものではない。それは、亡くなってしまったから変わるものではなく、むしろ亡くしてしまったら変えられる機会を失ってしまう。自分だけが「その後」を生きていく。 愛する人を失った。そんなんじゃないんだ。そうだったらどんなに良かったか。いやもしそうだったらもっと辛かったのか?もう愛していなかった。かつては愛していたのに。これから先は?これから先も?愛していたんだ。でも愛されていたんだろうか。本当は?本当に?本当って? 失った時をいくら思っても答えは分からない。時をすすめていくしかない。時はすすんでいく。生きていたって分からないよね。分からないけど生きていくんだよね。 いつかまた読み返してみたい。

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2022/05/27

天の邪鬼な面がある作家が周囲の人々との関係において色々あったこと。展開がごく自然で、心情の動きも自然で、この世界に浸って共に考えることができた。今周りにいる人との今の時間を大切にしたくなった。

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2022/05/25

「私も日常の当たり前のことを大切にしよう」そう思える本を読みたくて、こちらを手に取りました。 分かったことは、どんな人にでも、「まさか自分が」ということが起きるということ。 当たり前ですよね。 どんなに仲が良い夫婦でも、冷め切った夫婦でも、思いがけない別れは来る。 最後に交わ...

「私も日常の当たり前のことを大切にしよう」そう思える本を読みたくて、こちらを手に取りました。 分かったことは、どんな人にでも、「まさか自分が」ということが起きるということ。 当たり前ですよね。 どんなに仲が良い夫婦でも、冷め切った夫婦でも、思いがけない別れは来る。 最後に交わした言葉が何か思い出せない、もっとあなたがいる日々を大切にすれば良かった、 そんな風にならないように、 私は色々な小説を読み、日々感じています。 だから、大切な人にはなるべく会いに行くし、会えた時は素直に感謝を伝えなきゃと思って。 この話は本当に、永い言い訳でした。 人物に魅了がなかったからか、しっかり読み込むことができませんでした。 あぁ、読むのが少し億劫だなあ、と思いながらも最後まで読みました。 夏子が可哀想だ。 でも人生ってこんなもんだよね。 ドラマや小説のように、尽くせば最後は思いが通じるとか、そういうのじゃないよなー。 全然通じ合えなくて、 どこからか歯車が噛み合わなくて よくわからなくて、 夫婦の溝が広がっている感じがすごく伝わってきました。

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2022/04/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

妻を失った男たちに、イライラさせられっぱなしだったけれど、なくして初めてわかること、たくさんあるよなあと、考えさせられた。 スキーバス事故が出てきたことに、個人的に驚いてしまった。実際のあの事故に、知人が巻き込まれていたので。 真平(ぼく)がつからった。フレンチレストランでの父の振る舞い。ビーフストロガノフ。妹のアナフィラキシー。母の春巻き。 ヤングケアラーは、このようにして生まれるんだなあと考えてしまいました。 親がこれを問題視していないと、支援の手は届かない。 語り手がどんどんと変わっていくのが、面白くもあり、わかりづらくもあったかも。 夏子のメールを見てしまったけど、あれは本心だったのか。謎のまま。しかし他人の携帯ってのは、見てもいいことないよね。 主人公が最後に妻のために泣けて、良かったとおもう。

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2022/04/08

美容師の妻が急な事故で亡くなり、一人残された小説家の男。 妻が亡くなったその時、自分は不倫相手を連れ込み過ごしており 遺品を見ても何が妻のモノかもわからないくらい、妻の事を知らなかったことに気付き、人生を歩みだす姿を描いた作品。 なんだろう。 まさに題名の通りの作品で、永い言い...

美容師の妻が急な事故で亡くなり、一人残された小説家の男。 妻が亡くなったその時、自分は不倫相手を連れ込み過ごしており 遺品を見ても何が妻のモノかもわからないくらい、妻の事を知らなかったことに気付き、人生を歩みだす姿を描いた作品。 なんだろう。 まさに題名の通りの作品で、永い言い訳。 永い言い訳を聞かされてる本。 別に生命の大切さや今という瞬間を生きることの尊さが描かれたわけでもなく、「永い言い訳」なんです。 ただ、残された者は「永い言い訳」をせずにはいられない部分もある。 主人公が本当に嫌な男すぎてビックリするし、ビックリした。

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2022/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妻・夏子を突然の事故で亡くした作家・津村啓。同じく事故で母親を失った家族との交流を通して、はじめて夏子と向き合っていくことになる。 この津村、人気作家で容姿も良い為周りからはちやほやされているが、読んですぐ!嫌いになってしまった。 なぜなら、奥さんが旅行に向かうバスで事故に遭った時、彼は愛人を家に連れ込むような、亡くなった後もずっと意地を張って「夏子の思い通りには悲しまないぞ」と心で嘯くような、はっきり言って最低な男だから。 なので、彼が陽一親子と触れ合ううちに丸くなっていくのに良かった良かったと、考えを改めてくれるかとホッとしたけれど、そうは問屋が卸さないぞとザクザク汚い部分も暴かれていくのが辛い。でもこの過程こそが津村には必要だったんだと、都合の良い考えかもだけど、そう思えてならない。 津村が陽一や子どもたちと過ごした時間は例え誰かに馬鹿にされ消費されても、ぶつかり合った彼らにだけ得られたものがあるのだろうと思う。 その果ての、彼から彼女への手紙。揺さぶられました。 読み終えると、大嫌いだった津村、もとい幸夫に私自身そっくりだと気づく。疑り深く人を決めつけ自分が第一。陽一のようになりたい気持ちがあるのに、酸っぱい葡萄で毛嫌いする。だからこそ彼の情けなくもがく姿から目が離せなかったし、愛するべき日々に愛することの尊さが胸を打つのだと感じました。

Posted byブクログ