反知性主義 の商品レビュー
前半のハーバード、イェール、プリンストン設立の由来は理解できたが、リバイバリズムは、あれで本当に良いのだろうかと、最後まで理解できなかった。
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反知性主義とは、知性と権力が結びつくということを批判することで、知性そのものを非難することではなく、アメリカという国故に生まれたということが分かりました。 本書では、アメリカのキリスト教布教の歴史に於ける、「信仰復興」(リバイバル)を通じてどのように反知性主義と言う考え方が敷衍...
反知性主義とは、知性と権力が結びつくということを批判することで、知性そのものを非難することではなく、アメリカという国故に生まれたということが分かりました。 本書では、アメリカのキリスト教布教の歴史に於ける、「信仰復興」(リバイバル)を通じてどのように反知性主義と言う考え方が敷衍されてきたかが分かるようになっています。 個人的に、特に勉強になったトピックとしては、「政教分離」で、日本では創価学会などがやり玉に挙げられますが、アメリカのそれは、政治から宗教を追い出すことではなく、各人が自由に思うままの宗教を実践することができるようにすることであるということです。 言葉も平易で読みやすく、納得の一冊でした。
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イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領当選、日本の民主党政権擁立…、マスコミ報道や雰囲気に呑まれて、あまり深く考えもせずなんとなく「感触がいい」からという判断で政治や経済を委ねてしまう、あるいはそういう市民層を意識してあえて分かりやすい行動をとる支配者層… 俺は、この本のタイトルとなっている言葉の意味を、なんとなく漠然とそういう風にとらえていたのだが、その解釈は間違っていた。 少なくともこの言葉が生まれたアメリカでは「反知性主義」とは「知性」と対立するものではなく、「知性主義」と対立するものだということ。そして、そこにはアメリカ合衆国誕生から深く根ざすキリスト教が大きく影響していたのだということ。なるほどなぁと目から鱗。 反知性主義とは知性と権力の固定的な結びつきに対する反感。これが結論なんだが、その反知性主義が成立していく過程をアメリカ宗教(キリスト教)史を通じて分かりやすく書かれていて良い。勿論、宗教史以外から反知性主義を読み解く方法もあるんだろうが、今のところ、俺の中ではこの本の影響大である。 ただ、日本の「反知性」は困ったもので、「分かりにくい真実より理解しやすい風評」みたいなもっと安易なとこがあるよなぁ。「あの人とは血液型が合わないから付き合わんとき」とか「水素水呑んだら肌ツヤが良くなるで」とか、自分で信じるのは勝手やけど、そういう安易な風評を人に圧しつける風潮、なんとかならんかなぁ。
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反知性主義とは何か。知性主義に対する反発である。反"知性"主義ではなく、反"知性主義"である。 この誤解が解けるだけでも、目からウロコ。 それでは知性主義とはなにか。反知性主義の背景は? とても読みやすいが、知らなかったことばかり。 話題と...
反知性主義とは何か。知性主義に対する反発である。反"知性"主義ではなく、反"知性主義"である。 この誤解が解けるだけでも、目からウロコ。 それでは知性主義とはなにか。反知性主義の背景は? とても読みやすいが、知らなかったことばかり。 話題となりながら、明らかに誤解されているワードを正しく理解し、さて、日本ではどうか、自分はどうか考えるきっかけとなる。読む価値あり、と思う。
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別の座標軸に立って新しい視点を示す。異次元の立脚点。知性と知能の違い。知能的な動物はいるが知性的な動物はいない。知能犯はいるが知性犯はいない。
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反知性主義を理解するとき、アメリカのキリスト教史の大前提を理解することが必須。この本は最高。時代を騒がせた教会の主役たち、心に語りかけるような筆者の言葉。深くて楽しい講義を聞いてるような素晴らしい本。
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本書の内容紹介にはこうある。「アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、米国のキリスト教が育んだ「反知性主義」にある。」 だいぶ風呂敷を広...
本書の内容紹介にはこうある。「アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、米国のキリスト教が育んだ「反知性主義」にある。」 だいぶ風呂敷を広げたなと思われるだろうが、本書を読み進めるうちに、うんうんと頷き、へーと納得し、どれも説明する見事な語りに、最後にはまじかよーと末恐ろしさすらも感じてしまった。 アメリカを語るのに、「反知性主義」のこの万能感はなんなのだろう。かつて丸山真男が日本を語るのに「原型・古層・執拗低音」を説いていたけれど、「反知性主義」の補助線の切れ味は比べようもないほどに鋭い。
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1600年代ハーバード・イェール・プリンストン大学は牧師養成学校としてスタートしているとのこと。教会の牧師は大学出。それに対し、辻説法をする神の行商人が登場し、演説のうまさから人々を魅了する。反知性主義とは、大学や研究所の知の権威が、その組織の外に出て、越権行為を働くことに対し、...
1600年代ハーバード・イェール・プリンストン大学は牧師養成学校としてスタートしているとのこと。教会の牧師は大学出。それに対し、辻説法をする神の行商人が登場し、演説のうまさから人々を魅了する。反知性主義とは、大学や研究所の知の権威が、その組織の外に出て、越権行為を働くことに対し、牽制する姿勢のことと理解しました。圏外編集者の都築さんの姿勢(権威ある誰かお墨付きのない絵・音楽・ポエム・住まいの中から素晴らしいものを選びとれるか)、町田康リフォームの爆発における餅は餅屋に任せ切れないリフォーム中の家主の苦悶も、反知性主義のスタイルと言って良いかと思いました。
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佐藤優氏の使っている「反知性主義」とは異なり、著者が使っている「反知性主義」とは、知性を軽蔑する事ではなく、知性が権威と結びつく事への反発であり、何事も自分自身で判断する事を 求める態度である。 これは、実はアメリカのキリスト教を背景として生まれた、一人ひとりが神に向かい合う事...
佐藤優氏の使っている「反知性主義」とは異なり、著者が使っている「反知性主義」とは、知性を軽蔑する事ではなく、知性が権威と結びつく事への反発であり、何事も自分自身で判断する事を 求める態度である。 これは、実はアメリカのキリスト教を背景として生まれた、一人ひとりが神に向かい合う事を大切にする主義主張を源にするもの。 知性と理性がアメリカのキリスト教においてどの様な影響を与えてきているのかについて分かりやすく述べられています。
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日本で言われている反知性主義とは異なり,ここで取り扱われている反知性主義とは「つまり反知性主義は,知性と権力の固定的な結びつきに対する反感である。知的な特権階級が存在することに対する反感である。微妙な違いではあるが,ハーバード・イェール・プリンストンへの反感では無く,『ハーバード主義・イェール主義・プリンストン主義』への反感である」(p.262)である.その起源を紐解いて行くのが本書の内容であり,反知性主義の形成にはアメリカという国家の起源,そしてキリスト教が大きく寄与していることが詳らかに解説されていく. しかし,だとすると,アメリカの行なっている戦争や軍事介入は全てある種の宗教戦争(聖戦と言っても良いかもしれない)だし,トランプ旋風が起こるのは必然であるし,何ということだ. 政教分離が教会の収入源を絶ち,宗教を経済的自立,すなわち金儲けに走らせるというのは,確かにその通りだなあ. あとがきに突如「小田嶋隆」の名前が呼び捨てで出てきたので,一体何のことかと思いきや,何と本書の著者とは小中高と同級生とのこと.
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