ブラック オア ホワイト の商品レビュー
浅田次郎は同世代なので、登場人物も似た世代だと背景や心情が分かりやすく懐かしさもある。ただ、タイムトンネルのような夢が主体なので、内容としては引き込まれにくい。時代、国、立場を変えて別世界を経験する面白味はあるが、現の商社と夢の祖父が絡み重苦しい作品になっている。ラストも中途半端...
浅田次郎は同世代なので、登場人物も似た世代だと背景や心情が分かりやすく懐かしさもある。ただ、タイムトンネルのような夢が主体なので、内容としては引き込まれにくい。時代、国、立場を変えて別世界を経験する面白味はあるが、現の商社と夢の祖父が絡み重苦しい作品になっている。ラストも中途半端な感じだし・・やはり楽しい小説がいいなぁ~
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総合商社、財閥。それが富国強兵の時代から脈々と流れてきている、という件は”なるほど”と思った。幕末からバブルまでの日本の歴史を垣間見ながら、人の幸せとか不幸とか、感じる事などその人その人によるのだよな、と感じさせる。 人生なんて夢のようなものだ、とはよく言われることだけれど、渦中...
総合商社、財閥。それが富国強兵の時代から脈々と流れてきている、という件は”なるほど”と思った。幕末からバブルまでの日本の歴史を垣間見ながら、人の幸せとか不幸とか、感じる事などその人その人によるのだよな、と感じさせる。 人生なんて夢のようなものだ、とはよく言われることだけれど、渦中にいるときにはなかなか気づくのは難しい。どんな不幸だって、夢のようなものだ、と割り切れればそれはそれで、面白いものなのだ。 そんなことを気づかせてくれる小説だった。
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うーん。浅田作品♪と期待したらこれは私としてはハズレ。物語を紡ぐ言葉操りの術もなかば極め、関心のあるテーマはあとを絶たず湧きあがり、取材旅行にいく時間も財もあるから世界じゅうに飛び、さらに想像をふくらませた売れっ子作家の才能が迷っちゃったかんじですかね。歴史に浸るでなく哲学に触れるでなく心理学に泳ぐでなく空想にふけるでなく。ぜんぶ肩すかしというか。 黒い枕と白い枕の見せる夢、つねに現れる女、この世界観だけにもっと狭められててさいごに聞き手だったはずのこの名もでてこない男の手に黒い枕、そして暗転。 くらいのかんじならホラーファンタジーとして読めたかもしれないが。3つくらい、死の真相みたいなの織り込まれてるじゃない、祖父と、旧友と、某夫人と。それもなんか雑多な置かれかたな気がして。都築氏の半生も(夢含め)つねにひんやりとしているし、だから冷めた引いた目で物語をなぞっただけだという読後感。愛も情もロマンもない、なんていうんだろうね、こういうの。ひんやりわかりづらいダークファンタジー。違うか。わからんかった私には。 ただたくさんはっきり意味を知らないことばがでてきたからたくさん辞書ひいて、それは間接的に私に知識を与えてくれたかもしれない。都築くんカタカナ語が多いからちょっとルー大柴ぎみだったよ。ラストの、心を饗(どよ)もす とかも いつか使いたい。。
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総合商社って、海外にはない日本固有の企業形態なのか。かつて読んだルポルタージュやノベルにおいて伊藤忠、丸紅、日商岩井が登場し、もちろん三菱、三井の名を知らないわけではないが、一向に得体の知れぬ存在だった。闇情報で国家をも動かす流通業者、国際的卸売業者って認識で、世界各国に存在する...
総合商社って、海外にはない日本固有の企業形態なのか。かつて読んだルポルタージュやノベルにおいて伊藤忠、丸紅、日商岩井が登場し、もちろん三菱、三井の名を知らないわけではないが、一向に得体の知れぬ存在だった。闇情報で国家をも動かす流通業者、国際的卸売業者って認識で、世界各国に存在するのだろうと思っていた。この小説の主題ではないそんな些末な事を学んだものの、浅田小説の中では馴染めず。夢か現か、読んだのか流したのか、おぼろげな読後感。
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白い枕と黒い枕で見る夢の話。読んでいても、現実の話なのか夢の話なのか分からなくなってくる。結局何の話だったのか、夢の話? かと言って読み直す気力も無し。分からないまま終わることにします(苦笑)
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最近は随筆ばかりを好んで読んでいたので、久々にどっぷりと物語を堪能しました。 浅田次郎の物語はハッピーな大円団や優しさに包まれる結末が多いような印象がありましたが、この物語の結末はいつもと違うような気がします。 ちょっと恐ろしかったです。この結末についてもう少し考えてみること...
最近は随筆ばかりを好んで読んでいたので、久々にどっぷりと物語を堪能しました。 浅田次郎の物語はハッピーな大円団や優しさに包まれる結末が多いような印象がありましたが、この物語の結末はいつもと違うような気がします。 ちょっと恐ろしかったです。この結末についてもう少し考えてみることにします。
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もともと筆力のある作家なので読み進めはします。でも内容が散漫で「だから何?」という感想。読了後のカタルシスもなく、どうしたペンクラブ会長。
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普段まったくと言ってよいほど夢を見ない私からすると、こんな夢ばかり見たら疲れるやんと思う。。。。 所詮金持ちのおぼっちゃま、普通の感覚ではあり得ない夢を見るんですね。。。 変な夢を枕のせいにしたらあかん(笑)
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夢の話である。バブル時代のサラリーマンの生き様のストーリも面白かった。わたしは仕事中毒の会社人間だったけと、何度も、どきりとした。夢のあやふやな感じの表現、筒井康隆の「夢の木坂分岐点」の緻密さにはおよぼない。
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夢か現か幻か。 バブル時代の商社マンが人生の3分の1の夢の時間に過去にさかのぼり、祖父の歴史を再認識する。 バブル時代の苛烈な商社ビジネスの世界から一転、スイスだのパラオ、インド、中国、果ては幕末まで。そしてニューヨークで知る祖父の最後。 破天荒なストーリーで読み飽きなかった。
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