死んでたまるか の商品レビュー
戊辰戦争を戦い抜く旧幕府軍の話。 今まであまりこの時代の小説を読んだことがなく、戦いの変遷は目新しく読めた。 しかしながら、幕末の人間模様や戦国時代の派手な合戦とは趣が異なる。旧幕府軍はひたすら負ける。負けて負けて、逃げて逃げる。タイトル通り「負けてたまるか」の精神でひたすらねば...
戊辰戦争を戦い抜く旧幕府軍の話。 今まであまりこの時代の小説を読んだことがなく、戦いの変遷は目新しく読めた。 しかしながら、幕末の人間模様や戦国時代の派手な合戦とは趣が異なる。旧幕府軍はひたすら負ける。負けて負けて、逃げて逃げる。タイトル通り「負けてたまるか」の精神でひたすらねばるが、ストーリーとしてはやや単調。 戦争も、そもそも戦死者10人が大打撃を与えたり、重要人物が榴弾とかで被弾をしていったりと、史実にそっているとはいえ、いささか味気ない戦闘シーンであった。 戦闘方式の変更も、個の名誉を重んじる時代の終焉のひとつの背景なのだろう。
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さほど名前の知られていない大鳥圭介(兵庫県民の俺も知らなかった)を主人公とした戊辰戦争物語。あくまでもフィクションなんでしょうけど、実直で真っ直ぐな主人公の生き方には素直に感動します。これを読むと薩長の有名人達が悪者のように思えてくるから不思議です(笑。機会があれば、薩長側から見...
さほど名前の知られていない大鳥圭介(兵庫県民の俺も知らなかった)を主人公とした戊辰戦争物語。あくまでもフィクションなんでしょうけど、実直で真っ直ぐな主人公の生き方には素直に感動します。これを読むと薩長の有名人達が悪者のように思えてくるから不思議です(笑。機会があれば、薩長側から見た戊辰戦争の物語を読んでみたい。
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戊辰戦争時の大島圭介が主人公、土方との関わりや蝦夷五稜郭までのなりそめが理解出来た。相変わらず勝海舟の生き方(長い物に巻かれ、人柱として影で操りはっきりしない志)が理解出来ず何故偉人たるのか?も理解出来ない。大島も結局生き永らえ土方の男気の域まで達せず期待外れ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大鳥さんが主人公です(^-^)珍しく?土方さんとの関係が良好に書かれてます(笑)そして勝さんがラスボス感だしてます。あとは中島さんのマント翻す姿が格好よかったな(*^^*) 大鳥さんの「南杞紀行」がベースとして大きいようで会話として話が進むというよりは、こう行動したっていう感じで話が進みます。 せっかく大鳥さんが主人公なので、もっと伝習隊の皆が出てきて会話して欲しかったですね。
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戊辰戦争、箱館戦争を戦い抜いた、大鳥圭介の物語。 武士の義が一番だった世の中で、 こんなに柔軟で、身分なども念頭になく 未来の国のことを考えていた人が龍馬の他にもいたなんて…。 私の中の、見つけた感がハンパないです。 もっと保身ばかりの、考えがグラグラな人だと思ってましたから...
戊辰戦争、箱館戦争を戦い抜いた、大鳥圭介の物語。 武士の義が一番だった世の中で、 こんなに柔軟で、身分なども念頭になく 未来の国のことを考えていた人が龍馬の他にもいたなんて…。 私の中の、見つけた感がハンパないです。 もっと保身ばかりの、考えがグラグラな人だと思ってましたから。 この伊東潤さんの大鳥圭介像にゾッコンです。 幕府軍の敗戦、他の物語でも、何だかあまりにも あっけない感じがしていましたが、 こんな色々が重なって、不運な方不運な方に どんどん行ってしまっていたんですね。 それを言い訳にしない、大鳥圭介。 人のせいにもせず、逃げる者も恨まない。 どんな場面でも諦めずにとことん考え込むこの姿勢。 …この頃仕事で、無理無理、出来ないを連発していた私。 深く反省です。諦めなければどこかに突破口がと 敗戦敗戦でも諦めない大鳥さんに教えられた気がします。 しばらく、「たまるか、たまるか」を 口癖にしていこうと思う一冊です。 どんな幕末の物語を読んでも、土方さんは格好良い。 でもこの物語の大鳥さんは脇の土方さんより 男らしく感じました。 この物語を読んでから、五稜郭に行けばよかったです。 土方さんの写真に「イケメンだ~~」と ミーハー気分で見学したのは不謹慎でした。 こんなに多くの、こんなに思いの詰まった場所。 改めてまた訪れてみたいです。
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死んでたまるか 諦めない大鳥圭介の覚悟 2015/4/8付日本経済新聞 夕刊 大鳥圭介といえば、『燃えよ剣』(司馬遼太郎)では、実戦経験がないにもかかわらず、仏式幕軍の将校にまで登りつめたことを鼻にかけ、土方歳三のことを「あれは剣術屋だよ」と見下す、敵役的存在。本書はその...
死んでたまるか 諦めない大鳥圭介の覚悟 2015/4/8付日本経済新聞 夕刊 大鳥圭介といえば、『燃えよ剣』(司馬遼太郎)では、実戦経験がないにもかかわらず、仏式幕軍の将校にまで登りつめたことを鼻にかけ、土方歳三のことを「あれは剣術屋だよ」と見下す、敵役的存在。本書はその大鳥を主人公とした初の長篇(へん)。 2人のどちらが格好良く描かれているかといえば、それは土方の方で、しかしながら、そこには作者の周到な計算がある。 決してブレない土方は、苦悶(くもん)しつつも官軍と戦う大鳥を映し出す鏡であり、やがてその鏡に映っている大鳥の像は、次第に土方を脇へと追いやり、実像として(ヽヽヽヽヽ)の主役の座を勝ち取っていく。 両者の違いは、滅びの美学=死地を求める土方と、決して諦めない=敗北を喫しても生を続ける覚悟を決めた大鳥との差異だ。 先日、東日本大震災4周年のニュースで、母親を見捨てざるを得なかった女生徒が、犠牲者たちの祭壇の前で、自分の心情を朗読するのを見て、涙が止まらなかった。そして同時に、思わずこれだ、と本書の大鳥を思わずにいられなかった。生き残る側を引き受け、負の力を正に転換した時、見えてくるのは何か。堂々たる傑作である。 (縄田一男)
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久々に涙させられた作品だった。大鳥圭介が土方歳三から「お前たちは生き延びろ」と言われるシーンは圧巻だった。通勤電車で計らずも落涙…
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幕末、明治維新にかけての本はかなり読んできたが、大鳥圭介が主人公のものは初めて。 戊辰戦争後の大鳥圭介がいかに生きたかを詳細にまだ書いて欲しかった。
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「オオトリケイスケ」をネット検索すると鳳佳輔が出てしまうくらい知名度の低い幕末の志士大鳥圭介。私も今まで全く知らなかったです、すみません。 こういう歴史の波の中で埋もれてしまいがちな人を描かせたら伊東潤の右に出るヒトはいなだろう。解説的な描写が多いのでドラマチックな展開が好きな人...
「オオトリケイスケ」をネット検索すると鳳佳輔が出てしまうくらい知名度の低い幕末の志士大鳥圭介。私も今まで全く知らなかったです、すみません。 こういう歴史の波の中で埋もれてしまいがちな人を描かせたら伊東潤の右に出るヒトはいなだろう。解説的な描写が多いのでドラマチックな展開が好きな人には物足りないかも知れないけれど、だからこそかえってあの爆裂悲劇的戦いがリアルに思える。 彼らはなぜ負けると分かっている戦いに殉じていったのか、武士の矜持とは…今のこの日本は彼らが流した血の上に成り立っているのだ、と改めてしみじみと。 「武士」というのは身分ではなく「生き方」そのものなのだ、ただそれだけなのだろう。 そして「勝つための戦ではなく負けぬための戦をするべきだ」という言葉に本当の武士の「生き方」を見た気がする。
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