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粗忽長屋の殺人 の商品レビュー

3.9

14件のお客様レビュー

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2022/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

落語の演目をベースに独自の展開を膨らませ、長屋の住人界隈で繰り広げられる原因不明死の謎、不審行動、珍事を、熊五郎、八五郎の粗忽者コンビを相棒に、長屋の大家を任されている御隠居、幸兵衛がお江戸版安楽椅子探偵として解決に導く。 時代物はその昔、宮部みゆき氏の書いたものをいくつか読んだことがあるくらいでほとんど手に取らないのだけれど、設定が面白そうだったので、図書館で予約。 純然たるミステリを楽しむというよりは、落語、時代物との融合を楽しむものとして読めば全然あり。 ミステリ的な内容よりも、会話の掛け合いの中でぶっ込んでくる駄洒落が、時代物の設定でありながら、いちいち現代の状況と掛けてくる白々しい様が馬鹿馬鹿しくて癖になる。 落語という文化を味わいつつもさらっと楽しく読める一冊でした。

Posted byブクログ

2022/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古典落語に出てくる謎解きを面白可笑しく解き明かす短編集。 登場するのはお江戸に住まう貧乏長屋の愉快な面々。メインとなるのは物知りなご隠居に、おっちょこちょいでお人好しの熊さん八っつぁんコンビ。 みんな口は悪いが気のいい奴ら。軽快なやり取りに読んでるこちらも笑ったりツッコミを入れたり、と物語に参加している気分でまた楽し。 江戸の話のはずなのに現代の言葉も散りばめられて、いや〜愉快愉快。 しかもどの短編も落語とあって締め方も粋でスッキリ。 かの『おけら長屋』のように、ぜひ『粗忽長屋』シリーズとして続けてほしい。

Posted byブクログ

2020/12/13

落語の背景に、もう一つの事件があるんじゃないかと横町の隠居が、熊さん八さんを使って解き明かす話。例えば寝床の大家は、どうしてそんなにまでして義太夫を皆に聞かせたかったのかって話。確かに、そもそもの設定に無理があるところをついて事件を見つけるのは面白い。ただ横町の隠居を安楽椅子探偵...

落語の背景に、もう一つの事件があるんじゃないかと横町の隠居が、熊さん八さんを使って解き明かす話。例えば寝床の大家は、どうしてそんなにまでして義太夫を皆に聞かせたかったのかって話。確かに、そもそもの設定に無理があるところをついて事件を見つけるのは面白い。ただ横町の隠居を安楽椅子探偵にしちゃっているので、熊さん八さんの限られた話から推理するので、飛躍があって、運よく当たったからいいけどって気もする。一番気になるのは構成。元になる落語の概略紹介が解説代わりについているのだけど、本文も最初は同じ話をなぞって進む。読者は2回、同じ話を読むので飽きる。飽きさせないためのサービスか、本文では時事ネタがたくさん盛り込まれているのだけれど、これがよくない。すでに話の概略を読んでいて、その先が知りたいのに、脱線ばかりしてなかなか先に進まないことにイラついてしまう。落語らしさを伝えようとしているのかもしれないけど、なんとなく中途半端な気がする。話そのものは面白いので、もうちょっとスッキリしているといいのにって思う。

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2020/05/14

デッドマンの作者とは思えない、真逆の時代小説。落語でお馴染みの熊さん、八つぁん、御隠居を狂言回しにした軽いミステリー仕立て、と言うより、オヤジギャグ満載のダダ滑り人情本。はじめに落語の粗筋もあげてあるからテンポよく進んで行く。字を追いつつ、音に変換されて脳内に小気味良く響いてくる...

デッドマンの作者とは思えない、真逆の時代小説。落語でお馴染みの熊さん、八つぁん、御隠居を狂言回しにした軽いミステリー仕立て、と言うより、オヤジギャグ満載のダダ滑り人情本。はじめに落語の粗筋もあげてあるからテンポよく進んで行く。字を追いつつ、音に変換されて脳内に小気味良く響いてくる。閉塞的な今にぴったり。

Posted byブクログ

2019/06/14

鏑木班シリーズとのテイストの違いに驚きました。落語ミステリとでも言えばいいのでしょうか。でも落語家さんの活躍するミステリではなく、一話ごとが現代風の落語として通用するのです。探偵は粗忽長屋のご隠居さん。それぞれの話には元ネタの落語がありますがきちんと粗筋の形で章の一番前につけてく...

鏑木班シリーズとのテイストの違いに驚きました。落語ミステリとでも言えばいいのでしょうか。でも落語家さんの活躍するミステリではなく、一話ごとが現代風の落語として通用するのです。探偵は粗忽長屋のご隠居さん。それぞれの話には元ネタの落語がありますがきちんと粗筋の形で章の一番前につけてくださっているので引用も分かり易くとても読みやすいです。落語らしくみんなを笑わせる時事ネタがいっぱい仕込んでありますし面白い試みだと思いました。落語として聞いてみたい気もします。笑えるものもほろりとくるものもありとても楽しみました。

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2015/10/26

好き。とにかく好き。 落語をミステリとして読むって、なにこれもうそれだけで笑える。話の解釈が綺麗にまとまってミステリになってる分、滑ってる時事ネタが残念でならない。それも特色のひとつなんだろうけど、せっかく長く読めそうなのも繰り返される時事ネタのせいで古い話になってしまうと思う。...

好き。とにかく好き。 落語をミステリとして読むって、なにこれもうそれだけで笑える。話の解釈が綺麗にまとまってミステリになってる分、滑ってる時事ネタが残念でならない。それも特色のひとつなんだろうけど、せっかく長く読めそうなのも繰り返される時事ネタのせいで古い話になってしまうと思う。これが蛇足!って感じ。 ぐちゃぐちゃな世界観が楽しかった。

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2015/07/19

2015.7.3 落語の 粗忽長屋 をそのままちょっと長くしてミステリーにした愉しい話 この落語シリーズは他にも読みたいな でも、ちょいネタに現代のしかも今(2014-15)しかウケないボケとツッコミがあるから数年たったら微妙かも…

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2015/06/19

古典落語の世界で起こった謎をご隠居さんが解き明かすというパターンのミステリ短編4編。ミステリそのものは可もなく不可もなしなんですが、あちこちに挿入されるくすぐりにはニヤリとさせられます。「オグロアラダ」には思わず吹きましたが、わかる人はどれだけいるのやら(笑

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2015/06/02

この作品の文章は、しっかりと上下がついている。 そのまま高座で演じられてもいいような、噺口調で書かれた本作は、無駄が無くよどみも無くトントントンと進んで小気味が良い。 古典落語の大ネタを組み合わせ、数々の落語ネタや枕のような時事ネタも加えて仕上げた4つのお話は、とても面白い人情...

この作品の文章は、しっかりと上下がついている。 そのまま高座で演じられてもいいような、噺口調で書かれた本作は、無駄が無くよどみも無くトントントンと進んで小気味が良い。 古典落語の大ネタを組み合わせ、数々の落語ネタや枕のような時事ネタも加えて仕上げた4つのお話は、とても面白い人情話になっており、これはもう古典を元にした新作落語といってもいいような内容だ。 大好きな「紺屋高雄」にあれこれ加え、しかも元よりも更に粋な終わり方をつけた最後の1話が最高だ!

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2015/05/30

古典落語を題材にした推理物。長屋のご隠居が安楽椅子探偵役という一風変わった面白い趣向でした。時代は江戸のはずなのですが、繰り広げられる会話の端々にカタカナ、外来語や現代のネタがしょっちゅう出てくるので、ちょっとその辺は好みではなかったな。中では第4話の「高尾太夫は三度死ぬ」が好き...

古典落語を題材にした推理物。長屋のご隠居が安楽椅子探偵役という一風変わった面白い趣向でした。時代は江戸のはずなのですが、繰り広げられる会話の端々にカタカナ、外来語や現代のネタがしょっちゅう出てくるので、ちょっとその辺は好みではなかったな。中では第4話の「高尾太夫は三度死ぬ」が好きです。

Posted byブクログ