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イスラム国とは何か の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2019/10/27

これは考えさせられる書籍だった。 常岡さんは日本人のイスラム教徒で、中東のイスラム国だったりあちこちで取材をしている。2009年〜2015年あたりの話だった。私自身はその当時ニュースでは見ていたけれど中東で怖いことが起こっているという認識だった為、色々なグループがあり、それぞれ信...

これは考えさせられる書籍だった。 常岡さんは日本人のイスラム教徒で、中東のイスラム国だったりあちこちで取材をしている。2009年〜2015年あたりの話だった。私自身はその当時ニュースでは見ていたけれど中東で怖いことが起こっているという認識だった為、色々なグループがあり、それぞれ信念を持っていること、イスラム教の中でも派閥が分かれること…。知らないことばかりだった。アメリカが下手に空爆を始めたことで反米感情が高まったことも知らなかった。 私はまず、知ることから始めなければと切に感じた。

Posted byブクログ

2017/08/20

今では報道でもISISかISILと呼称されるようになったイスラム国。 日本人2人の拘束・殺害事件から日本でも俄かに注目度が高く なった。 新刊書店へ行けばISIS関連の著作がいくつか平積みになっている。 どれを読めばいいか迷っていたところで、本書が発行された。なの で、私として...

今では報道でもISISかISILと呼称されるようになったイスラム国。 日本人2人の拘束・殺害事件から日本でも俄かに注目度が高く なった。 新刊書店へ行けばISIS関連の著作がいくつか平積みになっている。 どれを読めばいいか迷っていたところで、本書が発行された。なの で、私としては珍しく「超」最新刊を選んだ。 なんといっても著者が、というか語り手が常岡浩介氏である。昨年 の北大生イスラム国参戦疑惑で公安警察に関係先として家宅捜査を された常岡氏である。私戦予備罪で「容疑者」になった常岡氏で ある。 そして、何よりもISIS支配地域に3度も入っているジャーナリスト なのである。ISISに拘束されたジャーナリストはいるが、取材して 帰国しているのである。これだけで貴重な証言でしょう。 ISISの分析・解説が非常に分かり易く語られている。これは高校生 くらいから読んでもらいたい。だって、そもそもの原因はシリアの アサド政権による自国民の虐殺から始まる内戦でしょう。 最近の報道じゃシリアの政府軍による虐殺よりも、「ISIS、怖い、 酷い」になっているもの。 実は地上戦になったらISISは弱いらしい。シリア政府軍に抵抗して いた自由シリア軍が支配下に置いた地域をかすめ取ってるだけだ とか。そんな弱いISISのなかでも、チェチェン人部隊は強いらしい が。 そりゃそうだろうな。ロシア軍と闘って来た人たちが、ISISに参加 しているんだものな。そして、このチェチェン人たちにパイプが あることと、日本人のイスラム教徒であることが常岡氏の強み なんだろうな。 ISISの支配地域に入っても拘束されないどころか、ISISの司令官 から「湯川の裁判やるから通訳として来てくれない?」って連絡 が来ちゃうんだもの。 もし、ISISに対するアメリカ軍の空爆がなければ湯川氏は無事、 帰国できたのかもしれない。そうであれば、後藤健二氏がシリア へ渡ることもなかったのかもしれない。 起きてしまったことに「もし」は禁句なんだけどね。本書を読んで いるとどうしてもそう思ってしまう。そして、安倍晋三がカイロで 行った演説のなかで外務省の原案にはなかったと言われる「イスラム 国と戦う国々に対し…」と言う文言。 ISISにとっては日本の宣戦布告と受け取ったのかもしれない。 日本から遠い中東ではなるが、中東の人々は日本に親しみを感じて いると言う。だから、アメリカに追随することなく日本独自の 人道支援が出来るのではないかと本書は締めくくっている。 以前、集団的自衛権を取り上げたテレビ番組を観ていた時、イラク の人たちへのインタビューが流れていた。「日本の自衛隊はイラク 人に銃を向けなかった」と、自衛隊への信頼を語っていた。 もし、今回の日本人拘束・殺害事件を自衛隊の海外派兵への口実 にするようなことがあったら、中東での日本への信頼も薄らぐの ではないだろうか。 しかし、中東への知識が薄いと我ながら痛感したわ。もっと勉強 しなくちゃだわ。中東と言うか、もっとイスラム世界を理解しな ければ。 それにしても…だ。シリア政府軍の樽爆弾、怖すぎだわ。

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2017/05/14

実にたくさんのところに行き、たくさんのことを経験したのか。その中から導き出された言葉なのか。ということがよくわかるインタビュー集。それだけに一つ一つの言葉が実に重いし説得力がある。現場をたずね、そこにいる人たちに寄り添ってみることが出来ない安倍晋三氏の空虚でまるで説得力のない言葉...

実にたくさんのところに行き、たくさんのことを経験したのか。その中から導き出された言葉なのか。ということがよくわかるインタビュー集。それだけに一つ一つの言葉が実に重いし説得力がある。現場をたずね、そこにいる人たちに寄り添ってみることが出来ない安倍晋三氏の空虚でまるで説得力のない言葉の軽さとは対極にある。 勿体ないのが、彼がいつまでたっても自分のことを自分の言葉として書けないこと。体験し考えるという技能とまとまりのある言葉を紡ぎ出していくという行為はまったく別物ということなんだろうか。ツイッターで人とケンカしているヒマがあったら自分で書けばいいのにといつも思う。

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2016/02/09

イスラーム国の前身組織も含めて3回取材してるジャーナリストへのインタビュー形式で読みやすい。 イスラーム国がシリア政府軍とはまともに闘わずズルいやり方で領土を広げてるとか、理念だなんだより実利を優先してて、残虐行為を戦略的にやるのはサダムフセインの残党が中心にいるからとか、イスラ...

イスラーム国の前身組織も含めて3回取材してるジャーナリストへのインタビュー形式で読みやすい。 イスラーム国がシリア政府軍とはまともに闘わずズルいやり方で領土を広げてるとか、理念だなんだより実利を優先してて、残虐行為を戦略的にやるのはサダムフセインの残党が中心にいるからとか、イスラーム国よりアサド政権のほうがよっぽど悪いとか、イスラームの各派について復習できたり勉強になった。米国がまた犯してしまった中東政策の過ち、そして集団的自衛権の行使が可能となった日本はこれからどうなんのか。

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2015/06/16

 「イスラム国」支配領域内に3度にわたって直接取材したイスラム教徒ジャーナリストへのインタビュー。「イスラム国」内の生活状況や外国人「義勇」兵の実態を伝える証言として他にはない希少価値がある。特に一般に中東研究者が洗練され巧妙と評することの多い「イスラム国」のメディア戦略について...

 「イスラム国」支配領域内に3度にわたって直接取材したイスラム教徒ジャーナリストへのインタビュー。「イスラム国」内の生活状況や外国人「義勇」兵の実態を伝える証言として他にはない希少価値がある。特に一般に中東研究者が洗練され巧妙と評することの多い「イスラム国」のメディア戦略について否定的評価を与えている点は興味深い。  国際政治の分析については、「異教徒」の攻撃がイスラム教徒を「聖戦」に走らせ、混乱を拡大するとする一方で、アメリカがアサド政権打倒の軍事行動を起こすべきと主張するなど、シリア反体制派への過剰な肩入れに起因する矛盾や恣意的な解釈が目立ち注意を要する。

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2015/06/04

インタビュー形式 流れと大枠を掴むのに大変役に立つ書 多くの頭脳を抱える大国アメリカは何故誤るのか 結局は最終決定者に問題かな

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2015/05/10

政治学者、ムスリム、宗教学者、ジャーナリスト、そこに住んでいた人・・・・・それぞれの立ち位置から見えるイスラム国の像はそれぞれに違っている。

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2015/05/07

現場の貴重な声。 イスラム教徒である常岡さんならではの考察。 今起きていることへの理解を深める貴重な一冊だ。

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2015/04/24

クルド人に力を与えすぎると、独立機運をあおって、イラクが崩壊してしまうという懸念から、欧米は支援に及び腰。戦車や重火器をたくさん備えたイスラム国に対抗するうえで、クルドにとって一番効果的な武器がすないぱーライフル。。

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2015/02/17

常岡さんは、 昨夏の北海道大生のイスラム国への参加騒動の際、 なんだか、胡散臭ぃ人のレッテルが貼られまして、 ボクも、報道のまんまの印象を持っていました…。 でも…、 先日、『週刊リテラシー』にゲスト出演された際、 とても、的を射た鋭ぃコメントをされていたので、 食わず嫌ぃは損...

常岡さんは、 昨夏の北海道大生のイスラム国への参加騒動の際、 なんだか、胡散臭ぃ人のレッテルが貼られまして、 ボクも、報道のまんまの印象を持っていました…。 でも…、 先日、『週刊リテラシー』にゲスト出演された際、 とても、的を射た鋭ぃコメントをされていたので、 食わず嫌ぃは損だな~と、本書を読んでみました。 構成は、対談形式で、複雑なお話がなぃ反面、 多少の予備知識は、あった方がよぃでそぅ…。 現状で、 イスラム国を直接取材できたジャーナリストは、 ほとんどいなぃため、イスラム国関連の書籍も、 大学やシンクタンクの研究者の方が書かれた、 実態はベールに包まれている調の内容ですが…、 常岡さんは、イスラム国の創成期から昨年まで、 3回にわたって、直接、現地取材を行っており、 (ゆえに、公安にマークされてしまったのだが) 直に見て、話して、聞いたイスラム国の印象は、 報道されているものとは、少し違ったかも…?? 常岡さんの論点は…、 ===== 「アラブの春」(2011年3月)以降、 シリアのアサド政権による自国民の大量虐殺は、 20数万人を超えていると言われ、その一方で、 イスラム国によるシリア国民の殺害は、数千人。 問題の元凶、根本は、 シリアの「アサド政権」にある…といぅもの。 (シリアに侵攻した)イスラム国は、元々は、 アサド政権と反政府勢力との内戦に便乗した、 火事場泥棒?のよぅな存在であったに過ぎず、 リビアの内戦に有志国が介入したのと同様に、 早期に、アメリカが、シリアに軍事介入して、 アサド政権を打倒していれば、問題なかった。 しかし、オバマ大統領は、 アフガン、イラクの戦争を収拾するとの公約にて 大統領に当選し、イラクから軍を撤退した手前、 イラクやシリアへの軍事介入にためらった結果、 ぐずぐずしている間に、イスラム国が台頭した。 でも…、そもそも、イスラム国は、 昨年9月に、アメリカがイラクを空爆するまでは、 一度も、アメリカを攻撃するなんて言ってなぃし、 世界中でテロを起こせ!などとも言ってなかった。 本当に攻めるべき相手は、アサド政権だったのに、 イスラム国は、アメリカにテロをすると妄信?し、 イスラム国を攻めて、自分で「反米」構図にして、 テロの脅威が、世界中に飛び火した…といぅもの。 結局のところ、オバマの分析力と決断力のなさが、 最悪のスパイラルの原因だった…といぅことかな? ===== 昨年12月から今年1月にかけて、多くの、 イスラム国関連の書籍が発刊されていますが…、 恐らく、皆さん、2014年までの総括として、 取りまとめられていたところが、今年に入って、 フランスのシャルリー・エブド襲撃事件があり、 そして、衝撃的な日本人人質殺害事件が起こり、 期せずして、話題になっていったのでそぅが…、 ただ、 情報のアップデートは、2014年末なので…、 本書でも、 親日国の多ぃ中東での問題解決には、 今こそ「日本」の人道的役割が重要! との内容にて締めくくられており…、 専門家の方にとっても、今の状況は、 異常なまでの急変だったのでそぅ…。 その状況の変化の大きさと速さを鑑みると…、 やはり、 安倍総理のスピーチにも問題があったのでは? とも思いました…。 本書は、他のイスラム国関連の書籍のよぅな、 分析結果ではなく、生の取材情報を記しており、 それらの書籍で得た知識を消化、吸収するには、 とても、興味深ぃ内容だったと思います。

Posted byブクログ