1,800円以上の注文で送料無料

桜の首飾り の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/04/21

桜モチーフの短編が七つ入った1冊。 千早茜作品は幻想入り交ざるような思いと生活がとても好きで、本作もその行き来が心地よかったです。儚さ、日本の風景、身近な桜の様々な要素が人々の記憶や一瞬の風景に結びついて、描かれていきます。 決して答えを出してくれるわけではない物語。読み手によっ...

桜モチーフの短編が七つ入った1冊。 千早茜作品は幻想入り交ざるような思いと生活がとても好きで、本作もその行き来が心地よかったです。儚さ、日本の風景、身近な桜の様々な要素が人々の記憶や一瞬の風景に結びついて、描かれていきます。 決して答えを出してくれるわけではない物語。読み手によって色を変えるような短編は淡さも感じますが、心地よい余韻とともに残る感覚がありました。 どの短編も正直好みですが、「春の狐憑き」「白い破片」「初花」「樺の秘色」が特に好きでした。 何度でも読みたくなります。

Posted byブクログ

2022/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

7編、桜がモチーフでありながら、趣きが様々で面白い。 文章もとても綺麗で、それぞれに桜のイメージが湧いた。色彩豊かというよりもモノクロのシーンに時々、色がつくような感じだった。 好きなのは『エリクシール』『背中』

Posted byブクログ

2021/04/07

桜にまつわる7つの短編物語。ここで千早茜さんの書く物語は多くの人が求める涙と感動という類なものではなくて、むしろ世の中で生きにくさを感じているような人々に焦点をあててその心の中のありのままを、桜のモチーフに重ね合わせて書き上げているような印象がしました。 昼間の桜と夜の桜、青い空...

桜にまつわる7つの短編物語。ここで千早茜さんの書く物語は多くの人が求める涙と感動という類なものではなくて、むしろ世の中で生きにくさを感じているような人々に焦点をあててその心の中のありのままを、桜のモチーフに重ね合わせて書き上げているような印象がしました。 昼間の桜と夜の桜、青い空の下で穏やかに咲く桜と雨にうたれて冷たく花弁を散らしながら咲く桜は皆印象が違いますが、そんな違いをより繊細に感じ分けて書いているような気がしました。桜の季節に読めて(終わりに近かったですが)とても良かったです。どこか妙で現実離れしているようだけどじわじわと心に染みてくるこういうお話を、私はもっと読みたいのだな、と改めて感じました。

Posted byブクログ

2021/03/01

桜をテーマにした短編集。 それぞれ独立した話ですが、内に秘められたほのかな色香や静謐さが漂う雰囲気が共通の素敵な作品でした。

Posted byブクログ

2021/01/19

何の繋がりも無い短編集かと思いきや、最初の章で出てくる桜が有名な美術館が登場するので、もしかしたら同じ街の出来事なのかもしれない… 「エリクシール」、死別した奥さんと同じ格好を今の奥さんにさせる描写があって、めちゃくちゃ胸糞悪かった…

Posted byブクログ

2020/05/12

桜の季節だけどお花見できないなと思って3月の終わりに読んだ。この人の作品は憂鬱な気持ちのときにこそ読みたい。どの作品も憂鬱なときにも読める静けさがあって、さらっと読めるのに響く文章があって、救いや希望というほど華々しく明るい終わりではないのに読み終えると、「んー、しかたないな、低...

桜の季節だけどお花見できないなと思って3月の終わりに読んだ。この人の作品は憂鬱な気持ちのときにこそ読みたい。どの作品も憂鬱なときにも読める静けさがあって、さらっと読めるのに響く文章があって、救いや希望というほど華々しく明るい終わりではないのに読み終えると、「んー、しかたないな、低空飛行ながらもやってくしかねーよなー、ふー」という気持ちになる。不思議だわ。

Posted byブクログ

2020/07/23

桜にまつわるショートストーリー。 切なく儚げでかわいい桜。 大好きな人と毎年心穏やかにみれたら幸せだろうな。 話は恋愛もののご都合主義感があって、つらい気持ちになった。

Posted byブクログ

2019/05/08

面白かったです。 身近で桜が見られる季節は過ぎましたが、作中で咲き誇り舞い散る桜がありありと思い起こされます。 お話は苦いものが多かったですが、「エリクシール」「花荒れ」が好きでした。 人が完全にわかり合うことはできない。でも、綺麗なもの素敵なもの、心が動いたときは伝えていきたい...

面白かったです。 身近で桜が見られる季節は過ぎましたが、作中で咲き誇り舞い散る桜がありありと思い起こされます。 お話は苦いものが多かったですが、「エリクシール」「花荒れ」が好きでした。 人が完全にわかり合うことはできない。でも、綺麗なもの素敵なもの、心が動いたときは伝えていきたいなと思います。

Posted byブクログ

2019/04/28

「犬も食わない」で千早茜さんの文章がとても好きになり、4月ということもあり本書を手に取りました。 彼女が選ぶ言葉の数々が非常に好きです。 誰でも抱えているだろうちょっとした”何か”を選ぶ視点、それを優しく包み込むような描き方、全てに救いが感じられる着地点。 あとがきを読み、さらに...

「犬も食わない」で千早茜さんの文章がとても好きになり、4月ということもあり本書を手に取りました。 彼女が選ぶ言葉の数々が非常に好きです。 誰でも抱えているだろうちょっとした”何か”を選ぶ視点、それを優しく包み込むような描き方、全てに救いが感じられる着地点。 あとがきを読み、さらに好きになりました。

Posted byブクログ

2018/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

桜で繋がる短編集。 千早さんらしく、ちょっと変わっていて厄介な問題を抱えている人達の7つの物語。 特に『花荒れ』が印象深い。 桜はずるい。 あっという間に消えてしまうくせに、人を惹き付けて止まない。 毎年春になれば咲くと誰もが知っているのに、いつだって桜を見る度に目も心も奪われ切ない想いが込み上げる。 春先のちょっと肌寒い季節、桜に誘われて出逢う人達。 ぼんやり淡く漂う空気感がそんな迷える人達を一瞬で惑わす。 けれどどの短編もラストはほんのり明るい。 「桜」の不思議なパワーが人と人を繋ぎ合わせる。 「あとがき」にあった、アフリカのザンビアで千早さんが見たという紫色の桜が見てみたくなった。

Posted byブクログ