朝日新聞 の商品レビュー
鮫島浩著『朝日新聞政治部』を読み終えたので、内容的に重なるところがある本書を再読。鮫島氏の本は、東京電力福島第一原子力発電所の吉田所長(故人)に関する、吉田調書問題を当事者の視点から描いている。こちらの『朝日新聞』の方は、同じ社内の、別の視点から描いている。当然、吉田調書問題の見...
鮫島浩著『朝日新聞政治部』を読み終えたので、内容的に重なるところがある本書を再読。鮫島氏の本は、東京電力福島第一原子力発電所の吉田所長(故人)に関する、吉田調書問題を当事者の視点から描いている。こちらの『朝日新聞』の方は、同じ社内の、別の視点から描いている。当然、吉田調書問題の見方が異なる。鮫島氏の方は、問題は大きくなかった、書き方の問題だったと捉えているようだが、『朝日新聞』の方は、そもそも、大スクープになるようなネタではなかったという視点に立っている。両方、読み比べて、後者の方が説得力があるように見えた。当事者へのインタビューがなかったことを後者では問題視しているが、それもその通りだと思った。 両書を読んで思うのは、きちんとしたプロセスを踏めば、あれほど大ごとにならなかった筈だということだ。 「これはスクープなんだ」「大ヒットになる」と考えるのは良いが、どこかで冷静な視点を持たねばならない。そして、冷静な視点で見る仕組みを作らねばならない。 週刊新潮でも数年前、いやもっと前か、殺人事件の真犯人だと名乗る服役中の人物の告白記事を載せ、後に誤報だったと取り消した。 やはり、スクープや大ヒットを狙うばかりに、冷静な視点を欠くと間違いが起こりやすい。メディアばかりではない。 大幸薬品のクレベリンに対して、消費者庁から景品表示法違反の処置命令が出された。要するに、書かれているような効用がないということだ。これなども、指摘される前に気づかなかったのだろうか。もっと前から雑誌で指摘されていたことだ。コロナ禍にあって、たくさん売れてもう止められなかったということかもしれないが、それがかえって、会社に損害を与えるのだ。 多くの会社が教訓とすべきだろう。
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2014年に批判の的となった「従軍慰安婦」と「吉田調書」の捏造問題をきっかけに「偏向新聞」「捏造のオンパレード」「朝鮮日報」など、最近ではその反日かつ中朝寄りの報道姿勢によって叩かれまくりの朝日新聞。本書は同社の記者チームによる朝日再生への提言かと期待したが、その内容は批判に見せ...
2014年に批判の的となった「従軍慰安婦」と「吉田調書」の捏造問題をきっかけに「偏向新聞」「捏造のオンパレード」「朝鮮日報」など、最近ではその反日かつ中朝寄りの報道姿勢によって叩かれまくりの朝日新聞。本書は同社の記者チームによる朝日再生への提言かと期待したが、その内容は批判に見せかけた擁護に終始するのみで、これが「朝日的」というものかと納得。すでに報道機関としての名声は地に落ち、不動産の賃貸で日銭を稼いでる朝日に対しては、同社の記者でさえも新聞社としての復活は期待していない様子だが、真摯なジャーナリストを目指して頑張っている方々から見れば、ストレスの溜まる内容。
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朝日の記事は結論ありきで『不都合な真実』が黙殺されたり、意図的に曲解したりする傾向が目に余る。そして自分だけは絶対的に正しいという驕りも相当なものである。慰安婦や吉田調書の問題もそんな体質に根ざしていることは明らかだが、結論ありきの姿勢や選民意識は創業からの朝日の体質であって、こ...
朝日の記事は結論ありきで『不都合な真実』が黙殺されたり、意図的に曲解したりする傾向が目に余る。そして自分だけは絶対的に正しいという驕りも相当なものである。慰安婦や吉田調書の問題もそんな体質に根ざしていることは明らかだが、結論ありきの姿勢や選民意識は創業からの朝日の体質であって、ここ数十年の変化ではないように思う。大正時代、ありもしない米の買い占めを捏造して神戸米騒動を扇動したのも大阪朝日だ。 副題に『日本型組織』とあるように、ここに書かれている官僚主義とか権力闘争というのは、一定以上の規模の会社ならどこにでもあるものだ。読んでいる途中で自社のことが書かれているのかと錯覚したほどだ。皮肉にも大企業に批判的で大衆の見方を気取っていた朝日新聞自身が大企業に成長し、看板にしていた大衆寄りの論調と、『日本型組織』に由来する官僚主義的行動との整合性が取れなくなった事が遠因ではなかろうか。 あれだけ消費増税を社説でぶっておきながら、政治力を使って新聞だけは軽減税率を適用させた欺瞞を見る限り、紙面と行動の整合性を取る気は毛頭ないように見える。 そうは言いつつも自分で新聞を購読し始めてから20年以上朝日一筋であり、アエラも創刊号から購読していた筋金入りの朝日シンパとしては、偏向してもいいから謙虚で正直な報道機関への改心を期待したい。(アエラは内容が大きく変質したので10年前に購読をやめたが。)
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今日決戦投票のフランス大統領選挙ではポストトゥルースとかフェイクニュースとか既存メディアに対する反発が溢れ出し、そのバズワードの端緒であるアメリカでは大統領が記者夕食会を欠席するという前代未聞の出来事が起こり、メディアと権力、メディアと社会の関係が今まで通りではない、という世界的...
今日決戦投票のフランス大統領選挙ではポストトゥルースとかフェイクニュースとか既存メディアに対する反発が溢れ出し、そのバズワードの端緒であるアメリカでは大統領が記者夕食会を欠席するという前代未聞の出来事が起こり、メディアと権力、メディアと社会の関係が今まで通りではない、という世界的状況の中で、日本の言論の中心であった朝日新聞がどんな危機に直面しているか?を知りたくて本書を開きました。内部の有志によって書かれた文春新書でありながら、社内権力闘争による内部情報の漏洩を批判するという矛盾を感じるところもあるのですが、いかにしてこのような状態になったのか?を理解するのには、なるほど…と思うプロセスが整理されています。視点は組織文化の官僚化ということなのですが、ただエスタブリッシュメントとしての新聞パワーを存分に発揮してきた朝日新聞だからこその、社会からの遊離ということも感じ、本書では指摘されていませんが、世界的な潮流とのシンクロニシティなのでは、とも思いました。電車の中で読了したのですが、その時同じ車両にだれも新聞開いている人はいませんでした。
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三大スキャンダルで表出した朝日新聞の問題は、左翼的イデオロギーではなく、企業構造にある。硬直化した官僚主義、記者達の自尊心と自己保身、エリート主義、減点主義の時事評価システム、派閥、無謬神話、上意下達の日常化など、日本的な組織の病。 朝日は、賃貸業で財政は健全‥だからあまり強い...
三大スキャンダルで表出した朝日新聞の問題は、左翼的イデオロギーではなく、企業構造にある。硬直化した官僚主義、記者達の自尊心と自己保身、エリート主義、減点主義の時事評価システム、派閥、無謬神話、上意下達の日常化など、日本的な組織の病。 朝日は、賃貸業で財政は健全‥だからあまり強い危機感をもたずに済んだからなのかも。
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朝日新聞の記者有志による内部告発的新書。従軍慰安婦問題、池上彰問題、サンゴ礁自作自演問題。すべては、朝日新聞の内部構造に端を発する、と。いまも内部に居続ける人たちの文章だけあって、スタンスが中途半端。思い切り叩くのでもなく、未来を見据えるのでもなく。最後は数字の話で終わり、煙に巻...
朝日新聞の記者有志による内部告発的新書。従軍慰安婦問題、池上彰問題、サンゴ礁自作自演問題。すべては、朝日新聞の内部構造に端を発する、と。いまも内部に居続ける人たちの文章だけあって、スタンスが中途半端。思い切り叩くのでもなく、未来を見据えるのでもなく。最後は数字の話で終わり、煙に巻かれた感じ。読後感として残るのは、朝日新聞へのちょっとした失望感でした。
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福島原発、慰安婦問題を題材に、朝日新聞に蔓延する官僚体質、事勿れ主義を断罪。朝日新聞のみならずすべての企業が組織であれば陥る性にあるため、すべての企業において全うな経営がなされることを願て已まない。
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文中で名を明かしているのはOB一人。筆者が有志と書かれているが、さほど多い人数で書かれるとは思えない。劣化している大新聞社の話。本によると、「普通の会社」を目指した何代目か前の社長時代にボタンの掛け違いが始まったようにうかがえる。
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二つの誤報と掲載拒否騒動という昨年の三大スキャンダル。その背景を,内部から匿名で,しかし真摯に書いている好著。 本質は朝日特有の左翼イデオロギーではなく,企業構造にある。元凶は朝日新聞の「日本的体質」である。そういう,現場の記者にとってはごく当然ながら,外部からはなかなか理解され...
二つの誤報と掲載拒否騒動という昨年の三大スキャンダル。その背景を,内部から匿名で,しかし真摯に書いている好著。 本質は朝日特有の左翼イデオロギーではなく,企業構造にある。元凶は朝日新聞の「日本的体質」である。そういう,現場の記者にとってはごく当然ながら,外部からはなかなか理解されにくい実情を,細かい状況証拠を多数積み上げて論証していく。なかなか説得力がある。記者達の間にはびこるエリート意識,人事を過度に重視する風潮,誤報を認めて訂正することの困難性,内部の派閥や権力闘争,そのために行なわれる内部情報漏洩等のモラルハザード,空回りする改革…。要するにひたすら内向きな,それでいて外に対しては権威主義的な,そういう企業体質が背景にあって,それが紙面にも大きな悪影響を発揮していた。 こういう風土は大企業につきものではある。朝日新聞もそれを連綿と保っていて,2014年にそれが思いきり露呈されたということなんだろう。批判が渦巻いて大きな問題になったのは,社会的に重要な使命をもつ報道機関というのが大きかった。こういう事例を教訓に,日本社会が変わっていくきっかけになれば良いのだけれど。 追記: 朝日新聞が慰安婦問題特集を仕掛けたのが,8/5だったことの必然性は本書を読むまで知らなかった。 反朝日の『週刊文春』と『週刊新潮』の増刊号の発行日に間に合わないようにするためだったそうだ。なるほど腑に落ちた。 そんなタイミングなど全然意味ない結果になるのだが。
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