男性漂流 の商品レビュー
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これはいい。中年男性の結婚・育児・介護・老い・仕事への恐怖を、長期間の丹念な調査で普通の個人の問題として浮き彫りにする。統計を語る部分が逆に薄っぺらく思えるくらい、人によっては10年以上も追跡されている男性陣のインタビューが面白い。その魅力は、おそらく「はじめに」の2行目で「いまだ独身の中年女性」と言い切り、自らの境遇も赤裸々に語る筆者自身から滲み出ている。どこにも辿り着く気配のない漂流だが、この筆者の本なら今後も当事者の一人としてお付き合いしたい。
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結婚、育児、老親介護、みずからの老い、リストラ……働き盛りの中年男性はみんな、「こわがっている」。けっして予定通りにはいかない人生の悲哀。男であるがゆえに、周囲に弱みを見せられず、すべてを自己責任にされ、誰にも本当の想いを打ち明けられず、孤立し、懊悩する中年男性たち。10年にわた...
結婚、育児、老親介護、みずからの老い、リストラ……働き盛りの中年男性はみんな、「こわがっている」。けっして予定通りにはいかない人生の悲哀。男であるがゆえに、周囲に弱みを見せられず、すべてを自己責任にされ、誰にも本当の想いを打ち明けられず、孤立し、懊悩する中年男性たち。10年にわたり“異なる性”として男性たちに密着してきた女性記者がその先に見るものとは──。日本社会がリアルに抱えるリスクを炙り出す!
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女性も男性も 生きるということは大変。。 イクメンは、確かに なんつーか、働き盛りの男性に 育児までやらせようとするのは 無理だと思う。。 まあだから少子化になってんだろうけど。
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どれもどこかで見たり聞いたりしたようなありきたりな話ではあるのだが、10年間で200人程度取材し、付き合いの続いた人のドキュメンタリーであるという点に人間模様が感じられ、物語性がある点が興味深い。でも基本的には連絡を取り続ける事ができた男たちのハッピーエンド的な話が多く、連絡が取...
どれもどこかで見たり聞いたりしたようなありきたりな話ではあるのだが、10年間で200人程度取材し、付き合いの続いた人のドキュメンタリーであるという点に人間模様が感じられ、物語性がある点が興味深い。でも基本的には連絡を取り続ける事ができた男たちのハッピーエンド的な話が多く、連絡が取れなくなった男たちにこそリアルで厳しい現実があるのだろうと思う。 これらの話がマジョリティーとは思えないが、統計データから増えつつある事例である事は確かなのだろう。幸い自分は遭遇してこなかった世界ではあるが、老いと介護の問題はこれから来るのかもしれないので、その辺の覚悟はしておこうかと。
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この社会では、誰もが各々の人生で複数の役割=「顔」を持たされ、それぞれに理想像をあてがわれてそれとのギャップを埋めるように要求される。おそらく、中年男性というのは社会的に最も多くの顔を持つことが要求されるクラスなのだろう。単なる会社員、単なる父親、単なる「男」として単純な生を生き...
この社会では、誰もが各々の人生で複数の役割=「顔」を持たされ、それぞれに理想像をあてがわれてそれとのギャップを埋めるように要求される。おそらく、中年男性というのは社会的に最も多くの顔を持つことが要求されるクラスなのだろう。単なる会社員、単なる父親、単なる「男」として単純な生を生きるのは極めて困難なことのようだ。 残念なのは、著者が彼らに何故ここまで入れ込むのかが今ひとつ見えないこと。著者自身大変に感受性高く魅力的な人物に思えるが、何らかの自身のアネクドーツが挿入されていたりするとより説得力が増すのではと思えた。
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P97 父親が積極的に子育てに関与すること自体は、子供にとっても、母親にとっても望ましいことだ。しかしながら、仕事のパワーゲームで常に勝者であることを欲してきた男というものはとかく、競争原理にとらわれやすい。そうして、父親たちはわが子の育児、教育についても他者との比較による優劣や...
P97 父親が積極的に子育てに関与すること自体は、子供にとっても、母親にとっても望ましいことだ。しかしながら、仕事のパワーゲームで常に勝者であることを欲してきた男というものはとかく、競争原理にとらわれやすい。そうして、父親たちはわが子の育児、教育についても他者との比較による優劣や勝ち負けに過敏になってしまう。 P178 健康を取り戻すだけでは物足りず、下半身の復活、さらなる強化によって若さを取り返したいと欲する男たちがこれほどまでに多いことをインタビューで痛感。 婚活、子育て、老い、リストラにおびえる男たち。
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色々な男性が登場して面白かったですね! 思ったのは皆さん「男として…」みたいな考えが根強いということです。男女平等と言うのか、男と女の境目がどんどん曖昧なものになってきている…と僕は現実社会を生きていて感ずるのですけれども、それでも! やはり男たちは「男として…」みたいな考えに縛...
色々な男性が登場して面白かったですね! 思ったのは皆さん「男として…」みたいな考えが根強いということです。男女平等と言うのか、男と女の境目がどんどん曖昧なものになってきている…と僕は現実社会を生きていて感ずるのですけれども、それでも! やはり男たちは「男として…」みたいな考えに縛られているのですなぁ…社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー そういった考えに縛られるのは非常に息苦しいと思うんですけれども…でもまあ、そうした考えとかないと「一家の大黒柱」みたいにはなれないのかニャー…とも思いました。個人的には大黒柱が女性でもいいと思うんですけれどもね… ←え?? 社畜死ね!! ヽ(・ω・)/ズコー この先も男たちはずっとこのやうな考えに縛られて生きていくんかなぁ…と思うと僕ちん、非常に息苦しい、人生とは辛くて苦しいものだ…なんて達観してしまいそうにもなりますけれども、どうなんでしょうかねぇ… しかし「一家の大黒柱」になろうとも雇用情勢はますます悪化していてたとえ正社員でも油断できない…みたいな状況だと思うんですけれども、果たして男の行く道は… 幸あれ! とは思いますねぇ…無責任人間の発言ですけれどもね…さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー
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とある書評を読んで思うところがあり、購入。 ”ミドルエイジ”というのが一体どの世代を指すのかというのはさておき、結婚、育児、介護、老い、仕事など、中年(=ミドルエイジ)男性に直面するさまざまな不安要素とそれによる内面の崩壊、再生(諦観なども含む)だとかを1人1人丁寧にインタビューを重ねてルポ化したもの…の模様。 まだ全部読んでないので読んだらまた更新します。 ************ 読後…。 うーん…。思うところと「ここは突っ込んでもらいたかった」とか、取材の対象者にフラットな立場にいるんだろうかとか…。また、男性読者と女性読者では視点も違うので何とも言えないけれど。 丹念な取材と、男性を救ったのが何であるか、何であったかという点を掘り下げた部分については、すっごく評価できるものであった。と思う。 また、これからの生活にも参考になりうる内容だと思った。
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