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絶唱 の商品レビュー

3.6

196件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    71

  3. 3つ

    67

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    2

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2015/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

トンガを舞台に日本で傷ついた女性たちが再生する連作集。 「楽園」 「約束」 「太陽」 「絶唱」 の4編収録。 特に「楽園」と「太陽」は見事に対をなす作品で、この2作だけなら星五つです。 「約束」は「楽園」の原点を物語るお話ですが、阪神淡路大震災が絡まない点が連作としての一貫性が足りない感じがしました。 「絶唱」は〆の作品として、ラストは感涙ものですが、連作の流れとしては楽屋落ち的な感じもしました。 一作づつはそこそこの完成度ですし、このところのミステリーではない作品での健闘は称賛しますが、連作としてまとまり切っていないことが残念で、ミステリーから脱皮するのにあと一歩と思いました。

Posted byブクログ

2015/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初読。図書館。温かい方の湊さんの阪神淡路大震災にまつわる連作短編集。全体的には温かいのだけれど、「楽園」の毬絵と雪絵の母親も、「約束」の理恵子の恋人の宗一も、じわじわとコワい。表題の「絶唱」があることで、全体がずっしりと重みを持って迫ってくる。最後の2ページで泣けました。白い湊さんは不評で黒い湊さんを待ち望む声も多いけど、個人的には白い湊さんもだんだんよくなってきて、嫌いじゃない。

Posted byブクログ

2015/02/06

湊かなえさんという感じがしない作品だった。 震災から20年。 そこで感じた問題や日々感じている問題は自分の中で整理していくしかないのだろう。 トンガ、素敵なところなんだろうな。 暖かく人も優しく、セカセカしていない場所なら、色々なことをゆっくりと考えられそう。

Posted byブクログ

2015/02/05

阪神淡路大震災の傷とトンガでの救済をテーマにした短編集。共通する登場人物がいるので、連作っぽいイメージ。 この作者特有の読後に感じる毒がない。 救われるストーリーばかりなので、安心して読める。

Posted byブクログ

2015/02/05

絶唱は実話なのかな。生きていることさえ罪に思わせてしまう、あの日の出来事。私達が思っている20年と、重さが全く違うのだろう。発行日が、1/17になっていることにまた、なんだか胸があつくなった。私は好きです!!

Posted byブクログ

2015/01/28

阪神淡路大震災によって絶望を経験した人々が、それぞれの理由からトンガ王国に渡り、絶望や死と向き合いつつも、トンガの景色、住む人々、教会での祈りを経て、次なる一歩に踏み出す連作短編集。 それぞれにかなりしんどい。特にタイトル作である「絶唱」は読み続けられず思わず深呼吸してしまうく...

阪神淡路大震災によって絶望を経験した人々が、それぞれの理由からトンガ王国に渡り、絶望や死と向き合いつつも、トンガの景色、住む人々、教会での祈りを経て、次なる一歩に踏み出す連作短編集。 それぞれにかなりしんどい。特にタイトル作である「絶唱」は読み続けられず思わず深呼吸してしまうくらいにつらい。しかも、それをつらいといえる立場にないから身の置き場をなくす。 それでも、トンガに住む日本人の尚美さんの懐の深さ、楽園のような景色、トンガにおける死生観は救い。 この小説に出てきたすべての登場人物が、ここから先、これ以上悪いことに出会わないように祈りたくなる。

Posted byブクログ