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福島第一原発事故 7つの謎 の商品レビュー

4.6

13件のお客様レビュー

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2015/03/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

NHKスペシャルの内容を書籍化したもの。7つの謎とは以下のようなものです。 1号機の冷却機能喪失がなぜ見逃されたか(とにかく想定外だったうえ楽観的な観測が行われ、他の作業で総員多忙であったから) ベント実施はなぜ遅れたのか(地震と停電の影響で作業が難航したうえ放射線が強く現場に近づくことが困難だった¥から) ベントは本当に成功したのか(したようだ) 爆発しなかった2号機で放射能大量放出が起きたのは(冷却機能が奇跡的に3日も保たれたがその後ベントできず、格納容器から放射能が冷却装置を通って放出されてしまったから) 消防車が送り込んだ400トンの水はどこに消えたのか(復水器に行ってしまって原子炉内にはほとんど到達していなかった) 緊急時の減圧装置が働かなかったのはなぜか(減圧しないと緊急時に原子炉中に冷却水を入れられないが、普段は原始炉から外にガスが漏れるのは絶対ダメなので減圧処理は構造上難しくなっていた?) 格納容器が壊れたのはなぜか(想定以上の負荷がかかれば必然的に壊れる) 事故当時のテレビ映像で見た報道の裏にある事実が見えてきて興味深い。ネットでは同じ報道班が出版している「メルトダウン 連鎖の真相」のほうが評判がよいのでこちらも読んでみたい。

Posted byブクログ

2015/02/07

福島第一原発事故を時系列に説明して何が起こったのかが分かるように、かつ、分かりやすく書かれている本。NHKスペシャルで放送されたものをもとに書かれているのかな。テレビで見られなかったのが残念。と、思わせるほど、リアルに福島第一原発の現場で起きたことや復旧作業について書かれています...

福島第一原発事故を時系列に説明して何が起こったのかが分かるように、かつ、分かりやすく書かれている本。NHKスペシャルで放送されたものをもとに書かれているのかな。テレビで見られなかったのが残念。と、思わせるほど、リアルに福島第一原発の現場で起きたことや復旧作業について書かれています。読んでてリアル感があるので、読んでる方にも緊張を強いますね…。 これを読むと事故を酷くしたのは現場を無視、というか理解できなかった政府の対応の不味さも大きいのではないかしらん。この事故をより詳細に調べたら、政府の責任を問う結果になりそう。特に政府主導の放水作業実施のため、電源復旧が3月17日から20日、22日まで遅れることになり、この間に放射性物室の7割が飛散される事実から見ても、政府の責任は大きい。

Posted byブクログ

2015/01/29

NHKスペシャルとして放映された「メルトダウン」シリーズの取材班による福島第一原発事故の技術的な解説。福島第一原発の事故は政治的な側面があったり、複数の原子炉の事故が同時並行的に進行したため、非常に複雑です。 水素爆発を起こした1号機、3号機、4号機と深刻な放射性物質の拡散を発生...

NHKスペシャルとして放映された「メルトダウン」シリーズの取材班による福島第一原発事故の技術的な解説。福島第一原発の事故は政治的な側面があったり、複数の原子炉の事故が同時並行的に進行したため、非常に複雑です。 水素爆発を起こした1号機、3号機、4号機と深刻な放射性物質の拡散を発生させた2号機の各原子炉で、それぞれどのようなプロセスで事故が進行したのかを技術的な切り口で解説しています。 この手の本では事実を詳しく解説する事に傾注すると難解すぎて理解しにくく、逆に単純化し過ぎると結局何の事か良く分からないといったことが多々あります。しかし、この本は情報の正確さと分かりやすさが両立しており、新書1冊分に過不足なくまとめてあります。 NHKスペシャル取材班の「分かりやすく伝える」技量の高さに感心しました。

Posted byブクログ