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熊沢蕃山の思想冒険 の商品レビュー

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2025/11/13

熊沢蕃山の思想を、その著作の順序にそってたどり解説している本です。 著者は本書の「序論」で、これまでの蕃山研究史を振り返って、「このように先行研究を整理してみると、これまでの研究は、……その執筆年代に幅があるにもかかわらず、同一の主題のもとに史料をアトランダムに引用しているので...

熊沢蕃山の思想を、その著作の順序にそってたどり解説している本です。 著者は本書の「序論」で、これまでの蕃山研究史を振り返って、「このように先行研究を整理してみると、これまでの研究は、……その執筆年代に幅があるにもかかわらず、同一の主題のもとに史料をアトランダムに引用しているのである」と述べています。こうした従来の研究に欠如していた蕃山の思想の変遷を把握するために、本書では執筆年代順に著作の検討をおこない、そこで論じられている内容を概観しています。 蕃山の思想については、当初「気一元論」の立場にたっていたのに対し、その後朱子学の格物致知の解釈を受け入れて、「朱王折衷」の立場に移行したといわれることがあるものの、その思想の変遷過程についての詳細な検討はなされておらず、こうした問題に注目した著者の問題意識は卓抜なものだと感じます。その一方で、本書は特定のテーマにかんする思想の変遷をとらえるのではなく、たんに著作に見られる論点を整理することに終始しており、上の問題意識にもとづいて興味深い結論をみちびくまでにはいたっていないように感じられます。

Posted byブクログ