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三成の不思議なる条々 の商品レビュー

3.8

9件のお客様レビュー

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2023/08/11

関ヶ原の戦いで三成に関わった方々のそれぞれの視点や考え、そして三成の対応を物語化した小説。義理人情は大事だなぁと思った。

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2023/06/09

関ヶ原の合戦の各大名家の動きや石田三成の実像に迫る歴史小説。関ヶ原の合戦の30年後に町人が当時の関係者に話を聞いて回る体裁になっている。徳川史観の下では三成は奸臣・佞臣と貶められていた。それを覆す展開になることは読みながら予想できた。しかし、話をする人々は皆が三成の良いところを話...

関ヶ原の合戦の各大名家の動きや石田三成の実像に迫る歴史小説。関ヶ原の合戦の30年後に町人が当時の関係者に話を聞いて回る体裁になっている。徳川史観の下では三成は奸臣・佞臣と貶められていた。それを覆す展開になることは読みながら予想できた。しかし、話をする人々は皆が三成の良いところを話すものではなく、それほど単純ではない。 最後になって現在と未来につながる問題であることが明らかになる。不当に貶められた三成の実像を明らかにすることは、冤罪被害者の名誉回復と重なる。冤罪の追及は過去だけでなく、現在と未来の問題である。 三成は以下のように考えていた。「天下が定まったからには、もはや兵も不要、軍勢は減らして兵を田に返すようにするつもり」(250頁)。これは今村翔吾『八本目の槍』の三成と重なる。既得権を守りたい守旧派大名には嫌われるだろう。

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2023/05/28

葉室麟氏の「津軽双花」を読んでいたから、ラストはすごく暖かい気持ちになった(ネタバレになるか?)。石田三成と関ヶ原のことを、当時の経験者からの伝聞を「なんのために集める?」ミステリーとしても面白かったし、その経験者たちのお国言葉まるだしの話もとても興味深かった。石田三成そのものも...

葉室麟氏の「津軽双花」を読んでいたから、ラストはすごく暖かい気持ちになった(ネタバレになるか?)。石田三成と関ヶ原のことを、当時の経験者からの伝聞を「なんのために集める?」ミステリーとしても面白かったし、その経験者たちのお国言葉まるだしの話もとても興味深かった。石田三成そのものも人となりが面白かったし、その経験者たちの話も面白かった。また最初から読んでみたくなる気持ちになった。

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2022/08/03

石田三成という人の好感度が高いというのは、まぁ普通に授業受けただけよという人にはかなり少ないだろうか。偏見だろうか。 そんなあなたも、この本を読めば三成の新しい魅力を再発見、ではないだろうか。いや誰も知らない田舎の役所が考えそうなフレーズではあるが。 この本を読んでざっくりと言い...

石田三成という人の好感度が高いというのは、まぁ普通に授業受けただけよという人にはかなり少ないだろうか。偏見だろうか。 そんなあなたも、この本を読めば三成の新しい魅力を再発見、ではないだろうか。いや誰も知らない田舎の役所が考えそうなフレーズではあるが。 この本を読んでざっくりと言い切るならば、三成は仕事人なんである。あまり裏表もなく、頑固っちゃあ頑固だけど、筋は通っている。というタイプは個人的には好きなんである。でも嫌いな人もいるわけで、だから戦国時代にも色々あったんだろうけど、ね。 三成派と言われる大名が、島津とか、上杉とか、南部とか、後は島左近とか大谷吉継とか。その人の人となりを見るには友人を見ろ、とね。なんかそそられるじゃんか。

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2020/07/28

三成さんや関ヶ原の役を関係した人間に振り返っていただき、それを記録していくという流れ 私にとっては珍しいやり方で面白かった 私個人の三成さんへの印象とズレがなかったので、変に詰まらずに滑らかに読めた 文章も方言の部分で引っかかるところはあるものの、インタビューを纏めていくという...

三成さんや関ヶ原の役を関係した人間に振り返っていただき、それを記録していくという流れ 私にとっては珍しいやり方で面白かった 私個人の三成さんへの印象とズレがなかったので、変に詰まらずに滑らかに読めた 文章も方言の部分で引っかかるところはあるものの、インタビューを纏めていくというスタンス的には、より生の声を集めていっている感覚を得られるので良かったと思う

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2019/05/12

関ヶ原から30年。日本橋で筆紙の商いをしている文殊屋は、ある筋から関ヶ原はどうしておこったのか、石田三成とは、どんな人物だったのか、聞き回り、書き記すよう依頼される。 数多くの生き残りの関係者からの聞き回りという形式にて、進展していく。違う視点にて、石田三成を捉えている。 石田三...

関ヶ原から30年。日本橋で筆紙の商いをしている文殊屋は、ある筋から関ヶ原はどうしておこったのか、石田三成とは、どんな人物だったのか、聞き回り、書き記すよう依頼される。 数多くの生き残りの関係者からの聞き回りという形式にて、進展していく。違う視点にて、石田三成を捉えている。 石田三成の子供たちのその後を、うまく描いている。津軽藩の心意気は泣ける。東北の方は、優しいなぁ。

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2016/07/09

関ヶ原から30年後の太平の世の中、ある者の依頼で江戸町人の文殊屋が当時の事、特に石田三成について当事者達にインタビューをして行く、言うならば"インタビュー with 関ヶ原"で小説の大半が経過していく。そして最後の一章で謎の依頼主とその意図、そして石田治部少輔...

関ヶ原から30年後の太平の世の中、ある者の依頼で江戸町人の文殊屋が当時の事、特に石田三成について当事者達にインタビューをして行く、言うならば"インタビュー with 関ヶ原"で小説の大半が経過していく。そして最後の一章で謎の依頼主とその意図、そして石田治部少輔の全体像が見事に浮かび上がる、小説として極めて秀逸な一作。 いやあ、おもしろかった。天下分け目の戦いと言えば司馬遼太郎の「関ヶ原」がそれぞれの大名家の事情や利害を腑分けしていて面白いが、この作品では更にその大名の部下やあるいは下級武士からみた関ヶ原の状況や、石田三成、徳川家康が彼らからどう見えていたかがイメージが着いてなんとも興味深い。そして、「道理」という関ヶ原でこれもほど使われ、これほど無力だった観念的観点から石田三成の実像を浮かび上がらせ、そして最終的には、子孫を代々受け継ぐ大名家としての情みたいなものと絡ませて大団円を迎え、読者を心地いい感想(感傷?)に導いてくれる。基本的に日本人は敗者に弱い。よくよく考えれば、石田三成は源義経、西郷隆盛と並び、人の心をグッとさせる日本的敗者なのかもしれない。

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2015/07/21

岩井さんの著書は初めて読んだが、試みは面白いと思う。 しかも、大きいラインは史実に基づいていると思われる。 あらすじは、ある町人がとある筋から依頼を受けて、偏見を持つことなしに、石田三成の人となり、そして関ヶ原の真実をその30年後に追う。 黒田長政の家来だったり、廃藩された宇...

岩井さんの著書は初めて読んだが、試みは面白いと思う。 しかも、大きいラインは史実に基づいていると思われる。 あらすじは、ある町人がとある筋から依頼を受けて、偏見を持つことなしに、石田三成の人となり、そして関ヶ原の真実をその30年後に追う。 黒田長政の家来だったり、廃藩された宇喜多家や福島家の関係者、そして三成側で戦った毛利家や安国寺などの関係者の話も聞いていく。それが、ひっそりと生きている三成の子孫の将来に影響を及ぼす決断をなす材料となされる、史実に基づいた少しハートウォーミングな話。 三成寄りの視点なので、徳川寄りの人にはダメかも。ちなみに私は三成寄り。改めて、それぞれの人にはそれぞれの事情があり、善悪の判断を簡単にしてはいけないと感じさせてくれる本。

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2015/07/12

舞台は関が原の戦いから30年後。 訳は話せぬが、石田三成について調べてこいとの命令を受けた町人が 各地を訪ね歩きます。 石田三成ってどういう人だったの? 関が原の戦いって、どっちに道理があったの? これらを聞いて回ってどうするの? 話し言葉が独特で、読むのにやや苦労しましたが...

舞台は関が原の戦いから30年後。 訳は話せぬが、石田三成について調べてこいとの命令を受けた町人が 各地を訪ね歩きます。 石田三成ってどういう人だったの? 関が原の戦いって、どっちに道理があったの? これらを聞いて回ってどうするの? 話し言葉が独特で、読むのにやや苦労しましたが お家毎の視点で語られる、石田三成・徳川家康像は面白かったです。

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