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シンドローム の商品レビュー

3.6

26件のお客様レビュー

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2023/06/20

学校や町が破滅に向かって目まぐるしく動くが主人公と久保田さんの距離は最後まで全く動かない。誰もが身に覚えがあるやつ。

Posted byブクログ

2023/05/30

「飛来した謎の火球。沈みはじめる町。破滅の気配。次第に溶けあう日常と非日常。それでもぼくは、久保田との距離が気になって仕方がない。未だかつてない青春小説]

Posted byブクログ

2022/06/09

突然隕石が落ちて--と良くありそうな非日常が訪れる。けど非日常より日常の方が複雑で、ぐるぐるしてる。 けれどだんだん非日常の方が不穏になってきて-- 不思議だけど惹き込まれる。 文庫版も出てるけど、単行本の方は挿絵がふんだんに散りばめられていて、お得な感じはする。

Posted byブクログ

2019/09/23

自意識の肥大した青年の一人称。自分は精神的な状態でいたい、非精神的な状態にはなるまいとする主人公が、どんどんと非日常な状況へと呑み込まれてゆく。非日常なんだけど、その現実を認めないようとする人々のようすがリアル。正常性バイアス。内容はSFだけども、災害サバイバルもののようにも読め...

自意識の肥大した青年の一人称。自分は精神的な状態でいたい、非精神的な状態にはなるまいとする主人公が、どんどんと非日常な状況へと呑み込まれてゆく。非日常なんだけど、その現実を認めないようとする人々のようすがリアル。正常性バイアス。内容はSFだけども、災害サバイバルもののようにも読める。

Posted byブクログ

2019/05/30

エイリアンの襲来で穏やかだった日常が崩れるなか、主人公の男の子は後ろの席の女の子との距離感が気になってぐるぐると迷妄に苛まれる。一言一句に至るまで綿密に計算された文章の構築力もさることながら、侵略SFを背景にした青春小説としてそれらを「同質」に描いた手腕が素晴らしく、最初こそ主人...

エイリアンの襲来で穏やかだった日常が崩れるなか、主人公の男の子は後ろの席の女の子との距離感が気になってぐるぐると迷妄に苛まれる。一言一句に至るまで綿密に計算された文章の構築力もさることながら、侵略SFを背景にした青春小説としてそれらを「同質」に描いた手腕が素晴らしく、最初こそ主人公の面倒くさい自意識バリバリの語り口に面食らうものの、侵略によってそれが正気を保つ日常の象徴へとシームレスにすり替わっているのが素晴らしい。唯一迷妄から解放された川辺でお弁当を食べるシーンは非常に胸に突き刺さった。傑作。

Posted byブクログ

2019/04/02

『バーナード譲曰く。』から勧められて手に取りました。 未知との遭遇を男子高校生の目線から描いた作品ですが、目線が未知の何かではなく、気になる女の子ばっかりに向けられてて……いやいや、もうちょい集中しようよ! でも実際、ホントにエイリアンが襲ってきても気になるのは、やっぱり好きな...

『バーナード譲曰く。』から勧められて手に取りました。 未知との遭遇を男子高校生の目線から描いた作品ですが、目線が未知の何かではなく、気になる女の子ばっかりに向けられてて……いやいや、もうちょい集中しようよ! でも実際、ホントにエイリアンが襲ってきても気になるのは、やっぱり好きな女の子のことかも(笑) SF✕片思いって、意外と相性いいんですね! グルグルウダウダした主人公の迷走哲学と、軽妙なテンポの良い会話シーンの対比が効いてて、それぞれの良さが引き出てると思いました。

Posted byブクログ

2019/02/10

70頁くらいで、この主人公、めんどくせぇ奴だな!と思ったところで、バ嬢でもそういう風に紹介されていたのを思い出して、一人笑ってしまう そこからは、主人公に感情移入して読むのではなく、主人公を観察して読む視点に脳内切り替え 自分だって中高生の頃はそういうメンドクサイ、デモデモダ...

70頁くらいで、この主人公、めんどくせぇ奴だな!と思ったところで、バ嬢でもそういう風に紹介されていたのを思い出して、一人笑ってしまう そこからは、主人公に感情移入して読むのではなく、主人公を観察して読む視点に脳内切り替え 自分だって中高生の頃はそういうメンドクサイ、デモデモダッテ思考をしていたりもした。けれど、この主人公はそういう過去の思い出をなぞろうとして感情移入をしようとしても、度を超えてメンドクサイ奴だった そして、彼のデモデモダッテは、好きな子を巡ってのライバル(仮想的)とのバトルのみであり、それは彼の世界が崩壊していくなかでも、変わらず彼の思考のほぼすべてであり、変わらないであるが故に、状況が悪化するほど彼の思考の異質さが浮き上がってくる しかし、読んでいる方も、うわーもー(恋愛について)もっとスパッと考えろよめんどくせぇなあ!と感じてしまうあたり、主人公の思考に引っ張られていたのだろう。本当はもっと、お前そんなことより今はやるべきことがあるだろう!と感じるべき事態なのだから 結局最後まで主人公の性質は変わらず。そんな性質も今後成長したら変わっていくのか、この異常事態を経てなお変わらないところをみるとずっと不変なのか

Posted byブクログ

2018/11/12

『バーナード嬢曰く』で紹介されていたのがきっかけで読みました。おもしろかったです。主人公がグルグル思考が堂々巡りするひとで、その叙述を読んでいると、自分のことを言い当てられているような気がしてしまいました。【平成30年10月11日読了】

Posted byブクログ

2017/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

隕石が落ちて来たことをきっかけに、町では不可解な出来事が次々起き始めるも、 主人公の頭の中は、近くの席の女の子久保田さんと久保田さんへ好意を寄せている(と主人公が思っている)友人の平岩のことでいっぱい。 日常の崩壊を尻目に、恋という名の迷妄と捻じれまくった自意識の狭間で、錯乱し続ける主人公の恋と青春を描いた話。 とにかくめんどくさい主人公の圧倒的めんどくささがすごい。 主人公が気になってる久保田さんと話をしたときの内面描写がこんな感じ。 「肩が触れるほどの距離にいたが、ぼくは最後まで距離を見失わず、ゆるやかに距離を縮めながら、それでも最後の一線にとどまって、そこから先へは決して進もうとしなかった。ぼくは状況を制御していた。(~)いかにもぼくは迷妄の中に立っていたが、迷妄の奴隷となるのではな、まして迷妄そのものになるのではなく、迷妄から適当な距離を取りながら、迷妄の成果だけを受け取っていた。言うならば、ぼくは迷妄を乗りこなしたのだ。」 全然乗りこなせてない。 世界の危機が、主人公の精神世界にほとんど全く影響を与えないって点では 逆セカイ系と言えるかも(適当)

Posted byブクログ

2017/03/16

某 読書家だと思われたい漫画にて知った本だが、予想以上に面倒臭い思考をする少年の話だった。 隕石と思われる謎の飛行物体と、未知の生物が高校の近くに落ちてきたため、日常がだんだんと非日常になっていく話だが、そんなことより、自分の好意を寄せている女子が気になって仕方がない主人公は、...

某 読書家だと思われたい漫画にて知った本だが、予想以上に面倒臭い思考をする少年の話だった。 隕石と思われる謎の飛行物体と、未知の生物が高校の近くに落ちてきたため、日常がだんだんと非日常になっていく話だが、そんなことより、自分の好意を寄せている女子が気になって仕方がない主人公は、自分の気持ちや行為(行動に移さないことも多い)を論理的に説明しようとする。 芥川や太宰がこの本を読んでも「こいつ、面倒くせぇな」と思うはず。

Posted byブクログ