翼を持つ少女 の商品レビュー
楽しそうじゃなきゃ読みたいとも思えない。 硬くても、柔らかくても、どちらにしても、興味を持ってもらって、面白そうと思ってもらわなきゃ読みたいとは思ってもらえない。 もちろん、好きなことは第一条件だけど、自分の好きだけ押し付けても、それが相手に伝わるとは限らない。 「どう伝えるか」...
楽しそうじゃなきゃ読みたいとも思えない。 硬くても、柔らかくても、どちらにしても、興味を持ってもらって、面白そうと思ってもらわなきゃ読みたいとは思ってもらえない。 もちろん、好きなことは第一条件だけど、自分の好きだけ押し付けても、それが相手に伝わるとは限らない。 「どう伝えるか」がビブリオバトルの肝。 ・・・私はまだやったことない。 本が好きで、ビブリオバトルにも興味がある人が読むと、「ビブリオバトルやってみたいな」、「こんな仲間欲しいな」と思える本だと思います。 でも、そんなに本好きでも無い人にはどうなんだろうな。 ちょっとくどいのです。山本弘さんの文章の特徴かもしれません。表現が適当かどうかはわからないですが、一昔前の設定に凝ったライトノベルのような…。 一言で言うなら…「クサい」 ビブリオバトル部のお話しなので、とてもマニアックな会話が続きます。 それが、この物語の雰囲気を構成してるのだけど、多分、興味がそんなにない人にとっては、「オタクくさい」というか、「内々のとても狭い世界の中のお話し」のように感じられるかもしれません。 私は嫌いじゃないけれど…。
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≪空想の,羽を伸ばして.翼を広げて.≫ とにかく,「本」への愛にあふれている. SF,科学,社会,自然… マンガやアニメ,特撮も. 各キャラが紹介した本を実際に読んでみたくなるし,すでに読んだことのある本が紹介されたときのうれしさたるや. 本を読みたいけど,名に読んでいいのかわ...
≪空想の,羽を伸ばして.翼を広げて.≫ とにかく,「本」への愛にあふれている. SF,科学,社会,自然… マンガやアニメ,特撮も. 各キャラが紹介した本を実際に読んでみたくなるし,すでに読んだことのある本が紹介されたときのうれしさたるや. 本を読みたいけど,名に読んでいいのかわからなーいって人に進めれば,どれか一つは気になる本が見つかるのでは?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あなたにSFを好きと言わせたい! ビブリオバトルやりたい! と思わせたことで勝利。日本初の本格的ビブリオバトル青春小説だそうです。まあ、利権も絡みそうですけど(ビブリオバトルを流行らせようという教育界や出版業界や図書館関係など)面白いです。内容はいい感じに軽く、同時代のサブカルを取り入れて、でもかなり強力な読書推進。自分を偽らずに出せる場所がある幸せも感じました。SFとかノンフィクションって同好の士が少なそうなジャンルですよね。普通に”読書が趣味”を名乗る人に、「いや、それはあまり……」って言わせそうな。まさにSFもノンフィクションもあまり読まない私の偏見かもしれないけれど。 ちょっと”考えずにネットの海に溺れる人”をけなしすぎかなとも思いますが。しかし、カウンターになる意見として、自分たちが正義だと思って何でもしていいわけではない、という朝比奈先生によるBB部への叱責もあって、そこはすっきりしました。ヴォルテールのことばとしてチョムスキーが引用した「〈貴殿の文章にはうんざりさせられますが、それでも私は貴殿が書き続ける自由は命をかけて擁護します〉」(p.287)という表現の自由は大切。けれど、BB部の蟹江に対する公開処刑は、その自由を守ったのではなく、叩きのめすために引きずり出す理由として乱用しただけ。 ビブリオバトルの紹介としては結構優秀。ただ、実際にビブリオバトルしたら、この内容を音声で聴きとるのは難しいはず。ほぼ初めて聴く情報だったら、明日香さんの内容とかほぼ理解できない気がする。外国人名や理系の専門用語が多いので。 キャラクターが実にラノベ・マンガ・アニメ的だけど、それだけキャラが立っているからこそ、それぞれが進めてくる本に興味がわく。フィクションとして誇張しているところもあり、そんなキャラクターたちや必殺技・二つ名などは、フィクションとして受け入れやすくするのに一役買っている。 主人公は一応、SF大好きの伏木空とノンフィクションしか読まない埋火武人の二人か。祖父の武雄は垂涎もののSFコレクションを遺したのに、SFを完全否定する武人に対して、空はSFを読みたいと言わせる、つまりビブリオバトルで自分に一票入れさせるのを目標にビブリオバトルにのめりこんでいく。ここらへんが青春。 ビブリオバトルの最大の弱点、「自由度がきわめて高いゲームである反面、悪意に対する明確なストッパーがない」(p.421)というのは、今回の対決のようにビブリオバトルが自分の主義主張の押し付け合いの場、もっと言えば相手の信条を打ち負かす場になる怖さを秘めている。本を薦める、というのは、ある意味思想の押し付けにつながることを意識し、部長のように「自分の嗜好を他人に押しつけてはならない」(p.80)ことを忘れてはいけない。たとえチャンプ本にならなくても、結局読んでくれなくても、誰か一人でも興味を持ってくれたら嬉しい、という謙虚な態度で。 そもそも、読書=良いことという意識ですら、思想善導につながるという恐れ。特に教える立場・導く立場にいる者は忘れるな。
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テーマはビブリオバトル部+SF好きな女子高生+青春。この本を楽しめるのは、ビブリオバトルに興味を持った人ではなく、SFが好きな人だと思う。 ヒロインのSF語りがウザい。空気も読まず単なる知り合いにSFのことを目一杯喋る。読者もそのSF語りを聞かされるが、SFを知らない人に面白そ...
テーマはビブリオバトル部+SF好きな女子高生+青春。この本を楽しめるのは、ビブリオバトルに興味を持った人ではなく、SFが好きな人だと思う。 ヒロインのSF語りがウザい。空気も読まず単なる知り合いにSFのことを目一杯喋る。読者もそのSF語りを聞かされるが、SFを知らない人に面白そうと思わせるものではなく、ただヒロインがSFへの情熱のままに勢いで喋るだけなので「そんなの知らねーよ」という感じ。 ビブリオバトル部分はそこそこ興味深かったが、3回しかやってない上に、これといって山場盛り上がりがあるわけではない。 テーマははっきり見えるが、逆に言えば透けて見え、小説としての面白さは今一つ。山本弘らしく作者の思想が登場人物に反映されているのも好き嫌いが分かれるところ。SF好きでビブリオバトル好きなら面白いかもしれないが、主人公の男女も含めて私の趣味には合わなかった。
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引用文献数が大量。ビブリオバトルがリアルに感じられる。反面、字面で見ると面白くなくて読み飛ばしてしまう。
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[関連リンク] 本を読み、語り合う楽しみについて──BISビブリオバトル部シリーズ - 基本読書: http://huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/2015/11/20/190000
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そうか、この人も読書狂だったっけ……特に、SFの。青春もの、バトルものとしては王道を行きつつ、その素材がビブリオバトルであるというのがもうすごい。そして本の紹介が魅力的!どんなに頑張って厳選しても、20冊は読みたい本が増えてしまった。全体の雰囲気がライトなだけに、後半のキモである...
そうか、この人も読書狂だったっけ……特に、SFの。青春もの、バトルものとしては王道を行きつつ、その素材がビブリオバトルであるというのがもうすごい。そして本の紹介が魅力的!どんなに頑張って厳選しても、20冊は読みたい本が増えてしまった。全体の雰囲気がライトなだけに、後半のキモである社会問題に切り込むところは少しタッチに違和感があるが、それでもこういう形で著者なりの主張を盛り込むのは大切だし(まさにビブリオバトル)、主張自体はフェアだと思うし、ある意味いつもの山本節なので、個人的には楽しんだ部分。
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本を愛する気持ち、それを伝えたい気持ちがよくわかる。最近のわが国にはびこる不穏さに対する批判にも同意。
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そうなんだよねぇ 電子書籍では味わえない 紙の本(この言葉には まだ抵抗が…) ならではの おもしろさを 勝手に 思っていました それにしても この一冊に出てきた 本達のラインアップのすごさ 参考資料リストを 眺めているだけで 鼻息が荒くなってくる人もいそうですね 若者たち...
そうなんだよねぇ 電子書籍では味わえない 紙の本(この言葉には まだ抵抗が…) ならではの おもしろさを 勝手に 思っていました それにしても この一冊に出てきた 本達のラインアップのすごさ 参考資料リストを 眺めているだけで 鼻息が荒くなってくる人もいそうですね 若者たちが どんどん参入してくる ビブリオバトル 小説だけではなく 現実の出版業界も 期待していることでしょうね でも よく考えれば 明治から大正、そして昭和にかけて その当時の若者たちが 「本」のことを語っていた その当時も その熱情ということでは ネットやTV、ラジオが無かった分だけ もっと過激だったのかも しれませんね
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こういう作品を読んでしみじみ思うことは、やっぱり本が好きということ。 しかし、しょっぱなからエドモンド・ハミルトンをぶつけてくるとは、物凄い衝撃だった。 悲しいかなキャプテンフューチャーシリーズしか読んだことがなかったのだが、他の作品も読んでみたくなった。 ただ、巻末の取り...
こういう作品を読んでしみじみ思うことは、やっぱり本が好きということ。 しかし、しょっぱなからエドモンド・ハミルトンをぶつけてくるとは、物凄い衝撃だった。 悲しいかなキャプテンフューチャーシリーズしか読んだことがなかったのだが、他の作品も読んでみたくなった。 ただ、巻末の取り上げた作品一覧をながめると、もう手に入らないものも散見され、SF氷河期というのも本当なんだなと悲しくなってしまった。 この作品では、SF大好きな女の子とノンフィクションしか読まない男の子という対比がおもしろかった。 本好きというと内向きで終わってしまいがちではあるが、ビブリオバトルというものを通して、高校生が外へ目を向け社会とどういう風に接していくのか、その過程が興味深かった。
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