ぼくの住まい論 の商品レビュー
著者が、神戸市東灘区に約80坪の土地を得て、合気道の道場「凱風館」を建てるまでのてんまつをえがいたエッセイです。 著者は、若き建築家の光嶋裕介との縁に感じるものがあり、彼に道場の設計を依頼します。その後、光嶋とともに理想の道場を実現するために職人たちと交渉しつつ、理想の道場をめ...
著者が、神戸市東灘区に約80坪の土地を得て、合気道の道場「凱風館」を建てるまでのてんまつをえがいたエッセイです。 著者は、若き建築家の光嶋裕介との縁に感じるものがあり、彼に道場の設計を依頼します。その後、光嶋とともに理想の道場を実現するために職人たちと交渉しつつ、理想の道場をめざします。彼らの「アンチ効率主義」と形容されるスタンスは、著者の思想に通じるものがあり、道場の建築から運営まで一貫しておなじ精神がつらぬかれていることが語られています。 また著者は、道場は「アジール」(避難所)としての役割を担うべきだと主張します。人びとがその場所につどい、彼らのあゆみを測定するための定点となることが、著者の考える公共性のあるべきかたちです。長年大学に勤務していた著者は、大学もまたそうであるべきだという考えをいだいていますが、「効率主義」が大学教育にも浸潤しつつある現在、著者の立ちあげた道場は、まさしく「アジール」なのだろうと思います。
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やっぱり内田樹はすごい人だなあと思った。 論理だけでは語り尽くせず抜けて落ちてしまう大切なことを、絶妙な視点、語り口、比喩によってうまく拾い上げ、僕らが理解できるように届けてくれる。
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公共性のある住宅建築入門書でもあり、 内田樹先生の思想への入門書でもある。 そうそう、それが言いたかったんだ!と痒い所に手がとどく本。母港論の話にぐっときた。 建築をはじめたての時よりしばらく学習したあとの方が味わい深く読める。
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内田先生が建てた道場付き自宅の凱風館にまつわるあれやこれや。 普段考えない視点からの語り口なので考えさせられることの多い本でした。 日本の林業や瓦職人、左官など今まさに滅びつつある人々の手によって作られた凱風館。 安いものに飛びつくだけでなく、多少の身銭を切っても国内の(コミュニ...
内田先生が建てた道場付き自宅の凱風館にまつわるあれやこれや。 普段考えない視点からの語り口なので考えさせられることの多い本でした。 日本の林業や瓦職人、左官など今まさに滅びつつある人々の手によって作られた凱風館。 安いものに飛びつくだけでなく、多少の身銭を切っても国内の(コミュニティ内の)産業を相互扶助によって支えていくべき、という論にはなるほどと納得させられました。 高度資本主義社会(金中心社会)になり、こういう考え方はあまり聞かなくなりましたが、大事にすべき考え方だと思いました。
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どちらかというとエッセイ的な趣が強く、写真がふんだんに使われていることもあって、肩肘張らずにサラサラッと読める内容。でもさすが、どうでもいいという内容では決してなく、これから新居への引越しを控えた今、参考になりそうなことも多かった。書棚の考え方、当たり前のように思えるけど、やっぱ...
どちらかというとエッセイ的な趣が強く、写真がふんだんに使われていることもあって、肩肘張らずにサラサラッと読める内容。でもさすが、どうでもいいという内容では決してなく、これから新居への引越しを控えた今、参考になりそうなことも多かった。書棚の考え方、当たり前のように思えるけど、やっぱり自分的にもこだわりたいところなんで、頑張って整頓します。家というよりは、公共の道場みたいな感じを目指したということですが、思い通りのものが出来上がっているところが素晴らしいです。
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内田氏、とうとう道場も建てられた。もう3年になるとのこと。一度拝見したい。カラー写真があり、様子がよくわかる。小国というわけではないが、おもしろい世界が兵庫県の極一部に展開されている。
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大学教授であり合気道の師範でもある著者が、パブリックな道場件住宅「凱風館」を建てるまでの経緯や設計や施工を進めていく中での思考、気づきなどや発見などを綴っている。 人との繋がり、空間に対する考え方はとても楽しく共感できたけど、建築を学んできた者からすると、もう少し凱風館そのものの...
大学教授であり合気道の師範でもある著者が、パブリックな道場件住宅「凱風館」を建てるまでの経緯や設計や施工を進めていく中での思考、気づきなどや発見などを綴っている。 人との繋がり、空間に対する考え方はとても楽しく共感できたけど、建築を学んできた者からすると、もう少し凱風館そのものの空間が詳しく紹介されているともっと面白かったと思う。設計した建築家も、凱風館について著書を出してるみたいなので、機会があったら読んでみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
内田樹が自宅を作るまで。 もともと戸建住宅を建てる気はなかったが、合気道の道場を作りたいとの思いから、一階は道場、二階は住宅という変則的な自宅を建てる。 美山で育った杉の木、左官職人に瓦職人、そして設計は新米設計士。 人が集まる理想の家を作る。
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内田氏の道場兼自宅、素晴らしい、憧れるぅ!こういうかんじで人の出入りがある空間が欲しいなぁ。いつか自分もそんな建物を建てて、いろんな人達と遊んで暮らしたいなぁ。(笑)
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住まい一つから,個人の思想の広がりの詰まり様を感じる.住まいが,精神的な母港,帰る場所としての存在意義を説いており,よもや内田先生と考えの一致をみることがあるとは,とびっくり.
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