科学で勝負の先を読む の商品レビュー
科学で勝負の先を読む W・パウンドストーン著 無意識の法則性活用する方法 2015/2/8付日本経済新聞 朝刊 高性能コンピューターを使ったビッグデータ解析が盛んだが、データを集めてマーケティングに活用しようとする動きは1950年代からあった。その歩み、歴史を詳しくたどっ...
科学で勝負の先を読む W・パウンドストーン著 無意識の法則性活用する方法 2015/2/8付日本経済新聞 朝刊 高性能コンピューターを使ったビッグデータ解析が盛んだが、データを集めてマーケティングに活用しようとする動きは1950年代からあった。その歩み、歴史を詳しくたどったのが本書だ。 クレジットカードの使用履歴から妊婦を割り出し、マタニティーグッズの売り込みをして成功した百貨店。売り出し前の株価を予測して巨大な利益をあげた個人投資家。どれも一見でたらめ、きまぐれな動きの中にある無意識の法則性を導きだしての結果だったという。 賭け事、スポーツの勝敗予想はもちろん、監査会社や金融当局が企業、投資会社の粉飾決算をどう発見し、追及していったかなども紹介されていて興味深い。自由に選べるパスワードには好みの配列、クセを見抜く方法が実はあるとされる。それと同様に、粉飾や詐欺行為にも必ず首謀者たちがはまるミスや落とし穴があるそうだ。その法則性は昔も今も同じ。現代は「コンピューター技術の進歩で割り出す速度が何億倍かに速くなっただけ」と著者はいう。 じゃんけんがおもしろい。相手が男なら「パー」を出せば勝てることが多いそうだ。男性ホルモンが影響しているらしい。○×式の試験では○が正解の確率は56%。その次も○が正解の確率は41%だという。松浦俊輔訳。(青土社・2200円)
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先を読まれないようにするためには、まずランダム対応。 ただ人は、ランダム化はできない。なのでルールや乱数表の力を借りる。そうじゃない場合は、相手としては読むことが可能。前回の失敗は反転させる可能性が高く、うまくいった場合はそのまま同じ手を使う可能性が高い。 賞金が同点勝者で分けら...
先を読まれないようにするためには、まずランダム対応。 ただ人は、ランダム化はできない。なのでルールや乱数表の力を借りる。そうじゃない場合は、相手としては読むことが可能。前回の失敗は反転させる可能性が高く、うまくいった場合はそのまま同じ手を使う可能性が高い。 賞金が同点勝者で分けられるばあいは、ちょっと穴に手を出して、期待値をあげるのが重要。 数字は馴染みのある数字を使ってしまう。1、2、3あるいはカレンダーの日時、今の時間、最近のドラマで見た数字など。 超長期のファクターは知っていても対応できない。(しない)例えば高齢化とかか。
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数学と聞けばその場から逃げ出したくなる方も(それなりに?)居られる現在。 しかし、そんな数学でも「カジノで勝てる必勝法が〜」なんて話になると俄然世間の関心を引いたりします。 #そうでもないですかね? さて、カジノと言えば賭け事。 賭け事といえばランダム、そしてランダムと言えば...
数学と聞けばその場から逃げ出したくなる方も(それなりに?)居られる現在。 しかし、そんな数学でも「カジノで勝てる必勝法が〜」なんて話になると俄然世間の関心を引いたりします。 #そうでもないですかね? さて、カジノと言えば賭け事。 賭け事といえばランダム、そしてランダムと言えば、例えばコイン投げです。 ここで表が出る確率50%、裏が出る確率50%のコインを10回連続で投げるケースを考えます。 その時、以下の2つのケースはどちらが出やすいのか? A:裏裏裏裏裏裏裏裏表裏 B:裏裏表表表裏裏表表裏 表、裏ではわかりにくいですね。 では表を1、裏を0としてみると上の2つは A: 0000000010 B: 0011100110 Bの方はランダムに見える一方、Aの方は余りランダムには見えないのではないでしょうか。 つまり、Aの方は余りに作為的に見え、よりランダムに見えるBの方が出やすい、つまり確率が高そうに見えませんか? しかし、実はどちらの確率も1/1024と同じなのです。 この様に人間が考えたり感じたりするランダムさと本当のランダムさの間には違いが有るのです。 本書はこのランダムに対する人間の認識に注目した一冊で全22章からなります。 各章、それぞれに独立したテーマを取り上げており、例えば ジャンケン(これ、実は例えば男性は最初にグーを出しやすいとか、3回連続で同じ手を出さないだろうとの思い込みが有るとか色々な攻略方法が有るのです)や、 マークシート方式のテストで何番目の選択肢が正解である可能性が高いかに始まり、 ロト6に代表される自分で数字を選ぶクジに数値の偽造を見破る方法(人間が作った偽造の数値には有るパターンが見られるそうです)から株式市場等、その内容は多岐にわたっています。 この様に色々と興味深い内容が多かったのですが、特に「人間はランダムにはなれない」という点が面白かったです。 つまり、これがロト6の場合ですと、個人視点ではランダムに数字を選んでいるつもりでも、ロト6の参加者全員が選んだ数字を見てみると極端に偏った数字の選ばれ方がされているという訳です。 ロト6についてはよくキャリーオーバーがどうとか聞きますが、みんな集団としては毎回同じ様な数字の選び方しかしていないのであれば、その数字を外してしまえばキャリーオーバーの連発しかありませんよね〜。 そして、選ばれていない数字の方が圧倒的に多いのです。 また、先日超能力に関するNHKスペシャルの舞台裏を記した本、「NHKスペシャル 超常現象 科学者たちの挑戦」を読みましたが、その中では透視についても取り上げていました。 しかし、本書を読んでみて透視というのは、実は「人間はランダムに行動しているつもりでも、実際にはあるパターンに沿った行動をしているに過ぎない。そして多くの人はその事を知らない」と言う事実を利用したトリックなのではないのか?と言った考えも脳裏をよぎりました。 「本当のランダムって一体何だろう?」等、ランダムと人間の関係についてご興味を抱かれた方にお勧めの一冊です。
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