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福島鉄平短編集 アマリリス の商品レビュー

4.4

13件のお客様レビュー

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2017/11/29

最初のタイトルの話が1番面白い。ダークなので… 残りもダークな話かと思いきやハッピーエンドなので、ちょっと一話目を引きずって読むと期待外れ感がある。

Posted byブクログ

2017/08/24

青年誌掲載の読み切りを収録した短編集。表題作「アマリリス」は借金のカタに女装パブに売られた少年・ジャンの物語。 勉強もできスポーツも得意、明るく母親想いのいい子だったジャンが汚い大人の世界を知って堕ちていく姿が痛くていじらしく愛おしい。 女装、ショタ、百合、BL、同性愛などやや倒...

青年誌掲載の読み切りを収録した短編集。表題作「アマリリス」は借金のカタに女装パブに売られた少年・ジャンの物語。 勉強もできスポーツも得意、明るく母親想いのいい子だったジャンが汚い大人の世界を知って堕ちていく姿が痛くていじらしく愛おしい。 女装、ショタ、百合、BL、同性愛などやや倒錯的な要素を含む刺激的な題材を扱っているが、むしろ見所は思春期の少年少女のナイーブかつデリケートな変化を詩情に乗せてすくいあげる、リリカルで繊細な心理描写。 汚れた自分がそばにいたら友人までも汚してしまうと怯えるジャン、「きれいはきたない、きたないはきれい」の格言さながら彼を取り巻く環境が荒み翳りを帯びる程にひたむきにポールを想い自ら汚れ役を演じ身を引こうとするイノセンスが光る。 本作には大人びてシニカルな眼差しと斜に構えたシビアな態度のキャラも多く登場するが、そんな彼や彼女がふとした時に見せる背伸びした虚勢が剥がれた素顔の脆さと弱さ、無垢さや純粋さには心打たれる。 貴族の令嬢としてわがまま一杯に育ったルチアの人を見下し小馬鹿にする嘲笑、卑屈に媚びた醜い笑顔、洟水や涙をどばどば垂れ流す泣き顔といい、やや誇張された表現ながら多感に移ろい動く感情がストレートに伝わってきてぎゅっと胸を掴まれる。 ジェンダーを跨いだ描写が多いのは、成熟した男と女になる前、未だ男でも女でもない「子供」という未分化の性から羽化する通過儀礼と解釈。とはいえセクシャルな行為もキスどまりなので、その手の作品に免疫がなくてもさほど抵抗は感じない。 登場人物がいずれも弱さや歪み、劣等感を抱えているのも特徴。 全編通して共同体から迫害され忌避され孤立し、疎外感を味わってる子供たちのささやかで甘やかな共依存(「この美しく残酷な世界で二人」)と、その自立を描く物語と思った。 それを踏まえて単行本の描き下ろしを読むとポールとジャンの関係性が昇華され、なお一層感慨深い。 コーヒーを飲み干した後に溶け残る砂糖のようなほろ苦い余韻が素敵だった。

Posted byブクログ

2016/07/27

作者の他作品については未読。本屋で見かけて気になり入手。なんとなく、あぶない香りのする表紙絵が印象に残っていたからだ。それぞれの作品のキャラクターの持つ特性が、それだけでも面白かったので色々な人間の魅力に触れてきた人なのだな、と思わせられる。良くも悪くも、魅力的。誰もが幼い時、当...

作者の他作品については未読。本屋で見かけて気になり入手。なんとなく、あぶない香りのする表紙絵が印象に残っていたからだ。それぞれの作品のキャラクターの持つ特性が、それだけでも面白かったので色々な人間の魅力に触れてきた人なのだな、と思わせられる。良くも悪くも、魅力的。誰もが幼い時、当たり前に受ける制圧に、進行形でおかされている少年少女たちの思考や行動が酸っぱい。メリハリのある線が少年少女たちを表現するのにマッチしていた。いつでも消えてしまいそうな幼く繊細な線と、誇張しているくらい元気な太い線とがその登場人物たちの心をも表しているように思えた。絵柄は最初、題材に対してポップすぎるかな?とも思ったけれど小百合ちゃんが可愛すぎたし、物語に合わせてうまく描き分けてあるのだと理解した。

Posted byブクログ

2015/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

サムライうさぎから大分期間が開いていたので、買いそびれていたがたまたま見かけて「スイミング」と一緒に購入。 こちらは青年誌で掲載さえた短編5作品と描き下ろし短編2作収録されている。少年誌では取り扱えなさそうな題材で書かれているものもあり、こうゆう作品も書くんだなと思った。 今回は短編集なので、またがんばって連載を獲得して欲しい。

Posted byブクログ

2015/03/27

友情と恋の狭間、子供と大人の狭間を揺れ動く少年少女をリリカルにセンシティブに描いています。ほのかに薫るエロスは手塚治虫のロリエロの系譜ですね。丸っこい手足が可愛い。 ジャンプで連載してた『サムライうさぎ』の人だと知って驚きました。こんな作風のマンガも描くんですね。良質な短編集です...

友情と恋の狭間、子供と大人の狭間を揺れ動く少年少女をリリカルにセンシティブに描いています。ほのかに薫るエロスは手塚治虫のロリエロの系譜ですね。丸っこい手足が可愛い。 ジャンプで連載してた『サムライうさぎ』の人だと知って驚きました。こんな作風のマンガも描くんですね。良質な短編集です。

Posted byブクログ

2015/03/04

Twitterでリツイートが回ってきて興味を持った作品。 短編集。 最高に面白いです!!!!!!!!!!! のめりこみやすい可愛らしいポップなイラストとはあい反して なかなか研ぎ澄まされた痛い内容も含みます。 青年誌ならでは。

Posted byブクログ

2015/02/22

やはり表題作「アマリリス」が至高…と思ったら他の作品も引けを取らずかなり良いです。福島先生の可愛らしいタッチと倒錯的な世界観の相性が素晴らしい…

Posted byブクログ

2015/01/04

アマリリス良かった。 へんたいのおじさん視点、いじめっこの視点で漫画が読みたいと思うくらい世界観が好き。

Posted byブクログ

2014/12/21

ジャンプに『サムライうさぎ』を連載してた福島鉄平が、「へんたいのおじさんに売られてしまった」り、孤児院を出て「せいどれい」になることに脅えたりする主人公を描くとは思わなかったけど、よく考えたら『サムライうさぎ』だって14歳で結婚させられる話だ。BLも百合も女装子も、っていうバラエ...

ジャンプに『サムライうさぎ』を連載してた福島鉄平が、「へんたいのおじさんに売られてしまった」り、孤児院を出て「せいどれい」になることに脅えたりする主人公を描くとは思わなかったけど、よく考えたら『サムライうさぎ』だって14歳で結婚させられる話だ。BLも百合も女装子も、っていうバラエティに富んだ短編集だけども、おおまかに言ってテーマはいつも「大人になってゆくこと」であり、そしてときどき(『サムライうさぎ』も例外ではなく)強制される「性」がそのターニングポイントになっている。 あと「私と小百合」で弓道の掛け声「よしっ!!」がポイントになってますが、『サムライうさぎ』連載前に「よしっ!!」っていう読切描いてます。

Posted byブクログ

2014/12/21

ショタ好き、BL好きの話題にのぼった表題作、アマリリス。誰もが掲載時の終わりかたにもやもやしただろうなぁと。それもこれも、書き下ろしで胸を撫で下ろせるかと…。私はこのオマケすごく、好きです。私と小百合もだけど、この終わりかたに福島さんの描きたいことが凝縮されてるんじゃないかな? ...

ショタ好き、BL好きの話題にのぼった表題作、アマリリス。誰もが掲載時の終わりかたにもやもやしただろうなぁと。それもこれも、書き下ろしで胸を撫で下ろせるかと…。私はこのオマケすごく、好きです。私と小百合もだけど、この終わりかたに福島さんの描きたいことが凝縮されてるんじゃないかな? こんだけ誉めといてなんですが、個人的にはハルよ来いと、ルチア・オンゾーネ、待つが最高に好きです。濃い。とりあえず濃い短編集です!

Posted byブクログ