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地方消滅の罠 の商品レビュー

3.1

37件のお客様レビュー

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2016/02/19

他の方がレビューしているように、地域消滅論を俯瞰する上では大変参考になるものですし、大雑把ですが少子高齢化の実態もつかめるのではないかと思います。 しかし同様に、その解決策に関してはすこし難しいところがあり、「集中と選択」以外の選択肢を本書を通じて自分たちで考えていかなければな...

他の方がレビューしているように、地域消滅論を俯瞰する上では大変参考になるものですし、大雑把ですが少子高齢化の実態もつかめるのではないかと思います。 しかし同様に、その解決策に関してはすこし難しいところがあり、「集中と選択」以外の選択肢を本書を通じて自分たちで考えていかなければならない、かようなきっかけとなるでしょう。 少し分厚い本ですが、興味がある、もしくはそういった関連のまとめを読みたい方には強くすすめることができると思います。

Posted byブクログ

2015/12/16

「2040年までに全国の市町村の半数が消滅する」「すべての町は救えない」とセンセーショナルな増田レポートが世に出た。 その論理の根幹は「選択と集中」だ。まず、誰のための「選択と集中」なのか、また、他に目指すべき方法、価値観はないのか? 明治維新以降、日本が追い求めて来て行きついた...

「2040年までに全国の市町村の半数が消滅する」「すべての町は救えない」とセンセーショナルな増田レポートが世に出た。 その論理の根幹は「選択と集中」だ。まず、誰のための「選択と集中」なのか、また、他に目指すべき方法、価値観はないのか? 明治維新以降、日本が追い求めて来て行きついたもの。もう一度、日本社会は歴史的に培ってきた価値観とは?、まで掘り下げ、考え直さなくてはならないということが諄々と描かれていたような気がする。 小さいながらもそこには厳然として人々の生活がある。小さいながらも人間らしい生活がある農山村漁村。 そういう集落があって、また、大消費地の大都会がある。 著者の持論の二重登録の住民票。増田レポートに対するアンチテーゼ。 ものごと、色んな角度で見なくてはなりません。 心ある霞が関官僚もいるはずです。安易に増田レポートに引きずられないよう祈るばかりです(笑)。

Posted byブクログ

2015/12/15

タイトルからも感じるように全体的に感情論、陰謀論のようなものが根底にあると感じた。 現在の政府は第二次世界大戦前の空気に似ている、地方が消滅するという印象を与えようと誰かが仕向けている、私たちがどんだけ頑張っても物事が好転しないのは私たちのせいではないのではないか、など、冷静に分...

タイトルからも感じるように全体的に感情論、陰謀論のようなものが根底にあると感じた。 現在の政府は第二次世界大戦前の空気に似ている、地方が消滅するという印象を与えようと誰かが仕向けている、私たちがどんだけ頑張っても物事が好転しないのは私たちのせいではないのではないか、など、冷静に分析を行う態度とは到底思えない論調が多い。 確かに増田レポートが提言する限界集落を整理し、地方都市をダムとして人口減少を押さえるやり方に問題点も多いかもしれないが、本書の論調は「地方消滅」の提言に対して反論するにはあまりにレベルが低すぎる。

Posted byブクログ

2015/10/26

大筋において合意したが、時々、著者の決めつけるような書き方が気になるところもあった。 限界集落について考えたい方には、伊藤洋志×pha「フルサトをつくる」という本もおすすめです。

Posted byブクログ

2015/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

地方の過疎化に対する問題提言。 ちょっと感情的な文面が気になるけれども、参考になる。(と読みはじめは思っていたが、裏切られた) 元総務大臣の増田寛也氏が代表を務める、日本創生会議が「地方消滅」を唱えたことで、「人口減少社会」、そして「消滅可能性自治体」の議論が大きくクローズアップ。著者はそのレポートをふくめた国の姿勢──自治体統合や、廃校、金満主義が、しゃにむに国民の不安を煽り、生まれてくるはずだった次世代の命を封印したと説く。 けっきょく、人口減少は社会不安の現れ。 団塊ジュニア世代の増加は、団塊世代の地元復帰効果だったが、現代の若者は都市へと流れる。しかし、一部の平成世代では地元志向が強まっている。 問題点の指摘はいいのだが、解決策があまり描かれていない。その有効な手だてというのが、原発避難のための一時的な「住民票の二重登録化」「ヴァーチャル自治体の発生」というに及んでは、やはり学者の頭でっかちの浅知恵としか思えない。 住民登録を複数の自治体にしたらどうなると思うか。選挙でも票数で不正が横行、社会保障の不正受給、身元が不明な仮装人間がまぎれこむことへの不安。現実性がなさすぎる。 日本の社会学者のレベルはこんなものか。 地元活性化の取組をやっている事業主のほうがまだまし。単に学者が自分の理論をコケにされた逆恨みで書いた論文まがい。研究にもなっていない。 地方消滅の状況を知るガイドとして読むのなら可。 地方自治の研究者って、別に教授じゃなくてさ、NPO法人の活動家だとか、行政職員だとか、もっと現場で経験積んだ人でいいと思う。

Posted byブクログ

2015/07/02

問題意識はわかるけど、なんだか文章の構成、文脈があっちに行ったりこっちに来たりと、ふらふらな感じ。気持ちを抑制した冷徹な文章の方が説得力は出ると思うのだけど。

Posted byブクログ

2015/06/12

「消滅可能性自治体」を提起し、地方創生が叫ばれるきっかけとなった「増田レポート」に対する批判本。 「増田レポート」が打ち出す「選択と集中」という方向性は、「排除の論理」であり、「地方切り捨て」「弱者切り捨て」につながると批判し、対抗する考え方として「多様性の共生」を提示している。...

「消滅可能性自治体」を提起し、地方創生が叫ばれるきっかけとなった「増田レポート」に対する批判本。 「増田レポート」が打ち出す「選択と集中」という方向性は、「排除の論理」であり、「地方切り捨て」「弱者切り捨て」につながると批判し、対抗する考え方として「多様性の共生」を提示している。 気持ちはわからないでもないが、陰謀論のような考えも見え隠れするかなり感情的な批判で、「増田レポート」に対する有効的な批判になっているとは思えなかった。「多様性の共生」という概念には賛同するが、それを実現するための具体策がほとんど提示されておらず、「多様性の共生」が持続可能なものなのか疑念がある。 ただ、数少ない具体的提案である住民票の二重登録化については、検討する価値のあるアイデアだと感じた。 本論とは関係ないが、地域が大事と言いつつ、著者が、弘前大学から首都大学東京に移籍していることが気になった。

Posted byブクログ

2015/05/10

住民での自治の回路がない。財政や制度的な権限が国、県が持っていて全体の構造上、事実として現時点・市町村は主体ではない。 「選択と集中」という言葉の裏にグローバルな競争の中でこの国が優位に立つためなら、地域など消し飛んでも仕方ないという意識を含んでいる。「一関市のICL」 学校統廃...

住民での自治の回路がない。財政や制度的な権限が国、県が持っていて全体の構造上、事実として現時点・市町村は主体ではない。 「選択と集中」という言葉の裏にグローバルな競争の中でこの国が優位に立つためなら、地域など消し飛んでも仕方ないという意識を含んでいる。「一関市のICL」 学校統廃合もストックを負債と見てスクラップ化が図られた。 インフラは効率性や採算性ではなく、暮らしや経済のために必要だから、公共の名のもとに確保する。 過疎対策には2面性がある。 1条件不利地域の不利の克服 2集落移転事業 「国土のグランドデザイン2050」が「国際志向」と「地域志向」の2つのベクトルを持つ複眼的な捉え方が必要としてる。 住民票の二重登録化という提案 自治体の住民を数としてとらえてしまえば、「選択と集中」論に行き着き淘汰の発想に繋がる。福島原発問題からの発案 避難元と避難先の二重自治体に所属。住民とは誰かの概念がかわる。 自治体の範域がいま暮らしている住民だけが自治体の構成員である必要性はない。その区域か関わる様々んな形で参加してもよい。 住民であること」に付帯すること①行政サービスを享受すること②税を支払うこと③選挙権を行使すること→①権利 ②参加と協働 ③所属の三つの視点で考える。

Posted byブクログ

2022/06/01

半数の市町村が消滅する、としたレポート、通称「増田レポート」を、disるわけじゃないけれど、ちょっと視点が違うんじゃないの、という本。増田氏の「地方消滅」は未読のまま、先にこちらを読んでしまった。 増田レポートの問題点として再三あげられるのが「選択と集中」。東京一極集中はい...

半数の市町村が消滅する、としたレポート、通称「増田レポート」を、disるわけじゃないけれど、ちょっと視点が違うんじゃないの、という本。増田氏の「地方消滅」は未読のまま、先にこちらを読んでしまった。 増田レポートの問題点として再三あげられるのが「選択と集中」。東京一極集中はいけない、としながら、地方中核都市に人を集めよという。結局地方は切り捨てる、ということになってしまう。 今のところ政治家も役人も、地方を消滅させるのに積極的な素振りはみせていない。けれど、増田レポートの衝撃は大きく、その衝撃を利用して、「大義のため」などといって、地域を淘汰することが自分の仕事、というやつが出てきちゃうんじゃないか、そうすると危ないぞ、と。公的なレポートはいつも二面性を持っている(逃げ道を設けている)から、どっちに転んでも大丈夫(?)。 一番子どもが生まれない都市は東京で、それを模倣したような地域の都市をつくっていっても、子どもはやっぱり増えるわけでもないかもしれない。社会は経済と雇用だけでなりたっているのではないことは、特にいわゆる「地方」を見ればわかるだろう。「選択と集中」のカウンターとして、「多様性の共生」があげられている。今の世の中の怖いところは、「多様性の共生」という言葉さえ、一つの「選択」になってしまうところだが… 自治は小さな単位でこそ働く。自治体が消滅を恐れて大きくなればなるほど、自治は働かなくなる。集中、というのは、いろんなことを手放してしまうことなんだなあ。結局のところ、世の中は選択と集中に動きそうな香りが強く漂っているけれど、違う選択もある、ということは忘れちゃなんねえだ。

Posted byブクログ

2015/04/06

「選択と集中」「人口ダム」を唱える増田レポートの批判本であり、結局はネガキャンに過ぎない。それでも『地方消滅』を一つの提案として捉え、それを補完していると素直に読み進めるなら学ぶべきことは多い。地方自治体、自治会、そして家庭といった末端の実情を酌んで、地方再生策を「多様性の共生」...

「選択と集中」「人口ダム」を唱える増田レポートの批判本であり、結局はネガキャンに過ぎない。それでも『地方消滅』を一つの提案として捉え、それを補完していると素直に読み進めるなら学ぶべきことは多い。地方自治体、自治会、そして家庭といった末端の実情を酌んで、地方再生策を「多様性の共生」論で説く。しかし、増田レポートはまったく相反するものではなく、それを土台に持論を展開しているわけでしょ。日本を憂うる気持ちが同じなら、異論を受け入れる鷹揚さが欲しい。平成の大合併を大失敗と簡単に斬り捨てることは見識が甘い、と思う。

Posted byブクログ