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赤い三日月(下) の商品レビュー

4.4

6件のお客様レビュー

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2023/05/08

3回目ぐらいの読了。 背景描写のさりげなさが著者の魅力の一つであることを、再々読して気づかされた。 あんまりくどくど書くと細かくなりすぎて飽きられてしまうのだろうが、例えばキャラクターの学歴とか、トルコの街並みとか、そういったものが効果的に挿入されており、リアリティーが増す要因...

3回目ぐらいの読了。 背景描写のさりげなさが著者の魅力の一つであることを、再々読して気づかされた。 あんまりくどくど書くと細かくなりすぎて飽きられてしまうのだろうが、例えばキャラクターの学歴とか、トルコの街並みとか、そういったものが効果的に挿入されており、リアリティーが増す要因となっている。 この作品についていえば、主人公・但馬(おそらく若き日の筆者がベース)の人間的魅力もさるところながら、彼のアメリカ人上司・ゴールドシュタインのバンカーとしての生きざまにも心動かされた。 『シルクロードの滑走路』、『トップレフト』、『青い蜃気楼』などと並んで、私が好きな黒木氏作品である。

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2022/12/04

上巻に続き、下巻も読んでみました。 ※赤い三日月 小説ソブリン債務(上) https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4344422783#comment 相変わらずの超骨太金融小説。読み応えあります。 だからと言って、金融素人にも読...

上巻に続き、下巻も読んでみました。 ※赤い三日月 小説ソブリン債務(上) https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4344422783#comment 相変わらずの超骨太金融小説。読み応えあります。 だからと言って、金融素人にも読めない訳ではなく、 ある程度理解できるように著者が分かりやすく描いてくれています。 こういった国際金融に興味のある人は、 読んだら間違いなく面白いことでしょう。 (ちょっと時代が古いってのはありますが…。) あと、フィクションとノンフィクションの融合が絶妙なバランスで、 正直、どこまでがノンフィクションなのかが自分には良く分からず…。 ただそれが結構面白くもあり、勉強にもなります。 特にトルコについて知っている人なんてあまりいないと思うので、 こういった東欧の当時の様子がリアルに描かれているのは、 旅行に行ったような気分にもなるし、 当時の東欧の経済状況を知る意味でとても勉強にもなります。 ノンフィクションの要素がふんだんに盛り込まれているだけに、 決して「正義は勝つ!」みたいな分かりやすいストーリー構成になっている訳ではなく、 池井戸さんの半沢シリーズのような爽快感はないですが、 それがまた小説のストーリーにリアリティをもたらしています。 さらに、下巻途中からは、 「結局、アメリカの主義・主張の元で転がされているだけではないか?」という新しい投げ込みも 著者からされており、とても考えさせられました。。 という訳で、結構深い小説に仕上がっています。 気軽に読めるものじゃないですが、 読めばジンワリ考えさせられる小説です。

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2019/05/06

トルコとあまりイメージのない舞台に最初戸惑ったがやはり吸い込まれるようなテンポの国際金融ストーリーだった。

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2015/10/25

トルコの資金調達について、金融機関側から描いたお話。 今回も例外なく対外的・対内的の折衝の臨場感があり、楽しんで読めた。 そして、主人公の但馬の上司であるゴールドスタインがカッコよかった。最後の意味のあるディールへの取り組みこそが、金融マン最大のやりがいかもしれない。 カウンター...

トルコの資金調達について、金融機関側から描いたお話。 今回も例外なく対外的・対内的の折衝の臨場感があり、楽しんで読めた。 そして、主人公の但馬の上司であるゴールドスタインがカッコよかった。最後の意味のあるディールへの取り組みこそが、金融マン最大のやりがいかもしれない。 カウンターパートのエンヴェルも、官僚の良心という信念を貫き、カッコよかった。

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2015/06/29

トルコ担当の銀行マンの奮闘と成長を描く国際金融ストーリー。日常の業務と顧客面談にフォーカスされているあたり、かなり面白かった。

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2015/01/25

黒木亮らしい、淡々とストーリーが進む経済小説。1990年頃のトルコが舞台、といったら、今では想像がつかない程「ザ・途上国」でのビジネスだったのだろうと推測できる。そんな中での国際金融業務、融資引受けなど、いかにも理不尽だらけ、苦労の連続。そんな日々が描かれる。 しかしストーリー中...

黒木亮らしい、淡々とストーリーが進む経済小説。1990年頃のトルコが舞台、といったら、今では想像がつかない程「ザ・途上国」でのビジネスだったのだろうと推測できる。そんな中での国際金融業務、融資引受けなど、いかにも理不尽だらけ、苦労の連続。そんな日々が描かれる。 しかしストーリー中に出てくるビジネスマン(主人公:但馬一紀)達の働きぶりはアツいし、何より、ビジネスの中で窮地に追い込まれた時にどう判断し行動するか、といった点でとても参考になると思う。ストーリーの盛り上がりにこそ欠けるが、読後感は満足出来る。

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