道徳性の起源 の商品レビュー
この作品はチンパンジーやボノボの研究を通して得た知見を基に人間の道徳性や宗教について語っていきます。 私たちの道徳はどこから生まれてきたのか。 性善説、性悪説、人間ははたしてどっちなのか。 こうした議論はこれまで、哲学的、思想的な側面から語られてきました。 しかしドゥ・ヴ...
この作品はチンパンジーやボノボの研究を通して得た知見を基に人間の道徳性や宗教について語っていきます。 私たちの道徳はどこから生まれてきたのか。 性善説、性悪説、人間ははたしてどっちなのか。 こうした議論はこれまで、哲学的、思想的な側面から語られてきました。 しかしドゥ・ヴァールはそれらは人間だけにあるものだけではなく、動物にも存在するものであり、人間だけが特権的に善悪の基準を持っているわけではないことを語ります。 私たちの常識を覆すような驚きの事実が満載です。ぜひぜひ読んでみてください!ものすごくおすすめです!
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私は幼い頃から饒舌で隠し事が少ない方だと思う。神秘のヴェールに包まれているのは股間くらいである。それでも時折「隠そうとする心理」が働くことがある。大体の場合、「ちょっと恥ずかしいこと」である。往々にして「もう少し時間が経ったら書こう」との結論になる。 https://sessen...
私は幼い頃から饒舌で隠し事が少ない方だと思う。神秘のヴェールに包まれているのは股間くらいである。それでも時折「隠そうとする心理」が働くことがある。大体の場合、「ちょっと恥ずかしいこと」である。往々にして「もう少し時間が経ったら書こう」との結論になる。 https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2022/12/17/150835
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p66 エモリー大学の同僚のジェイムズ・リリングは、神経画像実験に基づいて、私たちには「協力をしたがる情動的傾向があり、そうとう努力して認知的制御を行わないかぎりそれを克服できない」と結論した。… リリングはさらに、正常な人が他者を助けると、報酬と結びついている脳の領域が活性化することも証明した。善いことをするのは気持ち良いのだ。
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文章は読みやすく書かれている。美術や功利主義、宗教の視点から類人猿の心を捉えるという視点もおもしろい。 エクセレントな箇所はいくつもあるが、例えば 「規律正しい社会を目にした時には、その裏には社会的序列がある場合が多いと思っていい。…突き詰めると、この序列は、暴力に根ざしている...
文章は読みやすく書かれている。美術や功利主義、宗教の視点から類人猿の心を捉えるという視点もおもしろい。 エクセレントな箇所はいくつもあるが、例えば 「規律正しい社会を目にした時には、その裏には社会的序列がある場合が多いと思っていい。…突き詰めると、この序列は、暴力に根ざしている。社会的序列は強力な抑制システムであり、それが、やはりそのようなシステムである人間の道徳性への道をつけたのことには疑問の余地はない。衝動の抑制がカギなのだ。」 と、まるで優れた哲学書のよう。ホッブスを使って類人猿の行動を説明するなんて素敵すぎないか。
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第1章 快楽の園に生きる 第2章 思いやりについて 第3章 系統樹におけるボノボ 第4章 神は死んだのか、それとも昏睡状態にあるだけなのか? 第5章 善きサルの寓話 第6章 十戒、黄金律、最大幸福原理の限界 第7章 神に取ってかわるもの 第8章 ボトムアップの道徳性
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p39 私たちが例外なく親切だったなら、道徳性など無用の長物になる→道徳性という言葉自体に人間の持つ悪意や攻撃性が現れている? p45 プライスは利他主義は負の側面を伴うことなしには現れえなかったかもしれないと考えて絶望した(例えば、外集団に対する拷問やレイプをする様にならない限...
p39 私たちが例外なく親切だったなら、道徳性など無用の長物になる→道徳性という言葉自体に人間の持つ悪意や攻撃性が現れている? p45 プライスは利他主義は負の側面を伴うことなしには現れえなかったかもしれないと考えて絶望した(例えば、外集団に対する拷問やレイプをする様にならない限り、ない集団に対する忠誠も進化しない)
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2016.10.9 あかん… おもしろいけど難しい。 どうも洋書の翻訳は、頭がついていかない。 自分の読解力の無さが露見した一冊。 しばらく手元に置いておいて、いつか再読してわかるようになっていたい。
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人間に一番近いといわれる動物「ボノボ」や「チンパンジー」をはじめ、様々な生物の生き続ける知恵(生態)としての集団行動は、人間における道徳性とどのような違いがあるのか?共通項は何か?あらゆる事例を紹介することにより、人間の道徳性の本質を解明しようとする大著。
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※このレビューにはネタバレを含みます
道徳性はどこから来たのか? 私たちヒトの道徳性が宗教によってもたらされた「与えられたもの」であるというトップダウンの考え方を否定し、私たちの他者に対する思いやりや共感(=道徳性)が、進化の過程で獲得されたものであるという事を生物学の視点から述べる。 ボノボやチンパンジーの観察事例が非常におもしろいが、そのウエイトは期待していた量より少なく、道徳性に対する世界の考え方の変化(歴史的な内容)について述べている部分が多かった。
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ボノボの行動特性を例に、人の利他性や道徳性の起源を考察。 ボノボの生活が人間とかなり近いのが興味深い。
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