リヴァイアサン(1) の商品レビュー
社会科学を勉強していると、ちょいちょい『リヴァイアサン』の話が出てくるので、「読まないといけないかも」と思い、読んでみました。 が、正直言って、要約本があれば、それを読めば十分かも、と思いました。 原著は400年前の本ということもあり、仕方ないとは思うのですが、とくに理系的な素...
社会科学を勉強していると、ちょいちょい『リヴァイアサン』の話が出てくるので、「読まないといけないかも」と思い、読んでみました。 が、正直言って、要約本があれば、それを読めば十分かも、と思いました。 原著は400年前の本ということもあり、仕方ないとは思うのですが、とくに理系的な素養がある程度ある人は、自然科学やそれに類する部分に関わる記述ではツッコミどころが多すぎて、読むのがつらいかもしれません。 ロジックも甘く、場合分けも粗いですし、エビデンスも希薄で、客観性に乏しく主観的。 「この本をたたき台にして、社会についていろいろ考えていきましょう」という位置づけであれば、読む価値はあると思いますが、現代社会のあり方や仕組み、現代社会に至るまでの歴史をそれなりに知っている人であれば、わざわざこの本を読むことはないと思います。 とはいえ、この本は、『リヴァイアサン』の第一部でしかないので、念のため、続きも読んでみるつもりです。
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自然法という言葉は教科書で習ったけど、それがなぜ「自然」と言えるのかはよく知らなかった。「当たり前」の根源に立ち向かう哲学書。
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例の闘争状態を証明するために、人間の性質についてかなり細かく論じられているのが面白い。契約などについての自然法が、平和の追求を基本として演繹的に導かれているのもよく分かりました。素晴らしい翻訳がそれらの理解の助けになっています。 ホッブズが分析する人間の行動様式は、感覚的に納得...
例の闘争状態を証明するために、人間の性質についてかなり細かく論じられているのが面白い。契約などについての自然法が、平和の追求を基本として演繹的に導かれているのもよく分かりました。素晴らしい翻訳がそれらの理解の助けになっています。 ホッブズが分析する人間の行動様式は、感覚的に納得のいくものばかり。現代人も基本的には変わってないなと思えるので、彼の演繹には普遍性があるかも。その人間の愚かさを前提に三段論法で万人の闘争状態を導く流れは見事です。 個人的には、ある程度豊かさの底上げがされ、人間の利他性や共感力が証明されてきている現在、この理屈が通用しない世の中がくるのでは?という期待を持っています。 ホッブズの基本原理が平和であって豊かさではないところは面白いです。その結果、正不正の概念は国家と法がないと成立しないのでなんとも不安になりました。平和のみを追求する結果、格差の拡大を許し、契約による正義でそれが正当化され、結果として人が不幸になるのではと。 自然法を演繹的に導いていますが、その基本原理が平和の追求であることの根拠が欲しかった。個人的な欲求は人それぞれだから、それを目指すと闘争状態になると書かれてますが、うーん、腑に落ちない…。
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[出典] 狂気の読み屋 都甲幸治 [備考] リヴァイアサン ホッブズ → 贈与論 マルセル・モース
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1.感覚について 「思考はいずれも私たちが感覚と呼ぶものを本源とする。...感覚を引き起こすのは、外部の物体すなわち対象である。」 「(物体の運動のある状態はしばらく続くことをたとえにして)目で何かを見た問屋睡眠中に夢を見たときに体内で行われる運動も、同様の現象を伴う。...見て...
1.感覚について 「思考はいずれも私たちが感覚と呼ぶものを本源とする。...感覚を引き起こすのは、外部の物体すなわち対象である。」 「(物体の運動のある状態はしばらく続くことをたとえにして)目で何かを見た問屋睡眠中に夢を見たときに体内で行われる運動も、同様の現象を伴う。...見ていた物体の像は保たれる。...イマジネーションとは、薄れゆく感覚に他ならない。」
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元祖 民主主義・社会契約論である イングランドのホッブズ著の『リヴァイアサン』 1651年に刊行。 まず言えることは、 この古典がなければ恐らく、 ジョン・ロック『市民政府論』、トーマス・ペイン『コモンセンス』、ルソー『人間不平等起源論』などの、民主主義を振興した古典達は生ま...
元祖 民主主義・社会契約論である イングランドのホッブズ著の『リヴァイアサン』 1651年に刊行。 まず言えることは、 この古典がなければ恐らく、 ジョン・ロック『市民政府論』、トーマス・ペイン『コモンセンス』、ルソー『人間不平等起源論』などの、民主主義を振興した古典達は生まれなかったであろうということ。 ということは、 名誉革命も、アメリカ独立戦争も、フランス革命もあの時期にあのように起こりはしなかっただろう。 歴史に「If」はないというのはもはや陳腐な言い方かもしれないが、このホッブズの『リヴァイアサン』に関してはそれほどのインパクトを与えた、今の世界を構成している民主主義国家の礎となる概念、自然法や人権というものを生み出していくきっかけとなった本だ。 人間というのは、自然状態、つまり原始の状態では、互いに争いを行うということが、ホッブズの論理の前提となっており、 それを表す著名な言葉が「万人の万人に対する闘争」 それが故に、人間は国家で法律を決めてきちんと管理されなきゃならんと言う。 ホッブズは、 なぜ自然状態では万人の万人に対する闘争になるのかというメカニズムを、 国家を構成する人間の本性にまでさかのぼって論じている。 この光文社のリヴァイアサンは2巻あるが、この1巻はほぼ全てをその論証に使って、緻密に論理を組み立てていっている。 この緻密さがまた、この古典を古典たらしめた所以だろう。 人は論理的に説明されるからこそ、 ちゃんと腹に落ち、深く腑に落ちるからこそ、 その論理は残るのだから。
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