夜の木の下で の商品レビュー
静かだなあ。すれ違いのお話たち。 大きく心が動かされるほどの衝撃ではなく、静かにそこに横たわっているような、 日常に潜む影を少し切り取ったような。
Posted by
筆者の本は初めて読んだ。男性・女性、いろいろな視点で描かれた6篇のストーリー。変なロマンチシズムがなく、さらっとして、優しい。 感情についての「気づき」が多く、それをすくって書き上げる感性が豊か。 通底するテーマは、過去の自分を振り返り、いまの自分のありようを素直に認ること。誰も...
筆者の本は初めて読んだ。男性・女性、いろいろな視点で描かれた6篇のストーリー。変なロマンチシズムがなく、さらっとして、優しい。 感情についての「気づき」が多く、それをすくって書き上げる感性が豊か。 通底するテーマは、過去の自分を振り返り、いまの自分のありようを素直に認ること。誰もがどこかで求めている「肯定」を与えてくれる。
Posted by
題名のイメージどおり、しーんと静まった雰囲気で話は進むのだけど、ちらちらと激しいものが潜んでる感じ。短編集。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編。 病弱だった双子の弟をアオキの木の下で思い出すこと。 トイレ掃除を一緒にした同級生と進路。 幼なじみの男の子との別れ、サドルとの別れ。 いじめられっ子の同級生との友情と罪。 祖父と一緒に暮らした時に出会った網枝さん。 事故で意識不明の弟と看病する姉。 静かな悲しみと穏やかな愛に溢れる感じ。 夾竹桃って花がよく出てきたのが印象的。 もっと著者の本読みたい)^o^(
Posted by
あまりの装丁の美しさにジャケ買いした時に読んだ時には、このひとつひとつの物語の良さが全然わからなかった。この夏、久しぶりにじっくり時間をかけて読みかえしてみて、ようやく意味がわかったというか、この物語と私の焦点があったような気がする。 誰もが抱える心の奥底にあるさまざまな想いを...
あまりの装丁の美しさにジャケ買いした時に読んだ時には、このひとつひとつの物語の良さが全然わからなかった。この夏、久しぶりにじっくり時間をかけて読みかえしてみて、ようやく意味がわかったというか、この物語と私の焦点があったような気がする。 誰もが抱える心の奥底にあるさまざまな想いをそっと浮上させて浄化させていくというか。今まで仕舞い込んでいたものをようやく語りだすことで見つけられるものがあるのですね。
Posted by
生と死についての短編集。心に残る佳編が多く、この猛暑の中でも、読んでいる間は自分がシンとおさまる感じがした。
Posted by
久しぶりに読んだ湯本香樹実の作品。 短編集。 私は最後の「夜の木の下で」が好き。生と死を彷徨う弟を見守る姉視点の話から、当の彷徨う弟視点に変わり、2人の姉弟が互いを想い合う気持ちが温かく感じられた。
Posted by
子供時代、少年、少女時代というのは、とかくままならないものである。 目に見えぬ大人達からの網に絡め取られているような青少年の焦燥感を描かせたら、湯本香樹実氏の独壇場であると言えるのではないか。 大人になると忘れてしまいそうな、子供時代のほろ苦さ、愛おしさが秀逸な一冊。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集。 短編でなく長い物語になりそうな話ばかりで とてもよい短編集だったけれど 読後感のあまりよくない話もあり 読み終わった後は霧雨に濡れてしまったような じっとりとどんよりした気分になった。
Posted by
きっかけになった朝日の書評を探したらBookAsahi.comにあったので以下に著者のコメントを一つだけ抜粋。 「言葉で表せない未整理の記憶や心の中の他者たちの存在によって自分は生きている。ずっと感じてきたことが少しはかたちにできたかな」 もともと音楽家の著者らしく、「マジッ...
きっかけになった朝日の書評を探したらBookAsahi.comにあったので以下に著者のコメントを一つだけ抜粋。 「言葉で表せない未整理の記憶や心の中の他者たちの存在によって自分は生きている。ずっと感じてきたことが少しはかたちにできたかな」 もともと音楽家の著者らしく、「マジック・フルート」にはバッハやシューマンやベートーヴェンの作品名が出て来るのも楽しい。
Posted by