言葉なんかおぼえるんじゃなかった の商品レビュー
以前から「読むべき」人として名前をメモしておいた 今回、図書館から『現代の詩人 田村隆一』を借りて、最初の一編を読んだだけで迫力に圧倒された 買うべき本だと思っている
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「言葉」というのは、人間が人間である所以なんだよ。 動物と人間との違いというのは、この言語能力にあるわけ。 言葉によって概念を操って人間は思考することが出来るのな。だから本能以外の行動を人間だけが出来るんだよ。 しかし、その「言葉」によって、人間は動物が持ち得ない悲しみを得てしま...
「言葉」というのは、人間が人間である所以なんだよ。 動物と人間との違いというのは、この言語能力にあるわけ。 言葉によって概念を操って人間は思考することが出来るのな。だから本能以外の行動を人間だけが出来るんだよ。 しかし、その「言葉」によって、人間は動物が持ち得ない悲しみを得てしまうのな。 動物は仲間でも自分の子供でさえ、平然と見捨てるんだよ。 動物はそれでいいんだよ。 しかし人間だけは、言葉によって膨大なことを考えてしまうわけ。 それが「不幸」だと捉えれば、この詩は何の意味もないんだよ。 悲しみこそが人間の所以なの。悲しみ、苦しまないと人間じゃないんだよな。 そういうことを描いている詩なんだよ。 そして「悲しみ」というものが何なのかと言えば、それは自分のものではないもののことなんだよ。 自分のことで悲しんだり喜んだりするのは、動物も同じなの。感情って動物にもあるんだ。 しかし、人間は言葉による思考のために、他者の悲しみを感じてしまうのな。 でも、生命として、本来はそれは無関係なわけ。ここが重要なんだよ。 第一段はいいよな。 第二段は、思考することで何かに気付いてしまう苦しみと、自分が考えて行動したことで負ってしまう痛みのことだよ。思考と行動の両方から人間は悲しみ、苦しみを得てしまう、ということだよな。 第三段は、そういう他者の痛みを見ても、またその心の中に隠されたものでも感じてしまう人間の思考だよ。動物には無い人間だけのものだ、ということが語られているわけ。 そして第四段において、人間はちっぽけな存在だから、どんなに重く苦しんでも悲しんでも思っても、それは世界の摂理や壮大な流れには遠く及ばない、ということが語られる。 しかし、それは同時に、そういうちっぽけなものなのに、人間というのは大きな悲しみや苦しみを抱いてしまうものなのだ、ということだよな。 そういうことが第五段によって、大いなる肯定として詩人は慟哭しているんだよ。 生命として違ってはいても、ちっぽけなものであったとしても、自分は他者の悲しみに立ち止まり、他者の行なった悲しみを自分のものとして受け止めよう、ということだ。 「涙」というのは心の中にある悲しみであり、「血」というのは外に顕れた悲しみだよな。 また「涙のなか」は人間だけが持つ悲しみのことであり、「血のなか」とは人間というものが自分も他も一体なのだという大らかな宣言と解してもいいんだよ。 他人の悲しみに敏感なんだよ、田村隆一は。自分のものではない悲しみを感じてしまうからこそ、一流の詩人になれたんだよな。
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言葉なんか覚えるんじゃなかった こと一文の強さ、広がりはすごい。 きっと、思い出すたびにさまざまに思考が広がるだろう。 代表的な詩と、語り。 言葉の深みを知り抜いた詩人の粋。
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ちゃんとした感想はもう一回読んでから書きたいなと思う。 田村隆一との出会いは本著が初めて。良き出会いをいただいた。 紹介してくれたのは私が好きなアーティストのみゆな。みゆなの作品作りに本著の影響が現れていることがよくわかる。 作品の解釈は受け手に委ねる。百人いれば百通りの解...
ちゃんとした感想はもう一回読んでから書きたいなと思う。 田村隆一との出会いは本著が初めて。良き出会いをいただいた。 紹介してくれたのは私が好きなアーティストのみゆな。みゆなの作品作りに本著の影響が現れていることがよくわかる。 作品の解釈は受け手に委ねる。百人いれば百通りの解釈がある。まさにその通り。人生もそう。他人と比較することなく、他人の評価を鵜呑みにすることなく、自分がいいと感じること、ときめくことに嘘をつかずに向き合っていける人間になりたいと思う。
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言葉なんか覚えるんじゃなかった、という感覚は理解できる。そう思う。ただ、まだまだ未熟で、実感として強く感情がこみあげてくるまてには、至っていない。
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ずっと大好きな本、何度読んでもいいな。 帰途という詩がとてもすき、つらいことがあるとこの詩を思い出す。 言葉なんかおぼえるんじゃなかった、ほんとにそう思うよ。
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いくつかの詩。詩人の実感からのことばは、とてもありがたいと感じるものも多かった。 たまには、詩人に出会うそんな読書も楽しいものだ。
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老詩人の放談集です。無頼の詩人は、ここでも相も変わらず言いたい放題。でも、憎めないどころか、なんだかカッコイイ。ご本人の写真を拝見すると、若いころよりも、お歳をめされてからの方がカッコ良いですネッ。人生を生きたって感じです。歳は取りたくないけれど、こういうお年寄には憧れます。 ...
老詩人の放談集です。無頼の詩人は、ここでも相も変わらず言いたい放題。でも、憎めないどころか、なんだかカッコイイ。ご本人の写真を拝見すると、若いころよりも、お歳をめされてからの方がカッコ良いですネッ。人生を生きたって感じです。歳は取りたくないけれど、こういうお年寄には憧れます。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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著者名に見覚えがあるなと思ったら海外ミステリの翻訳で有名な方だった。本書では人生経験豊かな詩人が語る箴言の数々に頷かされ、近年幅を利かせているハラスメントという捉え方がやや偏狭なものに思えてくる。それにしてもタイトルとなった一文はどきりとさせられる一言である。
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大詩人に話しかけられて、彼の詩を聞かせてもらう。交互に。これで文庫かな、と思うくらい贅沢な時間だな。もっと感性の開けたときなら、ビリビリと感じるような言葉に出会えそう。永久保存。今はまだ味わい尽くせたとは思えないし。
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