1,800円以上の注文で送料無料

地図とスイッチ の商品レビュー

3.1

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/03/15

人生には道筋となるスイッチがある。ストレートなテーマであるにもかかわらず、ほんの少しぞっとさせる部分があるのはさすが。 同じ日同じ病院で生まれた男の子の半生を描く。これといった大きな節目はないのだけれど、どことなくつながっているところがあるから不思議。でも、世の中ってそういうもの...

人生には道筋となるスイッチがある。ストレートなテーマであるにもかかわらず、ほんの少しぞっとさせる部分があるのはさすが。 同じ日同じ病院で生まれた男の子の半生を描く。これといった大きな節目はないのだけれど、どことなくつながっているところがあるから不思議。でも、世の中ってそういうものだよ、と納得してしまった。

Posted byブクログ

2015/03/14

昭和47年9月8日に同じ病院で生まれた2人の男、僕とおれの交差した人生を描いた長編。昭和の時代の出来事とともに語られる普通の人の40年の人生ですが引き込まれました。

Posted byブクログ

2015/03/01

同日に生まれた二人の男性の人生をその時々の時代と絡ませて描く方法はおもしろいのに、印象が薄く物足りない。まず、"スイッチ"が活かし切れていない感がある。("地図"に至っては全く、という気がした。)また著者には珍しく文章がわかりづらく何度か読...

同日に生まれた二人の男性の人生をその時々の時代と絡ませて描く方法はおもしろいのに、印象が薄く物足りない。まず、"スイッチ"が活かし切れていない感がある。("地図"に至っては全く、という気がした。)また著者には珍しく文章がわかりづらく何度か読み返さなくてはならない部分があったこと。そして物足りなさの最大の理由は恐らく、主人公二人に魅力が感じられなかったこと。

Posted byブクログ

2015/02/24

 女子にやに下がる男子が登場するお話。  そしてそれが読んでいて心地よいというか、こちらもにやにやとしてしまう牧歌的さである。  こうあるべきというより、あるものの中にあるぬるま湯のような幸せ(褒め言葉的な意味で)。こういった男性たちを、憎むべきも愛しい女性たちを女性作家が書くの...

 女子にやに下がる男子が登場するお話。  そしてそれが読んでいて心地よいというか、こちらもにやにやとしてしまう牧歌的さである。  こうあるべきというより、あるものの中にあるぬるま湯のような幸せ(褒め言葉的な意味で)。こういった男性たちを、憎むべきも愛しい女性たちを女性作家が書くのかぁと思わせた。

Posted byブクログ

2015/02/06

母親が、同級生で、同じ病院で、同じ日に生まれた男の子2人。 「おれ」と「ボク」で、構成されており、生まれた47年の出来事と、紅白歌合戦の司会者まで書かれている。 時々、歌のは歌の話など、懐かしく思ったり、湾岸戦争や、9.11など、ついこの間のように思える。 この二人の人生40年...

母親が、同級生で、同じ病院で、同じ日に生まれた男の子2人。 「おれ」と「ボク」で、構成されており、生まれた47年の出来事と、紅白歌合戦の司会者まで書かれている。 時々、歌のは歌の話など、懐かしく思ったり、湾岸戦争や、9.11など、ついこの間のように思える。 この二人の人生40年程の間に、何処で、スイッチを入れて行ったのだろう。 右左、三叉路、と、人生の選択肢は、色々あるだろうが、老いてから、ああ~幸せな人生だった、、、と、思えるようなスイッチを入れて行きたいものだと、思った。 内容的には、何か、平凡過ぎて、題名よりの印象から、外れていた。

Posted byブクログ

2015/01/30

昭和47年9月8日、札幌の同じ病院で生まれたふたりの赤ちゃん。ほとんどつながりのない「ぼく」と「おれ」はその後、それぞれの「スイッチ」をところどころで押しながら、人生の「地図」を描いていく――。 湾岸戦争や阪神大震災などなど、その時々の出来事や事件を登場させつつ、2人が知らない場...

昭和47年9月8日、札幌の同じ病院で生まれたふたりの赤ちゃん。ほとんどつながりのない「ぼく」と「おれ」はその後、それぞれの「スイッチ」をところどころで押しながら、人生の「地図」を描いていく――。 湾岸戦争や阪神大震災などなど、その時々の出来事や事件を登場させつつ、2人が知らない場所でうっすらと絡み合う人生が描かれる。自分が同じ47年生まれのせいもあり、同じ時期に東京にいたり事件に対して同じような感想を持っていたりと、とてもリアルに物語に入りこめる感覚があった。

Posted byブクログ

2015/01/21

同じ日に生まれた「ぼく」と「おれ」それぞれの40年。色々あった40年がそれぞれ交互に語られていく。微妙にニアミス。 坦々と進んでいくけど、客観的に2人をみる描写もあり、いるなーこういう人と思いながら読んだ。それにしても、登場する女性陣がみなさん強かでした。。 自分も今までたくさん...

同じ日に生まれた「ぼく」と「おれ」それぞれの40年。色々あった40年がそれぞれ交互に語られていく。微妙にニアミス。 坦々と進んでいくけど、客観的に2人をみる描写もあり、いるなーこういう人と思いながら読んだ。それにしても、登場する女性陣がみなさん強かでした。。 自分も今までたくさんのスイッチを押してきて、これからも押していくんだろうな、としみじみ。

Posted byブクログ

2015/01/20

同年同月同日に同じ病院でうまれた「2人」の人生がそれぞれ描かれていく話。各章の冒頭に、その章で出てくる「年」に何があったかの概略と、その「年」の紅白歌合戦で誰が司会で、トップバッターが誰で、トリが誰だったかという細かい情報が書いてあり、ちょろっと紅白ネタが出てくる箇所はあるにして...

同年同月同日に同じ病院でうまれた「2人」の人生がそれぞれ描かれていく話。各章の冒頭に、その章で出てくる「年」に何があったかの概略と、その「年」の紅白歌合戦で誰が司会で、トップバッターが誰で、トリが誰だったかという細かい情報が書いてあり、ちょろっと紅白ネタが出てくる箇所はあるにしても、どの章の冒頭でも律儀に紅白情報が掲載されているのがちょっとおかしかった。 主人公の「2人」は、1972年うまれという設定。わりと歳が近いので、それぞれの「年」を経験した歳も似てるところがあって、でもその中で、こんな人生もあんな人生もあるんやなーと思いながら読んだ。 「ぼく」=蒲生栄人(がもう・えいと)は、東京育ち。「おれ」=仁村拓郎(にむら・たくろう)は、札幌育ち。同じ札幌の病院で生まれたのは、栄人の母が里帰り出産をしたからだった。母同士は、小学校、中学校の同級生だった。といっても、さして親しかったわけではなく、「ぼく」の人生と「おれ」の人生がそれぞれ違っているように、その母の人生もまた違うのだった。 各章で、「ぼく」の話と「おれ」の話が綴られる。2人の話が、ところどころで、チラっとつながる。幼い日には、それぞれが母方のばあちゃんちを訪ねたときに、公園で遭遇してもいる。 いま2人は東京で、実はけっこう近くにいる。「ぼく」がインテリアショップの同僚として働いている「ちえり」さんは、「おれ」の2度目の妻なのだ。そして、「ぼく」と私立の小学校でずっと同級だった「相野谷(あいのや)」(つまりは、この男もまた1972年うまれ)が、「ぼく」と「ちえり」が働くインテリアショップのオーナーなのだ。 「ぼく」の話と「おれ」の話が並行して語られるだけではなく、この「ちえり」や「相野谷」の目から見た「ぼく」や「おれ」の姿が見えてくるところがおもしろい。とくに「ちえり」が平成生まれと、「おれ」よりかなり歳下(高1のときに生まれた赤ん坊、という歳の差)という距離感が。 たとえば、ちえりが、"使えないおじさん"の「ぼく」のことを、「おれ」に愚痴る場面。「ぼく」も「おれ」も相野谷さんも同い歳だが、だからといって何もかも同じじゃないと頭では分かるけれど…とちえりは言う。 ▼おれは、首をかしげるちえりの頭を撫でた。  「『いまどきの若者』がみんな同じじゃないのと一緒だよ」  「そっかー」  ちえりは真ん丸い目を輝かせた。  「大人のひとに『いまどきの若者』って括られて、あーだこーだ言われると腹立つのに、あたしも『おじさん』にたいしては同じように考えてたー」(pp.123-124) あるいは、結婚パーティーに親きょうだいを呼びたくないという「ちえり」の心に、「おれ」は戸惑う。 ▼本心はひとつとはかぎらない。四十にもなれば、そんなことくらいは承知の上だ。なのだが、おれの可愛いちえりのなかに潜む、得体の知れない暗いものを見てしまった気がしてならなかった。それが、おれの胸になすりつけられたように残った。(p.174) 歳こそ「ちえり」が一番下だけれど、同い歳の3人のうち、わけても「ぼく」のフラフラ具合は、むしろ「いまどき」かもなぁと思った。 雑誌連載時には、「地図と年表」というタイトルだったそうだ。「スイッチ」という言葉が入って、人生のどこでどんなスイッチを押して、自分の道はここまできたのだろうと思わせる。 (1/14了)

Posted byブクログ

2015/01/15

肩肘をはらない人生。こんな言葉をはくのは簡単だ。でも、どのような状況の人が言うかで、重きって変わるんだよね。 若い人は、自分に与えられた環境を恨むし、もしくは喜ぶし。 でも、二十年後には気付くんだよ。与えられた環境よりも、自分がどう生きたいかが大事だってこを。 そんな感想を...

肩肘をはらない人生。こんな言葉をはくのは簡単だ。でも、どのような状況の人が言うかで、重きって変わるんだよね。 若い人は、自分に与えられた環境を恨むし、もしくは喜ぶし。 でも、二十年後には気付くんだよ。与えられた環境よりも、自分がどう生きたいかが大事だってこを。 そんな感想を持ちました。

Posted byブクログ

2015/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

同じ日時、同じ場所で生まれた男2人の物語。なっ、星占いなんてかなりテケトーなもんやねんで…ってことが言いたいわけではなく どっちの主人公もどこにでもいそうな40代 人生舐めてかかってそれでも上手く生きていく「ぼく」と、しっかり堅実に人生設計を立てているようで周囲の人間(特に年上の元妻と年下の現妻)にうまーいこと踊らされてる「おれ」 20代30代ならそれも魅力だが、40になるとそれが「イタさ」に変わるから困ったもんである(俺も間違いなくイタさをひきずった40越えのおっさんだし…)。そのイタさがまず本書の醍醐味である。関わってくる女性陣のしたたかさもエエ味出してる。怖いよなぁ~女って この2人の微妙に交錯している半生が面白い。辻村深月の各小説キャスト関連のミニチュア版みたいな楽しさ、それがスパイスとなって小説のめり込み度合いもグっと進む、上手いなぁ~

Posted byブクログ