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幕末史 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2015/11/15

幕末の複雑な政治情勢は1990年の大河ドラマ翔が如くなどでようやく概観をつかんだ気がしていたが、本書ではかなり違った印象を受けた。特に大政奉還から王政復古の大号令までの詳細な経緯、主要人物で倒幕を掲げる者はいなかった…ドラマでは悪役の久光公が有能でたびたび孝明天皇に相談されていた...

幕末の複雑な政治情勢は1990年の大河ドラマ翔が如くなどでようやく概観をつかんだ気がしていたが、本書ではかなり違った印象を受けた。特に大政奉還から王政復古の大号令までの詳細な経緯、主要人物で倒幕を掲げる者はいなかった…ドラマでは悪役の久光公が有能でたびたび孝明天皇に相談されていた…など驚きかつ新鮮だった。単なる通史でなく、論点が整理されていて、日時が前後しながらの記述なので、多少神経を使うが、禁門の変など幕末の重要事件が克明に叙述されていて引き込まれる。あとがきで、著者は病と戦いながらの執筆であることを知らされる。気迫のある記述の理由が分かった気がした。日経新聞で高い評価を得ていたのも納得した。だが、歴博の「大久保利通とその時代」で、大久保が久光をだだっ子で子どものようだ、と評している史料をみてやはり過大評価ではないだろうか、と思ってしまった。

Posted byブクログ

2015/01/06

本作の主張の根拠となる史料の読み方が適切なのか判断できないのだが、なかなかに刺激的で野心的な見解が展開される。特に「攘夷」を巡る主張には耳を傾ける必要ありかと。理由は美しく単純なアウトライン。 当方の基本的スタンスは、科学的主張は美的センスに満ちていて単純であればあるほど望ましい...

本作の主張の根拠となる史料の読み方が適切なのか判断できないのだが、なかなかに刺激的で野心的な見解が展開される。特に「攘夷」を巡る主張には耳を傾ける必要ありかと。理由は美しく単純なアウトライン。 当方の基本的スタンスは、科学的主張は美的センスに満ちていて単純であればあるほど望ましい、です。これは自然科学のみならず、社会科学にも当てはまるかと。 この点、本作の主張は十分にその条件を満たしているように思える。既存の論者との間で今後建設的議論がなされると有難しだなぁ。

Posted byブクログ