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日本思想全史 の商品レビュー

3.5

15件のお客様レビュー

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2024/09/07

日本思想史上の出来事について、あらゆる事柄を広く浅く解説した本です。内容は、どちらかといえば仏教が多めですが、他の思想史ではあまり取り上げられない芸術に関する思想も取り上げられており、大変興味深い本でした。 【こんな人におすすめ】 日本思想史について広く浅く学びたい人

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2024/01/18

本書は、日本における古代から近代までの思想の変遷を幅広くまとめたものである。 本書だけでは日本の思想を全て網羅することはできない。しかし、興味のある思想を見つけたい人にとって最適なガイドブックとなるだろう。 しかし、個人的には説明が少し分かりにくかった。新しい専門用語が何の説明も...

本書は、日本における古代から近代までの思想の変遷を幅広くまとめたものである。 本書だけでは日本の思想を全て網羅することはできない。しかし、興味のある思想を見つけたい人にとって最適なガイドブックとなるだろう。 しかし、個人的には説明が少し分かりにくかった。新しい専門用語が何の説明もなしにいきなり登場し、読み進めていくとやっとその用語に関する説明が現れた。正直読むのにストレスがかかった。これに関しては仕方ない所もあるかもしれない。 この本を読んで私は日本仏教の歴史と文化や、西田幾多郎と丸山眞男などの近現代の思想家について興味を持った。次はこれらに関する本を読もうと思う。 最後のあとがきには、ミルのある言葉を筆者なりに解釈した文章があった。 「人が習慣的に自明の理として受け入れている伝統的教説を、受動的に受け入れるのではなく、各自の経験をもとにその意味を考え、自らの意見を手にする。そのことは、人がその個性を発揮し、異なった多様な意見が交わされる自由で寛容な社会が実現する一径路である-私はミルの言葉をこう解する。」 この言葉は胸に刻んでおきたいと感じた。

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2023/10/28

古代から現代までの日本について,思想をベースに流れを掴むという意欲的な本。日本史の学習ではあまり考えないようなことを知るには良い。

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2021/12/20

古代と中世が微妙。近世から現代くらいが専門の方なのかと思う。日本思想という割に漢籍の知識はそれほど深くないと感じた。日本語の文章だけを読んで書いてる感じ

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2020/12/07

日本中世史の勉強過程で網野善彦氏らの著作に接したが、当時の民衆に根付いていた仏教的な価値観をいまいちイメージできず、本書をもってその導入過程から勉強することにした。 目的に叶ったかというと概論なのでそうとも言えないが、一方で体系だてて古来から現在に至る連続性のある日本の思想史を学...

日本中世史の勉強過程で網野善彦氏らの著作に接したが、当時の民衆に根付いていた仏教的な価値観をいまいちイメージできず、本書をもってその導入過程から勉強することにした。 目的に叶ったかというと概論なのでそうとも言えないが、一方で体系だてて古来から現在に至る連続性のある日本の思想史を学べてよかった。それら思想が民衆の生き方や行動にどのような影響を与えていたのかなどを深めているとなおよかったと思う。(本書の目的はこれではないだろうが)

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2020/07/25

全史なので概論に過ぎないが、古代から近世にかけては比較的詳しい。日本にこだわって、いわゆる「翻訳学問」を排除し通史として扱っていることは、参考になる。他の学問分野、特に人文そして時には社会科学においても、「翻訳」の部分を取り除いて眺めていくと、さらなる発見もあるかもしれない。思想...

全史なので概論に過ぎないが、古代から近世にかけては比較的詳しい。日本にこだわって、いわゆる「翻訳学問」を排除し通史として扱っていることは、参考になる。他の学問分野、特に人文そして時には社会科学においても、「翻訳」の部分を取り除いて眺めていくと、さらなる発見もあるかもしれない。思想的に偏ったものになっていないことも好ましい。

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2019/07/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

神話時代から現代までの思想をまとめた一冊。 このうち近世(江戸時代)についてはキリスト教、儒教・朱子学から蘭学、幕末の思想までをたどっている。

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2018/04/22

500ページ近くある新書としては、かなり分厚い感じの本。 でも、2分冊にわかれてなくて、1冊で、古事記の神話から、万葉集、仏教伝来、王朝文学、神道、鎌倉仏教、芸道、キリスト教伝来、儒教思想、国学、明治の啓蒙思想、デモクラシー、超国家主義、戦後民主主義、現在の思想の多様性までを一...

500ページ近くある新書としては、かなり分厚い感じの本。 でも、2分冊にわかれてなくて、1冊で、古事記の神話から、万葉集、仏教伝来、王朝文学、神道、鎌倉仏教、芸道、キリスト教伝来、儒教思想、国学、明治の啓蒙思想、デモクラシー、超国家主義、戦後民主主義、現在の思想の多様性までを一気にレビューできて壮観だし、爽快。 当然、トピックごとの記述は薄いのだけど、一人の著者が一気に解説していくことで、なんだかパワーが伝わってくる。 (近現代になると、ややパワーが下がってしまう気もするが、それは、まあ仕方ないのかな?他の時代だったら、数ページで取り扱われるくらいの時間の長さかもだからね) 改めて、日本の思想史を振り返ると、 ・日本独自の文化というものが最初からあるわけでなく、中国などからの文化の影響があって、それをどう自分ナイズするかという歴史なんだな ・その時、何を受け入れるか、どうかという点においては、諸説の比較検討があって、その中から選択するというある種のロジカルなプロセスがある ・儒教の影響というのは、実は、江戸時代からで、それ以前は、そこまで日本の文化の主流ではなかったのだな ・つまり、いわゆる「日本的」な儒教的な道徳観念(教育勅語とかに通じる)は、江戸以降の概念なんだな ・アニミズム的なところから、いわゆる「神道」として概念整理されるのは、結構、後の時代なんだな、そして、それを日本の国家観みたいなものにつないだのは、さらに後、明治以降の話なんだな みたいな印象。 大きな歴史の流れを見ると、私たちが今ここにいて、いわゆる「日本的」だと思っているものが、いかに一時的であることがわかる。 この相対化は、なんかとても大事な気がする。

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2016/01/20

柳田国男は、奈良時代・平安時代を評価し、鈴木大拙は鎌倉時代を評価したとあります。われわれは、古文の授業で奈良・平安時代ばかりを教わるので、つい、奈良時代・平安時代を評価してしまうが、別の考え方があることを知った。  記紀についても、『古事記』が成立直後に歴史から姿を隠し、『日本書...

柳田国男は、奈良時代・平安時代を評価し、鈴木大拙は鎌倉時代を評価したとあります。われわれは、古文の授業で奈良・平安時代ばかりを教わるので、つい、奈良時代・平安時代を評価してしまうが、別の考え方があることを知った。  記紀についても、『古事記』が成立直後に歴史から姿を隠し、『日本書紀』は官人の教養となっていたことが記されている。この事実を知らないと、本居宣長の『古事記伝』の重要性がわからない。  『源氏物語』は、深く仏教的な世界観に彩られていることは忘れてはならないという指摘がある。本居宣長は、できるだけ仏教色を少なく理解しようとしたという。確かに、『源氏物語』は仏教色が強いということは以前から知っていた。本居宣長が、『源氏物語』に日本独得の感性を見出したという指摘に疑問を抱くべきであった。

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2015/11/08

日本人の慣習や日本的な考え方はどこから来ているか?何に影響されてきたか?を知ることができます。 ただ、扱う事柄が膨大な分野をこれだけコンパクトにしてしまうと若干中身が希薄になることは否めません。 取り扱うこ資料や歴史的に影響力のあった人物がまだ数の少ない平安時代くらいまでは良...

日本人の慣習や日本的な考え方はどこから来ているか?何に影響されてきたか?を知ることができます。 ただ、扱う事柄が膨大な分野をこれだけコンパクトにしてしまうと若干中身が希薄になることは否めません。 取り扱うこ資料や歴史的に影響力のあった人物がまだ数の少ない平安時代くらいまでは良いのですが、鎌倉時代以降特に江戸時代から現代にかけては関連資料や関連人物が爆発的に増えるので、日本史の通史を学んでいるような感じになります。 その意味では日本の歴史をざっ〜と振り返りどんな時代に何があり、それがその後の時代にどんな影響を与えて今に至っているかを知るにも良い本です。興味のあるところを別の本で深堀する。そのガイド役にとしてはぴったりてすね。

Posted byブクログ