冥の水底 の商品レビュー
ホラーというかオカルトめいた設定は「そういうもの」として受け入れるのが違和感のある人もいるかもしれない。現代小説だと特に。 それはそれでいいんですけど・・・なんとなくざっくりと終わっちゃった感があるかな。結局その後どうすんだよ?と。特に主人公の息子をめぐるあれこれはまったく解決す...
ホラーというかオカルトめいた設定は「そういうもの」として受け入れるのが違和感のある人もいるかもしれない。現代小説だと特に。 それはそれでいいんですけど・・・なんとなくざっくりと終わっちゃった感があるかな。結局その後どうすんだよ?と。特に主人公の息子をめぐるあれこれはまったく解決することなく、また別れ別れなんだろうし。「血が繋がってないから人質としての価値がない」という部分のためだけの設定だとしたらちょっと重すぎる気が。各論めいた感想になっちゃいました。 読んでる最中、中盤くらいは結構楽しく読めました。
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朱川ワールドというのは、わかったようなわからないような、理解の線上をふらふらする所が最大の魅力だと俺は思うのですが、この作品に関してはわかりやすすぎて物足りません。よく使う言い回しですけど、朱川じゃなくてもが書けるお話じゃね?みたいな。
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玲人に「狼男」が写った写真を見せた友人が忽然と姿を消す。それから30年近く前、ある力を持ったマガチの青年シズクが、初恋の少女を追って上京していた。2つの時が交錯し、物語は切ないエンディングへと疾走する。。 ホラー+昭和が朱川作品の特徴で本作もそこはいつも通りなんだけど、何かが足...
玲人に「狼男」が写った写真を見せた友人が忽然と姿を消す。それから30年近く前、ある力を持ったマガチの青年シズクが、初恋の少女を追って上京していた。2つの時が交錯し、物語は切ないエンディングへと疾走する。。 ホラー+昭和が朱川作品の特徴で本作もそこはいつも通りなんだけど、何かが足りなかった。純愛を貫いたマガチに感情移入できないからか、新宿バス放火事件など実際にあった事件の引用が邪魔をしているためか、理由はわからないが期待外れの大作だった。 (C)
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シズクの純粋な気持ちが美しい。 そして、美しいゆえにあまりにも悲しい。 ヒト以外の生き物に変身する能力を持つマガチという 存在。 その秘密を追う記者の失踪。 血のつながらない父を慕う少年の思いのいじらしさ。 ラスト、シズクの一途さに胸がつまる思いだった。 マガチという存在にも、、...
シズクの純粋な気持ちが美しい。 そして、美しいゆえにあまりにも悲しい。 ヒト以外の生き物に変身する能力を持つマガチという 存在。 その秘密を追う記者の失踪。 血のつながらない父を慕う少年の思いのいじらしさ。 ラスト、シズクの一途さに胸がつまる思いだった。 マガチという存在にも、、、
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本書の説明にある「一気読み必至の、純愛ホラー巨編」の通りの作品だった。 東北の山の中にある、隠れ人の里。そこに住む「マガチ」という住民たちには、シャバの人には明かせない秘密があった.... 作者の作り上げた世界に、現実に昭和に起きた事件を掛け合わせているところに、心地悪い辻褄合わ...
本書の説明にある「一気読み必至の、純愛ホラー巨編」の通りの作品だった。 東北の山の中にある、隠れ人の里。そこに住む「マガチ」という住民たちには、シャバの人には明かせない秘密があった.... 作者の作り上げた世界に、現実に昭和に起きた事件を掛け合わせているところに、心地悪い辻褄合わせ感があったが、それを含め一気に最後まで読まされてしまった。 面白かった。
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+++ 医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋...
+++ 医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。 +++ 現在の市原玲人が巻き込まれた事件と、二十年前の曲地谷(まがちや)シズクが初恋の女性に宛てた出す当てのない手紙とが交互に描かれている。マガチという特殊な力を持った一族に生まれたシズクの一途な想いゆえに始まった物語は、ラストでひとつに収束し、結末を迎える。ホラーでありながらこれ以上ないほどの純愛物語であり、切なくもなるのだが、起こしてしまった事々は償いようのないことで胸が痛む。恐ろしくもあり透き通った一冊でもある。
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ノスタルジックな描写にふと現れる背筋をヒヤリとさせる怪異。思わずホロリとさせられる人情味溢れる人間描写。 そんな朱川ワールドである事は間違いないんですけど、実際の事件と敢えてリンクさせる必要があったのかなぁ、ホラー要素が前面に出過ぎてて野暮ったいかなぁ、 こういう人ならざるも...
ノスタルジックな描写にふと現れる背筋をヒヤリとさせる怪異。思わずホロリとさせられる人情味溢れる人間描写。 そんな朱川ワールドである事は間違いないんですけど、実際の事件と敢えてリンクさせる必要があったのかなぁ、ホラー要素が前面に出過ぎてて野暮ったいかなぁ、 こういう人ならざるものをテーマにした小説って、ソレを写し鏡のようにして人間の愚かさだったり醜さを浮き彫りにする効果をもってるものですけど、まさにそんな感じで目新しさはない。 手紙の焦点と主人公の焦点が実像に徐々に重なっていくような書き方は良かった。
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