冥の水底 の商品レビュー
面白かった!二段組みの長編で読むのに時間掛かりそう、と思いながら読み始めると、何とも読みやすい文章!スラスラと入ってきます。 日本版X-MENみたいなSFなのですが、切ないストーリーです。 少し東野圭吾の幻夜に通ずる所がある様に感じました。この手の話は個人的には好きです。
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異形のぼく。 出せない手紙。 ただ、君に会いたい。 この帯に惹かれて読んだ。 もうちょっと心揺さぶる激情がほしかったかな。 様々な視点や思いが混ざりすぎて、感情が平均値よりちょっと上くらいになってしまった感。 いや、でも面白かったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
哀しいなぁ、というのが読み終えてポツリと浮かんだ感想。 ブラック朱川氏でなく、グレー朱川氏。 【一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。】 と紹介文にあるけれど、手紙の書き手の事情が分かったら確かに一気に読み進めた。 シズクのラストが残念に思えたけれど、きっと彼の中で彼女のイメージは崇高レベルに美化されていただろうし 会えてもハッピーエンド、という対応を彼女がしたかも微妙なので、これでよかったのかなぁ。。。 と自分に言い聞かせる。。。 結構朱川氏の描く配偶者や男性は不義に走りがちなイメージだけれど、彼女の父親の行動で、シズクや彼女の人生が決まったことがやるせない。 とりあえず、一馬が非常にいい子だけれど、家庭環境がしんどいので、 どうか主人公との関係に、希望と、期待を持ちたい。 シズクの弟が子持ちということで、閉ざされた里での婚姻関係がどうなってるのかも気になるけれど。。。
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表紙に惹かれて図書館で借りた。 この作者のものを読むのは初めてだし、なかなか分厚いし、大丈夫かなあと不安だった。 読み進めて50ページあたりの途中には、このまま医学系の推理モノだったらどうしよう、苦手!と心配になって、いっそどこかのレビューページでネタバレ読んで消化しちゃおうかな...
表紙に惹かれて図書館で借りた。 この作者のものを読むのは初めてだし、なかなか分厚いし、大丈夫かなあと不安だった。 読み進めて50ページあたりの途中には、このまま医学系の推理モノだったらどうしよう、苦手!と心配になって、いっそどこかのレビューページでネタバレ読んで消化しちゃおうかな……とも考えたが、読後の感想が良いので頑張って読んでみようと進めた一冊。 結果、夜更かし…というか朝まで完徹して読んでしまった。だんだん真相に近付いていく市原とようやっと報われそう(?)なシズクの最後を読まねば!と躍起になってしまったお話しだった。
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バツイチの医師が、行方不明になった友人を探すうちに、人にはあらざるものの存在の秘密を探っていく。 初期の作品の昭和レトロで切ない短編が好きで、デビュー作からしばらくは追いかけていたけれど、徐々にマンネリ化して大味に感じられるようになったため、ここしばらくはご無沙汰していた。で、...
バツイチの医師が、行方不明になった友人を探すうちに、人にはあらざるものの存在の秘密を探っていく。 初期の作品の昭和レトロで切ない短編が好きで、デビュー作からしばらくは追いかけていたけれど、徐々にマンネリ化して大味に感じられるようになったため、ここしばらくはご無沙汰していた。で、ひっそりと沈み込むようなタイトルに惹かれて、久々に手に取ってみた筆者の長編である。 人とは言えないような存在も、謎めいた形で登場するのであれば、想像も膨らんで楽しめるのだけれど…。兄弟姉妹たちが、やけに人間的に関わってきてしまうと、やはり興醒め気味に。シズクの一途な手紙が同時進行するのはよかったので、純粋さゆえの哀しさに絞って、一気に悲劇的にまとめるとよかったのでは。
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人ならざるもの?純粋すぎるシズクと事件に巻き込まれた中年の医師が主人公。 構成は、シズクの手紙と現在進行形の事件とが交錯して進んでいきます。 わかりにくくはないのでグングン読めました。 上下段組みで結構なボリュームの本だったので完読できるかな?と心配でしたが、読み始めたらあっ...
人ならざるもの?純粋すぎるシズクと事件に巻き込まれた中年の医師が主人公。 構成は、シズクの手紙と現在進行形の事件とが交錯して進んでいきます。 わかりにくくはないのでグングン読めました。 上下段組みで結構なボリュームの本だったので完読できるかな?と心配でしたが、読み始めたらあっという間でした。 他の朱川さんの作品のように感動!ていう感想ではないのですが、マガチ一族の絆、一途な想い、人に重ねる偶像、人間関係に馳せる思い、それぞれ、おもしろかったです。 登場人物がメイン以外はみんな端役的な感じでしたが、まぁ、シズクくんとお医者さんのお話ということで。 大団円的な終わり方も個人的には好み。
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特殊な力が発揮できるとしても周囲と風貌が異なるというのは生きづらいと思う。 そんな人生なのに、シズクの純粋さといったら……。 あまりにも純粋すぎて付け入れられてしまったのか。
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決してホラーではない、悲しいストーリー。 2段組みで400頁強の大作、あっという間に読み切れるだけの展開、筆力なのに、心の抑揚、揺れるところ、著者に求めるところがなくて残念かな。
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朱川さんの作品ファンになりました。 昭和50~60年代に書かれた、シズクが想い人の女性にあてた手紙(一度も出されることなく、ただ自分の心をつづった純粋な気持ちの手紙)と、平成の現在に起こっている失踪&殺人事件の謎解きが、交互にそしてだんだんそれらが結びついてくるように作られていま...
朱川さんの作品ファンになりました。 昭和50~60年代に書かれた、シズクが想い人の女性にあてた手紙(一度も出されることなく、ただ自分の心をつづった純粋な気持ちの手紙)と、平成の現在に起こっている失踪&殺人事件の謎解きが、交互にそしてだんだんそれらが結びついてくるように作られています。 シズクの手紙に魅力があります。 終盤は、やや緊張感がなくなってしまいましたが、それまでは面白くて、分厚い本もあっという間でした。 シズクの最後は分かったけど、他の登場人物が、その後どういう形で収まったのか、そこも気になるので書いてほしかったです。
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「マガチ」と呼ばれる異形の人々の物語。特異な外見に変貌し、特異な能力を持つ彼ら。その能力ゆえに迫害され、疎外され、忌み嫌われるなんとも哀しい運命がやりきれなくて。シズクのしたためる出せない手紙は、涙なしには読めません。 とはいえ。その謎を追い求めるものに迫る魔の手は恐ろしく。それ...
「マガチ」と呼ばれる異形の人々の物語。特異な外見に変貌し、特異な能力を持つ彼ら。その能力ゆえに迫害され、疎外され、忌み嫌われるなんとも哀しい運命がやりきれなくて。シズクのしたためる出せない手紙は、涙なしには読めません。 とはいえ。その謎を追い求めるものに迫る魔の手は恐ろしく。それこそ「バケモノ」であると思えてしまうのはしかたのないこと。普通の人間から見た「マガチ」の恐怖と、マガチが抱える苦しみのギャップがひどく痛々しいです。「今生はしくじったと思え」の言葉はあまりに救いがない……。 重苦しく哀しくさびしい物語ではありますが。読後感は案外と穏やか。美しさも感じられるラストでした。
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