サラバ!(下) の商品レビュー
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この世に左足から生まれ落ちた瞬間から綴られる、主人公圷歩の長い長い自叙伝。 上巻はこのペースで延々と綴られていくのかと、あまりのディテールに物語はどう展開していくのかわからず。 下巻になって家族はバラバラになり、大学生になってもなお歩は事なかれ主義を貫く。一見、平和で温厚そうに見えるんだろうけど、腹の中はけっこう黒い。家族は相変わらず…。 ヤコブ、須玖、鴻上と、この3人は歩にとって良い刺激を与えてくれた。3人とも、信じるものを持ってるように見える。 父親が神ってるなぁとずっと思ってたけど、最後の展開で知る真実。やっぱりこの境地に至る事情があるのよね。 「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」 自分の思うこと、自分はどうしたいのか、他人の意見や世間の目を気にしすぎる歩は、自分の本当の思いを心の奥にしまいがち。 自分の好きなものや好きな感覚を大事にしていけば、自分の価値観は生まれてくる。 ラストの章は壮大。いつも受け身で、少し狡い歩の人生だったけど、出口の見えないトンネルから、ようやく光が見えてくる感じに、涙してしまう。 自分らしさとは何か、を問う物語だったんですね。 しかしここまで広げた話を最後、うまいこと着地させたなぁと。そして西加奈子のユーモアセンスも存分に感じられる作品でした。
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第152回直木賞受賞作 主人公の大学時代からリアルタイムの34歳までを描いた下巻。順調に見えた人生が、年齢や環境の変化とともに揺らいでいく過程が印象的だった。 幼少期から姉の存在に振り回されてきた主人公だが、やがて「信じるもの」を見つけた姉に対して焦燥感を抱くようになる。そこから...
第152回直木賞受賞作 主人公の大学時代からリアルタイムの34歳までを描いた下巻。順調に見えた人生が、年齢や環境の変化とともに揺らいでいく過程が印象的だった。 幼少期から姉の存在に振り回されてきた主人公だが、やがて「信じるもの」を見つけた姉に対して焦燥感を抱くようになる。そこから見た目の衰えや仕事の減少、周囲の変化が重なり、自分の拠り所のなさが浮き彫りになっていく展開がリアルだった。 本作のテーマは「何を信じて生きるか」。信じること=生きることとして、宗教や結婚といった形に落とし込もうとしている点にはやや引っかかりもあったが、根底にある問いは普遍的で強い。 ヤコブとの再会や「サラバ」の回収、サモトラコヲモンサマ、両親の馴れ初めも含め、物語としての収まりは良い。登場人物それぞれの生き方にもそれぞれの信念があり、対比として機能していた。 西加奈子作品らしく、最後にはきちんと救いが用意されている。人生の揺らぎを描きながらも、最終的に肯定へと着地させる力のある一作だった。
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読むのに時間がかなりかかったけど、最後まで読んでよかった 「信じる」って何か 自分が選んでここまできた、と心から言える人生にしていきたい
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読みながら自分がブンブン振り回されているような感覚を覚えました。途中、ぶっ飛んだお姉さんや家族がどうなっていくのか本気で心配になりました。でも最後は非常に穏やかにそれぞれが信じるものを見つけることができ、ほっとしました。とても面白かったです。
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・ヤコブと再会したシーンは涙が止まらなかった。 ・「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」 これから自分が強く生きていくための大切な教訓として胸に刻みたい言葉だ。
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西加奈子代表作の下巻。 まさか物語の核心の神様が… 電車で読んでて吹き出してしまった。 なんて凄い作品だろう。西加奈子にアッパレ!
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引力のある本であっという間に読み終わってしまった ハッとした言葉がたくさんあったと思うけど一回読んだだけなので薄っすらとしか思い出せないけど何かよくわからない納得のような、充足感のようなものがある 面白かった 作者様の勤勉さが作品の土台として大きく横たわっているな 主人公、正直私かと思った 何かを好きだと言うことを人からどう見られるかを計算して大丈夫だとわかってからやっと好きだと言える感じ そして自分自身にも嘘をついてしまう感じ ティラミス、声を出して笑ったけど笑いながら胸を打たれた 世界で1番くだらないことをしようと思った心のまっすぐさに打たれた 主人公は自分のことを大嫌いだと言うけれど良いものはいいとちゃんと思える心の素直さがあるからきっと大丈夫 あとは自分の好きだと思ったことにブレーキをかけずに本気で挑めるように自分で嘘をつかないようにすること…ただ私もできてないんだよなできるようになりたいな 私も最近作るもの作るもの人の目を気にしててたいして作りたくないつまらんもので埋まっててだから誰にも見向きされてない 誰もいない世界で自分の好きなように人の目なんてないと思えたらいいなと思った 何回も読み返したいな 私は何を信じようかな
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作者の自伝的小説なんだと思いながらもこんなに紆余曲折はなかったろうなと思いました。最後まで次はどうなるんだと興味津々でした。作家になるんだろうとは思いました。そして次々と名作を世に送り出していくだろうと思いました。
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どうなるのどうなるの?って思いながらページをめくる目が止まらなかった。 書きたいものをただ書いた。 本当にそうなんだろうなって思った。 私も生きている時にこういうことかけたらなって思うけど、それを一つの物語にするのは大変。 楽しかったありがとうございました。
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つい最後まで読み耽ってしまった。 登場人物のキャラクターにもストーリー展開にも圧倒されながら最後まで読み進めた。読み終わり、高揚感と自分の心が大きくなったような感じがしている。 上巻は、貴子の奇想天外なキャラクターが面白くって貴子どうなるんや〜と読み進めたので、下巻の「すくいび...
つい最後まで読み耽ってしまった。 登場人物のキャラクターにもストーリー展開にも圧倒されながら最後まで読み進めた。読み終わり、高揚感と自分の心が大きくなったような感じがしている。 上巻は、貴子の奇想天外なキャラクターが面白くって貴子どうなるんや〜と読み進めたので、下巻の「すくいびと」の話からの貴子の今の姿が読めたのがめちゃくちゃ嬉しかった。 歩が人間として怒りや情けなさをこれでもかと感じる後半部分、自分自身の中にある嫌〜な部分を曝け出されているようで、辛くもあり、同時にここまで言語化してくれるのかと清々しい気持ちにもなった。ちょうど、この1年ほど、仕事でのトラブルから失敗や自分の稚拙な部分を目の当たりにして、心が揺らいで、ぶれて、そこから逃げたくなって、誰かのせいにしたくて、報道やSNSで何気なく見かける投稿文、あらゆる物事も自分を責めているように思ってしまったり、こうしなきゃならないと焦ってしまったり、感じやすくなっていた。自分の軸なんてものはいつのまにか色んな他人の軸を借りたものでいっぱいになっていて、あれ、自分は、、!なんてことになっていた。 しかし、歩が再び自分を信じられる道となった『サラバ!』が、私自身を救ってくれたな。 信じるものを追い求める気持ち、何より自分が自分として歩み続けることを信じられること。 他人の目を見て、他人と自分を比べている自分に、「他人なんか気にしなくても、今ここに自分という存在がいるじゃないか。誰よりも信じられる自分がいるじゃないか」と言葉をかけたくなる。この本を今、選んだことにすごく意味がある感じがして嬉しかった。 どれだけ悲しい出来事が自分を取り巻く世界に降り注いだとしても、確固たる自分の中の幹を太く持っていたいなと思う。生きるエネルギーに満ちた作品。
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