南シナ海 中国海洋覇権の野望 の商品レビュー
2016/12/中旬に読了 南シナ海各国の現状、展望をルポタージュ的に概観していてなかなかおもしろかった。
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中国にとっての南シナ海は19世紀から20世紀にかけてのアメリカにとってのカリブ海のようなポジションにあるとみなすことができる。アメリカはカリブ海にヨーロッパ列強のプレゼンスと領有権があることを認識していたが、それでもこの地域を自分たちだけで支配することを狙っていた。 アメリカは...
中国にとっての南シナ海は19世紀から20世紀にかけてのアメリカにとってのカリブ海のようなポジションにあるとみなすことができる。アメリカはカリブ海にヨーロッパ列強のプレゼンスと領有権があることを認識していたが、それでもこの地域を自分たちだけで支配することを狙っていた。 アメリカは西半球を支配しており、しかも東半球のバランスオブパワーに影響を与えられるだけのパワーを持っているため、世界の平和を維持するだけでなく、国際貿易の土台となる海上交通線というグローバルなコモンズを守っている。 軍事の分野で本当に多極化が進むと、ある特定の地域では地理的に中心に位置している国家が有利になる。それが東アジアにおける中国だる。 国際政治におけるあらゆる道徳観念の問題の背後にあるのは、結局のところパワーに関する問題。 北東アジアでは中国、日本、韓国の間でおおまかなバランスオブパワーが成立している。南品化いでは中国が圧倒的な大きな脅威になっており、ベトナム、マレーシア、フィリピンのような国は日韓ほどには米軍やアメリカとの関係を持っていない。
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初めてこの著者の本を読んだ。訳者が語るように、ルポジュタール的な文体と旅行記スタイルで、その地で感じたことやインタビューと歴史を紐解きながら、その未来であるとかを考察している。納得させられるものであった。しかし、人間は戦いなくしては生きていけないのか?
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中国が自国の覇権を確立しようと周辺国やアメリカなどと摩擦を引き起こしている南シナ海。 本書は題名から想像できるように、この南シナ海をテーマにしたものです。 構成はプロローグとエピローグの他、全8章からなり、その内容は、南シナ海をめぐる現状をまとめた後、中国、ベトナム、マレーシア...
中国が自国の覇権を確立しようと周辺国やアメリカなどと摩擦を引き起こしている南シナ海。 本書は題名から想像できるように、この南シナ海をテーマにしたものです。 構成はプロローグとエピローグの他、全8章からなり、その内容は、南シナ海をめぐる現状をまとめた後、中国、ベトナム、マレーシア、シンガポール、フィリピン、台湾の各国の事情を解説しています。 実は以前、同じ著者の「インド洋圏が、世界を動かす」を読んだ事があるのですが、本書もこれと同様に著者の現地取材に基づいて執筆されており、上記各国の理解を深めてくれる内容となっています。 しかし、その一方で、「著者が現地に行き、その実情を見て思索する」だけとも言え、何がしかの総合的な分析、結論を出している訳ではありません。 その為、著者自身による明確な分析・結論を求めている方には物足りない内容となっているかも知れませんが、刺激を与えてくれる内容である事は間違いなく、南シナ海の現状について、読者に自ら考えようと言う気持ちにさせてくれる内容です。
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