不可能なもの の商品レビュー
読書会で読んだ。前半はコジェーヴと嫁とのゴタゴタという感じであったが、後半の詩の部分もなかなか面白かった。詩は自己認識でも可能なものの体験でもなく、不可能なものを言葉を通じて喚起させるものだというところが感動的であった。愛や自分自身の虚空さが精神分析的だと思った。
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虚無からの脱却には何種類もの方法がある。それが官能的なものしか作用しない人がいるようだ。官能的なものぐらいで抜け出せるかもしれないという希望を持てる人はうらやましい限りであるが、時々いい言葉がある。そちらの方面も真剣に突き詰めればなにか哲学的に共通するところもあるのかもしれない。...
虚無からの脱却には何種類もの方法がある。それが官能的なものしか作用しない人がいるようだ。官能的なものぐらいで抜け出せるかもしれないという希望を持てる人はうらやましい限りであるが、時々いい言葉がある。そちらの方面も真剣に突き詰めればなにか哲学的に共通するところもあるのかもしれない。 「主権」と最後にある訳者によるバタイユのノートからの引用がいい。 ”なにかを基礎付けるのが目的ではない 僅かの原理すらも 基礎と混同するのは私の言いたいことを理解していないことである 隠れた意味などない ましてや体系など 現実的性格を強調すること 不可能なもの 結構 だが もしも不可能であればそれは意味を持たないであろう ほんとうは可能なものにしか関係していない ただし それを無に帰する一切のものを排除することによって”
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