サウスバウンド の商品レビュー
父すげー…!でも自分の父だとちょっと困るよなあ笑 主人公の気持ちすごいよくわかった。父はあまりに身勝手だけど国が正義とも思えないよな。 二郎はいいやつだわ。あと先生も、自分の過ちを認められるかっこいい大人だった。 私の親(というか母)も割とスローライフ推奨&物々交換大賛成派なので...
父すげー…!でも自分の父だとちょっと困るよなあ笑 主人公の気持ちすごいよくわかった。父はあまりに身勝手だけど国が正義とも思えないよな。 二郎はいいやつだわ。あと先生も、自分の過ちを認められるかっこいい大人だった。 私の親(というか母)も割とスローライフ推奨&物々交換大賛成派なので、後半の島での生活の人の温かさや家が蘇る様、勝手気ままな生活がすごく羨ましくなった。 私も島に行くか。
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やめられない止まらない。小中学生の悩みをこんなリアルに描いて追体験できる作品って他にない。いや、こんな特殊な環境の小学生早々いないだろうけどさ。とにかく読んでてこっちの感情が引きずられるくらい引き込まれる。後味もいい。
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前半は気持ちが沈み込むような重い展開だったけれど、西表島へ移住してからのストーリーは、どこか筒井康隆さんを彷彿とさせるドタバタの連続で、常識外れだった父親のキャラが際立って活きてくる。 ラストシーンには新たな夢が込められていて、暗い読み出しと違って温かい気持ちで読み終えることが出...
前半は気持ちが沈み込むような重い展開だったけれど、西表島へ移住してからのストーリーは、どこか筒井康隆さんを彷彿とさせるドタバタの連続で、常識外れだった父親のキャラが際立って活きてくる。 ラストシーンには新たな夢が込められていて、暗い読み出しと違って温かい気持ちで読み終えることが出来た。(*^_^*)v
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家族の絆を描いた傑作長編というと心温まるほっこりストーリーかと思うが、読んでみるとかなり特殊な家族だった。元過激派の父には最初反発しか覚えなかったが、西表島に移住してからはどんどん格好良く見えてきて不思議な気持ちに。子どもたちを力ずくで自分の思想に染めようとしないところが良い。...
家族の絆を描いた傑作長編というと心温まるほっこりストーリーかと思うが、読んでみるとかなり特殊な家族だった。元過激派の父には最初反発しか覚えなかったが、西表島に移住してからはどんどん格好良く見えてきて不思議な気持ちに。子どもたちを力ずくで自分の思想に染めようとしないところが良い。こんな父親が良いかと言われると首を傾げるが、実際に父親だったなら誇りに思えるお父さんだっただろう。自分の非を手紙で認めた南先生も、移住後に吹っ切れたかのような母と姉も魅力的な人物でいっぱいだった。
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一部の東京編が二部の沖縄編の痛快さをより際立つものにしていると感じた。 長編ですが、途中からは辞めどきがなくなるくらい面白い。
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小学生が主人公で、「奥田英朗にはこういう作品もあるんだ」と思った。この作品に限らないけれど、小説に出てくる小学校高学年というのは、考えているし、よく察するし、とても大人っぽい。自分の小学生の頃ってもっと子供っぽくて、何にも分からなくて、何にも考えてなかったなと思う。自分の発達が遅...
小学生が主人公で、「奥田英朗にはこういう作品もあるんだ」と思った。この作品に限らないけれど、小説に出てくる小学校高学年というのは、考えているし、よく察するし、とても大人っぽい。自分の小学生の頃ってもっと子供っぽくて、何にも分からなくて、何にも考えてなかったなと思う。自分の発達が遅かったのか、記憶が捏造されているのか、大人向けの小説だから大人っぽく書かざるを得ないのか、作者も匙加減が分からなくなっているのか、よく分からない。 西表島はそんなにのどかなところなのかなぁと疑問。自分の地元は田舎だけど、たぶん中野とそう変わらなかった思う。 家族って良いねと思った。
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元過激派で無政府主義者の父を持つ主人公の二郎。その二郎の視線から父が巻き起こすさまざまな騒動が描かれる。父は社会からのはみ出しものだが、主人公は社会に順応しており、常識的な目線で読者を導いている。 主人公の父親の行動は、社会不適応で、時には滑稽でありもするが、一方で社会で普通に...
元過激派で無政府主義者の父を持つ主人公の二郎。その二郎の視線から父が巻き起こすさまざまな騒動が描かれる。父は社会からのはみ出しものだが、主人公は社会に順応しており、常識的な目線で読者を導いている。 主人公の父親の行動は、社会不適応で、時には滑稽でありもするが、一方で社会で普通に生きる人間でも感じる矛盾等を炙り出す。 作中では、国家であったり、法、経済、のあるべき姿と脆さが普段とは違う視点から問題提起される。また、原始社会ではそれらが必要なく、その姿に近い理想郷として沖縄の果ての島が舞台として選ばれている。 主人公の父の姿は、作中の台詞にもある通り極端ではあるが、全く荒唐無稽ではなく、一面では真実を捉えている。そう言った意味では考えさせられる。 一方、語り口はユーモアたっぷりで、青春の懐かしさも感じられる。
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第1章も第2章もそれぞれ面白くて、続きが気になって仕事が手につかなくて困るほど。2冊分くらいのページ数だが長さは感じなかった。元過激派で今はアナーキストの父と御茶ノ水のジャンヌ・ダルクと言われた母。もっと小難しい話かと思ったら(小難しい解釈もできるけど)、エンターテイメントだった...
第1章も第2章もそれぞれ面白くて、続きが気になって仕事が手につかなくて困るほど。2冊分くらいのページ数だが長さは感じなかった。元過激派で今はアナーキストの父と御茶ノ水のジャンヌ・ダルクと言われた母。もっと小難しい話かと思ったら(小難しい解釈もできるけど)、エンターテイメントだった。いやぁ楽しんだ。
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中野に住む、小学五年生の上原二郎。 友人と学校帰りに中野ブロードウェイで立ち読みしたり、遊んだりと二郎は普通の小学生なのだが、少し周りと違うところがある。 父が元過激派の活動家で、現在は自称小説家であることだ。 そんな父となぜ結婚したか子供でも理解できない優しい母。 第一部...
中野に住む、小学五年生の上原二郎。 友人と学校帰りに中野ブロードウェイで立ち読みしたり、遊んだりと二郎は普通の小学生なのだが、少し周りと違うところがある。 父が元過激派の活動家で、現在は自称小説家であることだ。 そんな父となぜ結婚したか子供でも理解できない優しい母。 第一部は中野を舞台に、二郎とその友人。中学生の不良たちを巻き込んだストーリ。 第二部はそんな家族が理由あって西表島に移住する。 そこでまた繰り広げられる話が面白い。 父と母の馴れ初めも伏線も回収される。
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なんて瑞々しいんだろう。本当に大人が書いたのかな?と思うほど、十二歳の少年の心がすぐそばに感じられる。奇しくも十二歳の子を持つ親としてとても興味深く一つ一つの文章が愛おしく思えました。子どもだって、いや、子どもだからこそ、ぐっと素直に自然の摂理や人の温かさを受け止めて理解すること...
なんて瑞々しいんだろう。本当に大人が書いたのかな?と思うほど、十二歳の少年の心がすぐそばに感じられる。奇しくも十二歳の子を持つ親としてとても興味深く一つ一つの文章が愛おしく思えました。子どもだって、いや、子どもだからこそ、ぐっと素直に自然の摂理や人の温かさを受け止めて理解することができるんだな。東京編から沖縄編へ一気にトンネルを抜けて世界が広がるそのスケールとスピードが心地よく最後のページを迎えることが寂しくもありました。
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