経済政策で人は死ぬか? の商品レビュー
たまたまインスタで読んでる人が回ってきて、タイトルが興味深くて読んでみたい!と思った本 図書館に置かれてて、これまた興味本位で借りたけど難しい内容ではあったけどすごい感慨深い内容だった。 読み始めは、公衆衛生学ってなに?って状態だったけど、わかりやすくま...
たまたまインスタで読んでる人が回ってきて、タイトルが興味深くて読んでみたい!と思った本 図書館に置かれてて、これまた興味本位で借りたけど難しい内容ではあったけどすごい感慨深い内容だった。 読み始めは、公衆衛生学ってなに?って状態だったけど、わかりやすくまとめてあるこの本を読み終えてからは、経済政策によって公衆衛生が悪くなり、それが人の命にも関わる問題になることを知った。 今コロナによって不安定な状況にある世界は、一種の臨床試験(経済政策の)に巻き込まれてるようなものなのかもしれない。 日本はこれまで医療費などの国民を守るための制度を削らなかったから、コロナによる死亡者が世界と比較して少ない方ではあるけど、それでも医療状態は逼迫してる…そう考えると緊縮財政政策を掲げて、保険福祉予算を極端に削ったイギリスやギリシャはコロナの流行で医者の数が足りず十分な医療を提供できないから、死亡者数が増えていくのも納得… これを読んで思うのは、大不況の中で日本の福祉医療費を削ろうとする、変な政治家が「まだ」いなくてよかったなと、、 難しい本だけど、新しい知識を得られて満足満足 自分の専門分野ではないけど、こういう本を読むのも興味と視野が広がるから大切だね!
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不況時の緊縮財政施策、特に公衆衛生に関する施策の縮小は長期にダメージを与える、と。 IMFに言われていきなり緊縮財政を採用して悲惨な結果に陥った国もある。それに比べると日本はなんだかんだ言って急激な変化に対してのらりくらり前例維持で反応してて、でもそれが結果として、良くも悪くも急...
不況時の緊縮財政施策、特に公衆衛生に関する施策の縮小は長期にダメージを与える、と。 IMFに言われていきなり緊縮財政を採用して悲惨な結果に陥った国もある。それに比べると日本はなんだかんだ言って急激な変化に対してのらりくらり前例維持で反応してて、でもそれが結果として、良くも悪くも急激な変動を鈍らせて、民衆が各自対応できるようになるための時間的猶予を確保することになるのかも。各自への負担はあるけれど安定した社会の実現という点で日本は優れてる。
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この本を読むまで、公衆衛生学がどういうものなのかすら分かっていなかったけれど、過去の大不況時の各国の経済政策の事例が分かりやすく、財政緊縮策を取るか、財政刺激策を取るかで、一人一人の生活にこんなに影響を及ぼすんだと、とても参考になった。 今後、選挙の時など各政党の政策を比較する時...
この本を読むまで、公衆衛生学がどういうものなのかすら分かっていなかったけれど、過去の大不況時の各国の経済政策の事例が分かりやすく、財政緊縮策を取るか、財政刺激策を取るかで、一人一人の生活にこんなに影響を及ぼすんだと、とても参考になった。 今後、選挙の時など各政党の政策を比較する時にも参考にしたい。 2014年刊行なので、コロナ後まで網羅した最新版も出してほしい!
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p39あたりでの疑問 ・日本人が長寿なのは長引く不況と関係がある? ・コロナ禍では死亡率は低下した?
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経済政策が、人々の健康にどのような影響を及ぼすのかというのを、大恐慌やリーマンショックなどの不況時の各国の経済政策をもとに分析したもの。 Kindleだと本の半分くらいが参考文献という、かなり学術書よりな本。 内容としては、福祉への出費を抑制した国は経済の回復も国民の健康も悪...
経済政策が、人々の健康にどのような影響を及ぼすのかというのを、大恐慌やリーマンショックなどの不況時の各国の経済政策をもとに分析したもの。 Kindleだと本の半分くらいが参考文献という、かなり学術書よりな本。 内容としては、福祉への出費を抑制した国は経済の回復も国民の健康も悪影響がある、という主張を繰り返し行うもの。 主張としては上記を色々なケースで挙げていく感じなので、エンタメとしてはそこまで面白くなかった。 というか、凄いIMFアンチ。 ここまで主張が真逆だと、逆にIMF側に立つ研究者の主張も見てみたい。 ここまで参考文献もデータもミッチリなので、嘘な主張ではないと思うが…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
公衆衛生学の観点から、死亡率などの多種多様なデータに基づいて不況時の政策を評価した本。 「国民の命は経済政策に左右される」という論調のもと、ソ連崩壊後のロシアやアジア通貨危機におけるタイ、金融恐慌におけるギリシャなどが緊縮政策で社会保障を削ったことで死亡率が増加したことを統計的に示している。一方、世界恐慌時のアメリカ、金融恐慌時のスウェーデンなどでは、不況に際して緊縮政策ではなく社会保護に予算を注ぎ込み、国民の健康状態を悪化させることを回避した。不況時には、ALMP(積極的労働市場政策)などの失業者を職に戻すことと公衆衛生に投資するべきである。 制作の決定は経済学だけでなく様々な観点が必要である一方で、社会保護に重点を置く政策が一定の成果を出していることは説得力のある説明だった。政策は経済的な価値だけでなく、国民の健康状態も含めて評価すべきである、という主張のとおりの内容だったと思う。
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非常に恐ろしい話。 不況のとき、人々の健康や生死を左右するのは経済危機そのものではなく、政府がどう対応するかによるとのこと。 アメリカの大恐慌や、東アジア通貨危機、ソビエト崩壊、ギリシャの騒動など豊富な例をもとに、公衆衛生学や統計学から緊縮政策でどれほど人が死んでいくか語られる。...
非常に恐ろしい話。 不況のとき、人々の健康や生死を左右するのは経済危機そのものではなく、政府がどう対応するかによるとのこと。 アメリカの大恐慌や、東アジア通貨危機、ソビエト崩壊、ギリシャの騒動など豊富な例をもとに、公衆衛生学や統計学から緊縮政策でどれほど人が死んでいくか語られる。 これまで死は非常に個人的なものだという漠然としたイメージがあったけど、政府の政策次第でこれほど明暗がわかれるとはおそろしい。 もし自分が不況時にギリシャに住んでたら、死ぬか高い確率で健康を損なっていたと思う。 また緊縮政策を行った国の対照群として、不況時に逆に公衆衛生への支出を増やしたマレーシアやアイスランドなどの例も載っており、これまた非常に対照的な結果だった。 支出を増やすとさらに経済が悪化するような感じもあるが、それとは逆で短期間のうちに成長へ転じ税収は増加する。豊富なデータをもとに一般の人へ伝わりやすい書き方になっており、どんどん読めていった。 今総裁選で経済政策も一つの論点になっているが、緊縮政策を掲げている人は、この本を読んだうえで言ってほしい。 「人命にかかわる問題をイデオロギーで考えてはいけない。」 まさにこれだけデータが蓄積されているにも関わらず緊縮政策を推進するのは、イデオロギー以外の理由があるのだろうか。 とくかくわかったのは、「経済政策で人は死ぬ」しかもその影響は甚大であること。 自分が生まれてからずっと不況だといわれているためか不況というのにピンとこない部分があったが、健康に影響があるというのはとてもわかりやすく、その分怖くもなる。 これを出発点に政治と経済、健康のことを考えていきたい。
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国民の健康を守ることが国家の責務であるという命題のもと、社会保障政策が財政を破綻に追い込むどころか、人々の命を文字通り救い、さらに用法さえ誤らなければ経済を刺激して景気を押し上げることを示唆する本。 この本の内容をリベラル風に読んでいまの日本を憂うことは読み方によってはできそう...
国民の健康を守ることが国家の責務であるという命題のもと、社会保障政策が財政を破綻に追い込むどころか、人々の命を文字通り救い、さらに用法さえ誤らなければ経済を刺激して景気を押し上げることを示唆する本。 この本の内容をリベラル風に読んでいまの日本を憂うことは読み方によってはできそうだが、 本書の分析の対象はどれも短期間で大きく経済が落ち込んでいる極端な事例なので、それを平常時の政策に持ち込むことがどこまで妥当なのかは自分にはわからなかった。 いずれにせよ、自分は経済政策に生かされているとか考えることも(ありがたいことに)普段はないので、勉強のきっかけをくれるいい本だった。
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当たり前のようにも感じますが、どれも説得的な具体的事例が紹介されています。 政治は大規模な医療であるという格言は、まさにそうだなまあと感じました。 スウェーデンの取組など、真似したいものもいくつか気付けて有益でした。
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本年の春先あたりにはあちこちの書店で話題書平積みになっているのをよく見かけた。 本書の結論はズバリ「国民の命は経済政策に左右される」。経済悪化時に緊縮財政、特に社会保障と保険医療分野をケチると絶対にロクな事にはならないぞ、結果として高くつくんだ、という事がわかりやすい文章と資料...
本年の春先あたりにはあちこちの書店で話題書平積みになっているのをよく見かけた。 本書の結論はズバリ「国民の命は経済政策に左右される」。経済悪化時に緊縮財政、特に社会保障と保険医療分野をケチると絶対にロクな事にはならないぞ、結果として高くつくんだ、という事がわかりやすい文章と資料で示されている。出てくるグラフは素人でも充分理解可能な簡潔さ。 日本の場合はどうなんだろう…と考え、調べるきっかけになった意義豊かな一冊。 5刷 2020.12.27
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